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現代入りした吸血鬼  作者: 【K】
1/1

part1

内容に関しましては9割程が自分の想像であり妄想なので、あまり深く考えずに読んでいだだけると幸いです

幻想郷

それは、現実世界で忘れ去られた物や人がたどり着く最後の楽園。

そこでは人の他にも色々な者たちが暮らしている。

人間、動物や妖怪、妖精に幽霊、神々・・・そういった様々な者達が住まう。

そんな中、霧の濃い湖の向こうに建つ館「紅魔館」

その名の通り建物全体が紅く、少し不気味に感じる人も少なくない。

そんな紅魔館のある日の事。


「あら?いけない。そろそろお嬢様を起こさなきゃいけないわね」

紅魔館のメイド長十六夜咲夜が呟く。

時刻は夕時。

普通の人間なら今から起きる時間ではない。

普通の「人間」ならば。

そう、紅魔館の主は人間ではないのだ。

妖怪、それも色々な所で名前を耳にする伝説の妖怪

         吸血鬼

それが紅魔館の主である。咲夜は主の元へ向かう。

コンコンとノックを二回する。

「お嬢様、そろそろお時間です」

今夜は夜から博麗神社で宴会が行われる。

最近ではもう紅魔館の陣営は宴会に居て当然のように思えてくる。

しかし、そんな事を考えながら待ってみても返答がない。

「またですか・・・」

と、ため息混じりに咲夜が言う。

返事がないのはこれまででも多々あった。

寝坊、と言っていいものか分からないが、大抵これだけでは起きない。

だからいつもの事だと思いながら「失礼します」と、一声かけながら扉を開ける。

「・・・お嬢様?」

部屋に入るも主の姿はない。

いつもならばベッドの上で寝ているはずの主。

しかし、今日はその姿が見えない。

「おかしいわね・・・パチュリー様の所かしら?」

そう言いながら部屋を後にする。

だが、館のどこを探しても主は見つからない。

黙って先に神社に行ったとも考えにくい。

咲夜は少し嫌な予感を感じつつ、神社へと向かう。


神社に着くと紅白の巫女と白黒の魔法使いが話し込んでいた。

するとこちらに気づいた巫女が近寄ってくる。

「あら?咲夜が一人なんて珍しいわね」

「そう言うって事は、お嬢様はこちらにいらしてないね?」

「ん?どういう意味?」

「突然館からお嬢様の姿が消えたのよ」

「消えたって・・・あの子が?」

流石の霊夢でも驚いてるようだ。

「お?何だ?また何かの異変か?」

白黒の魔法使い、霧雨魔理沙が話しに入ってくる。

「多分ね。私に一言も無しに居なくなる事なんて今までなかったし」

「・・・神隠しみたいなものかしら?」

霊夢が面倒臭さそうに言う。

「宴会の日に居なくなるなんてあいつもツイてないな」

魔理沙が少し楽しそうに言う。

「まぁ、異変なら解決しない訳にはいかないわ。他に誰かが居なくなってないか探してみようかしら」

「悪いわね、本当に」

「当然、貴女も手伝ってくれるのよね?」

「勿論ですわ」

「んじゃ、私も手伝うとするかな」

宴会が始まるまであまり時間がない。

こうして、三人の紅魔館主捜索が始まった。



「はぁ・・・」

ため息を吐きながら俺は一人家へと帰る。

まだ11月だというのにやけに寒く、吐いた息は白い靄になり空へと溶けてゆく。

時刻は22時、仕事帰りだ。

そんないつもと変わらないはずの今日、俺は目を疑った。

公園のベンチに一人、横たわる少女。

こんな寒い日なのにこの子は何なんだ?

そう思った。

とりあえず俺は、声をかけてみる事にした。

「だ、大丈夫・・・か?」

返事はない。

息はしているみたいだが、寒そうにしている。

軽く体を揺すっても起きる気配はなかった。

ってか、背中の羽は・・・装飾品か?

「まいったな・・・」

警察に連絡して保護してもらおうかと思ったが、どう説明したらいいのか分からず、だからといって家に運び込むのもマズイ。

もし、ここで誰かを待ってるのだとしたら逆に自分が通報される。

「・・・仕方ない」

俺はそう言いながら着ていたコートと手袋、マフラーをその子に身につけさせ、帰る事にした。


「ふあぁ・・・ん?」

目が覚めるとそこは自分の知らない場所だった。

「え?ここは・・・どこかしら?」

一人、呟いたその声は夜の闇の中へ消えていく。

「確か・・・昨日はいつも通りに部屋で寝て・・・」

思い出せるのはここまでだった。

とりあえず体を起こす。

「ん?こんな物身につけてたかしら?」

見慣れぬコート、マフラー、手袋・・・やはり思い出せない。

「誰かが寝ている間に・・・?」

自分で身につけた記憶がないので、そうとしか考えられない。

彼女は辺りの散策を始める。

数時間歩き回ったがどこも見覚えのない場所だった。「どうやら・・・ここは幻想郷じゃないみたいね」

考えていた一番最悪な事。「どうしましょう・・・」

辺りが少し明るくなってきた。

太陽の光に弱い彼女は、日の当たらない場所へと移動する。

しばらくしたら助けが来ることを信じつつ、彼女は再び眠りにつく。


「やっと休みだぁ・・・」

学生だった時代がつい最近のように思える。

1年前ぐらいまで学生だったのになぁ・・・。

あぁ、学生だった日々が懐かしい。

そんな事を思いながら、時刻は昨日と同じ22時になっていた。

俺はいつものように帰宅しようと帰り道を1人歩く。

「そういえばあの子・・・どうなっただろう?」

あの子こ事を考えると気になってきたので、少し戻り昨日の公園へと向かう。

「流石に今日は居ないみたいだな」

昨日のベンチを確認し、帰ろうとした時。

「・・・誰?」

と、声が聞こえた。

「え?」

まさかと思いながら振り向くと、昨日の少女の姿があった・・・遊具の中に。

「えっと・・・こ、こんばんは?」

「えぇ、こんばんは。で、早速だけど聞きたい事があるの・・・答えてくれないかしら?」

「ちょうどいい、俺も聞き事がある。でも、先に俺が答えるよ」

「いいわ。まず、ここはどこ?」

少女の質問に一瞬言葉を失う。

ど、どこって何だ?え?公園?違う、そんな事を聞いてるんじゃないだろう。

「え・・・に、日本だけど?」

と、反射的に誰でも分っているような答えを返してしまう。

しかし、そんな俺のアバウトな回答に「やっぱりそうか・・・」と呟く彼女。

やっぱり?と聞こうとしたが、俺より先に彼女がもう一度言葉を発する。

「二つ目、これは貴方の物?」

そう言いながら俺が昨日置いていったコートを見せる。

「あぁ、昨日もここを通ってね。起こしても起きないからコートだけでもと・・・迷惑だったかな?」

「そう・・・迷惑ではなかったわ。温かかったし」

「それは何よりだ」

「三つ目、どうして?」

「え?」

「どうして私にコートを?」

彼女の質問に対して俺は一瞬、理解できなかった。

「寝ているとはいえ、見ず知らずの相手になぜ?」

あぁ、そういう事か。

「女の子が寒そうにしてたから着せた・・・ってのは理由にならないか?」

「私なら絶対しないわ」

「そうかな?実際にそういう場面に会ったら同じ事すると思うけどな」

そう言い返す、すると。

「・・・ふふ、面白い人間ね」

少し微笑みながら彼女が言う。

その笑顔は凄く可愛らしかった。

「じゃあ、今度は俺から質問、いいかな?」

「何かしら?」

「君はどうしてこんな所で寝ていたんだ?」

最初から気になっていた質問をする。

普通だったらこんなに寒いのに寝ているなんてのはありえない。

「分からないわ。自分の部屋で寝ていたはずなのだけれど、起きたらこんな所に居たわ」

なるほど・・・分からん。

つまり、迷子・・・なのかな?

迷子なら放っていく訳にもいかない。

交番にでも行くか。

そう思った時。

「とりあえず、寒いわ。貴方の家まで行きましょう?」

「っえ?」

「いいでしょう?」

ど、どうする?

一人暮らしの男の家にこんな可愛い子を連れて行くのか?

いや、何かしようと思っている訳ではないのだが・・・むむむ。

でも、確かにこのまま放置も良くない。

とりあえず今晩は泊めてあげるか。

「わかった。でも最後にもう一つ聞きたい事がある」

「?」

「名前を教えてくれないか?」

俺の質問に彼女はキョトンした後、クスクスと笑いながら「レミリア、レミリア・スカーレットよ」

そう答えてくれた。

これが俺と、レミリアの出会いだった。

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