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第24話 Unlimited Knife Phenomenon

第24話 Unlimited Knife Phenomenon



 突然現れた無数のナイフが超高速度で時雨を襲う。


 それは特殊()能力(キル)『Unlimited Knife Phenomenon』の発動によるものだった。



 特殊()能力(キル)『Unlimited Knife Phenomenon』:術者が操作する無限の数のナイフが、超高速度でターゲットへ襲いかかる。ターゲットはこれを(かわ)すことができない。




「キヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」


 時雨の悲鳴がイリュージョン・アーツ魔法学園のエントランスへ響きわたる。



 その瞬間、エリチはサファイヤの指輪により2mの大盾を顕現し、その大盾に気(KI)を集中させることで大盾を強化し、時雨に覆い被さる。無限のナイフがエリチと大盾に襲いかかる。



コトン、コトン、コトン、コトン、コトン、コトン、コトン、コトン、コトン




 エリチを襲った沢山のナイフが、そんなカワイイ音を立てながら、床に転がる。



 エントランスにいる皆は、呆気あっけにとられる。


 蔵人は床から1本ナイフを手に取りながら言う。

「なんだ。プラスチックじゃないか」



 エリチは立ち上がり、時雨も自分自身も全く無傷なのを確認して、茫然ぼうぜんとする。




「ガハハハハハハハハハハハ」

 豪快な笑い声がする。

 その声の主はサンダース大佐。元グリーン・ベレーの伝説の英雄。前回の《HYPER CUBE》世界大会アフリカ予選をソロで勝ち抜き、たった1人でアフリカ代表として世界大会へ出場したまごうことなき手練てだれ。



「ロシア陸軍出身って話が聞こえてな。第3次世界大戦のときは、奴らにお世話になったからな。その名称を聞いただけで、ついグリーン・ベレーの血が騒いでな。サファイヤの指輪でナイフを具現化させたんだが、材質指定はプラスチックにしておいた。安全への万全の配慮からな。完全なイタズラだ。ジョークだ。他意はない。

 これからイリュージョン・アーツ魔法学園での教官をするサンダース大佐だ。二神雫閣下の守護者(ガーディアン)でもある」

 空気を読まず、サンダース大佐はそんな自己紹介をする。




 血相を変えて飛び出したのは時雨の姉、二神雫だった。

「サンダースさん、それはジョークとして性質(たち)が悪すぎますっ!」

 雫は叫ぶ。



「すみません、マスター」

 サンダース大佐は申し訳なさそうに頭を下げる。



「いいえダメです。

 二神財閥の総帥継承権第1位保持者である二神雫の名において命じます。サンダース大佐、あなたは今後、時雨ちゃんやエリチさんに今回のような悪ふざけをすることは一切なりません」

 雫は厳しい口調で命じる。



「Yes , My Lord.」

 サンダース大佐は敬礼しながら返答する。



「ちょっと待て。雫」

 時雨が驚きながら雫に近づく。



「そんな小汚いオッサンが、お前の守護者(ガーディアン)なのか?」

 と時雨。



「それが何か?」

 雫は一転して冷たく言い放つ。

 サンダース大佐は苦笑する。




「だって、あのオッサンはこの前の《HYPER CUBE》世界大会でも、お前や私に平気で沢山のナイフを食らわせまくった(むご)い奴じゃないかっ!なんでそんな奴がお前の守護者(ガーディアン)なんだっ!お前、そんなオッサン嫌じゃないのか」

 時雨は叫ぶ。



「時雨ちゃん、これは二神家の決定。家の決定なの。それを覆すことを私たちはできない。あなたもよく知ってることでしょ」

 雫は時雨を(とが)める。



「そりゃそうだが、しかし……」


「私は二神の長女です。子どもの頃から、あなたがゲームばかりしてる間に、私は財界や社交界のパーティーに出て愛想笑いをしたり、つまらない習い事ばかりさせられてたのを、あなたが1番知ってるでしょ。家が私にだけ厳しいのは今に始まったことじゃないでしょ」



「そうだが……」

 時雨はそれでも納得したくなさそうに下を向く。



「エリチさんみたいなキレイな方に、レディーの嗜みを学ばせようというのが、きっとお父様たちの考えなんでしょ。我が儘でオテンバなあなたも、ちゃんと勉強しなさいな」




「なにをっ!真面目でお利口さんだけの雫なんか、その無骨で小汚いオッサンがお似合いだっ!」

時雨は負けじと雫に言い返す。



「「フン」」

 お互いにそう言って鼻を鳴らす。




 重くなった雰囲気を、水鏡恭一郎が話題を変えて和らげようとする。

「みんな元気があっていいね~。

 これでギルド『最前線』の9人のうちの7人が集まったね。

 セレーゾ神父はバチカンでの大規模なミサがあって教皇を護衛する執務で忙しいらしいんだ。プレトくんもエディンバラ大学での論文作成で忙しいんだって。シュレーディンガーの猫についての反論だっけかな。 でも、2人とも遅れてだけど、来るって言ってくれたよ。やっと9人が揃うんだね」



 そして水鏡は快心の笑顔で言った。




「ようこそ、イリュージョン・アーツ魔法学園へ!!」





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