泡だらけ
掲載日:2015/04/14
それはまるで、グラスに注がれたサイダーみたい。
下へ、下へ。
一度沈んで。
上へ、上へ。
出口を求めて、さまよっている。
一方通行。
どれくらい、重力が高かったら。
それとも、このグラスの中に。
どの程度の粘性があったら。
その動きが止まるのか。
出口がないと、思い出すのか。
一粒一粒。
浮かんできたものにふたをする。
一粒、一粒。
昇り切れなくて、つながりを増す。
大きく、大きく。
次第に成長した。
泡の中に、自分の顔が写っていって。
初めて、サイダーは思い知る。
自分の欠片が、次第に失われていくことに。
自分の体が、だんだんと入れ替わっていくことに。
外へ出ていった分だけ、何かが残っていく。
外へ出ていった分だけ、何かが沈んでいく。
沈んだものが、泡に置き換わって。
いつしか、泡が出なくなる。
人の、心も、そう。
泡と、言葉の代わりに。
重い、想いを、溜めこんでいく。
泡が出なくなったら。
きっと、底が抜けるんだ。
じっと見続けられるほど、悠長な時間はない。
じっと見続けられるほど、僕に余裕はない。
見下しているだけの、プライドだけが、沈んでいく。
きっと、そのうち、それだけが残る。




