表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/124

第17話 Vivid Edged Blackのサーヴァント・シェーシャ VS 隻眼の使徒・人色蔵人(中編)

第17話 Vivid Edged Blackのサーヴァント・シェーシャ VS 隻眼の使徒・人色蔵人(中編)


 重力異常:この特殊()能力(キル)が発動された場合、発動者と同じバトルフィールドに立つ全プレイヤーは2ターンにわたり、平常の70倍ほどの重力の付加を受けることで完全に移動の自由を奪われる。もっとも、発動者のみはその自由を奪われない。



「重力異常は初めてか?私をイジメるから、こういう目に遭うんだ。重力異常もDTなんだな。隻眼のDTくん」

 そう言って嘲りながら、シェーシャは、その人差し指を再度30cmほどの鋭利で大きい鉤爪へと変形させる。



 と同時に、シェーシャは跳躍し蔵人の真正面へ降り立つ。


 蔵人は動けない。



 シェーシャの鉤爪が、蔵人の心臓を貫いた。



 ように見えた。

 だが。



 蔵人は再び一瞬で数メートル後方へと移動し、黙って佇む。



「私が貫いたと思ったのは、またもや貴様の残像だっただと……き、貴様……なぜ動けた?70倍の重力の付加はあらゆる移動の自由を奪う、ゆえに瞬間(テレ)移動(ポート)など不可能……もしかして……貴様、スキルキャンセラーか!」

 絶対に成功するはずの攻撃が功を奏さず、シェーシャは激しく動揺しながら蔵人に詰問する。




「ご名答だ。銀の十字架(クロス)が刺繍されたこの漆黒の眼帯。この眼帯の横のボタンを押すと、《HYPER CUBE》サーバーに情報送信されて、その時に俺に発動されている一切の特殊能力スキルがキャンセルされることになる。



 Dr.Iが一晩でやってくれたんだ。



 そして、70倍程度の重力の付加ならば、俺は難なくこのボタンを押すことができた。なぜなら、俺はお前が重力異常を発動する前から、右手で左目を覆い、この眼帯に手をかけていた。つまり、お前が出す最後の切り札への準備をしていたんだからな」

 蔵人は冷静に言う。




 シェーシャは、蔵人が右手で左目を覆いながらシェーシャを挑発し続けていたのを思い出す。

「お、お前……あの時から……そこまで計算して行動していたというのか……さすが隻眼の使徒だ……」

 シェーシャは言葉をしぼり出す。




「もっと前だ。新巌流島に上陸した直後、『くっ……こんな時に……目が……そうか、ビグースとの戦いを前に、ビグースによって奪われし我が左目が……我が古傷が疼くのか……ビグースの血を欲して。なるほど』と言いながら片膝をついて苦痛から右手で左目を押さえていたこと自体が完全な演技シュミレーションだ」

 蔵人はそう言い放ち、さらに追い打ちをかけるようにサーモバリッック手榴弾をシェーシャへと投げる。




ゴゴゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ



 激しい轟音(ごうおん)とともに明るい閃光が広がる。

 サーモバッリク手榴弾が爆発した瞬間だった。

 猛烈な爆風がシェーシャを襲う。




 明るい閃光が収束した後、そこに立つのは、2mの大盾を持ち、うすら笑いを浮かべる全く無傷(・・)のシェーシャ。


「私はVivid Edged Black様の第1のサーヴァントにして、Vivid Edged Black様のメイン盾と言ったはずだ。そんな手榴弾ごときでビクともせんわ。しかし、最近の高校生は手榴弾まで持っているのか。坊や、楽天のネット通販で買ったのか?」

 シェーシャは苦笑する。



「たしかに楽天こそ世界で最大級の象牙市場だと2010年代から世界中から批判され続けているが、やつらは未だにその姿勢を変えていないな。だが、さすがにやつらも日本国内では手榴弾までは売ってないよ。俺がバイトしてるファーストフード店の新しい店長は、元グリーンベレーでね。頼んだら、すぐに用意してくれたよ。代金はバイト代から引いとくって言われたけどな」

 そのセリフの後半を口にするとき、蔵人は少し残念そうだった。



「そうか。確かサンダース大佐だったな、新しい店長というのは。Pure Sublimity Whiteのサーヴァントだった男だな。

 せっかくバイト代から自腹をきってまで仕掛けた攻撃を(かわ)されて、どんな気分だ?」

 シェーシャはサディスティックな笑みを浮かべる。



「これで死ね。隻眼の使徒っ!」

 そう叫びながら、シェーシャは爪を蔵人へ向ける。

 その爪から出た炎の塊りが超高速度で蔵人を襲う。


 蔵人は持ち前の反射神経により、なんとかギリギリで躱す。

 炎の塊りは、船着き場の蔵人の乗ってきたクルーザーに命中し、クルーザーは一瞬で大破する。



「ちっ、はずしたか」

 シェーシャは舌打ちする。


「これが私の本当の切り札、ファイアピラーだ。

 人間なら1撃で命を失う。お前は、この島から逃げる手段を失った。しかも、お前は今、辛うじてギリギリで私のファイアピラーを躱せたにすぎない。この逃げ場のない小さな孤島で、いつまでも躱し続けれるはずがない。ゆえに、お前がファイアピラーの餌食となるのは時間の問題だな。チェックメイトだ、隻眼の使徒っ!」



 シェーシャは再度、ファイアピラーを発動すべく爪を構える。




 だが、蔵人は全く動かない。




「どうした、隻眼の使徒、諦めたか?お前はこれで敗北だ。これから《HYPER CUBE》世界に君臨せし絶対的序列第1位は我がマスターVivid Edged Black様となるっ!」

 シェーシャが叫ぶ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ