第15話 Vivid Edged Blackのサーヴァント・シェーシャ
第15話 Vivid Edged Blackのサーヴァント・シェーシャ
新巌流島。
この島は20※※年の東海大地震によって誘発された富士山大噴火に連動して起きた海底噴火により静岡県沖に現れた。無人島となっているこの島は、その形と大きさが剣豪・宮本武蔵と佐々木小次郎の決戦の舞台となった巌流島に酷似していることから、いつからか「新巌流島」と言われるようになった。
蔵人はクルーザーより決戦の地、新巌流島へと降り立つ。
新巌流島の中央で、中世の魔女のような紫黒のローブを頭からガッポリと全身に纏った者が、岩の上に鎮座しているのを確認する。
蔵人は、ゆっくりと紫黒のローブを纏った者へ向かって歩み始める。
だが。
「くっ……こんな時に……目が……」
かすかな月明かりを浴びながら、蔵人は片膝をついて苦痛に左目を押さえる。
「そうか、ビグースとの戦いを前に、ビグースによって奪われし我が左目が……我が古傷が疼くのか……ビグースの血を欲して。なるほど」
蔵人は月を見上げながら、一人納得しつぶやく。
気を取り直した蔵人は続ける。
「ビグースDarker Than Crimson Redにより我が左目を奪われたのも、こんな薄い月明かりの夜だった、こんな夜こそ俺とビグースの決戦に相応しい」
そして蔵人は、再びゆっくりと紫黒のローブを纏った者へと近づく。
互いの距離が数メートルとなった時、先に口を開いたのは、紫黒のローブを纏った者だった。
「遅い。私を待たせるな。宮本武蔵気どりか?」
甲高い若い女性の声。だが、その口調は不機嫌で投げやり気味。
「待たせた?俺はお前と約束をしていない。こういう場合の待つとは、互いに定刻に会うことの約束をしたことを前提に、その約束をした一方が定刻から遅れた場合に、約束をした他方が遅れた者が来るとの約束が履行されることを望みながら、一方の到着までの時を過ごす行為と捉えるのが自然。だが、俺とお前とは互いに定刻に会うことを約束をしたとの前提自体が存在していない。だから、お前の行為は、待つに当たらない。ゆえに、お前の待たせるなとの俺への非難は明らかな誤りだ。日本語は苦手か?」
蔵人は、いつもの冷静な口調。
「へ理屈はいい。あれだけ挑発したんだから、陸軍のレンジャー部隊や、空軍の第1空挺団あたりの精鋭部隊相手に暴れられると期待してたんだが、中高生くらいの青臭そうなガキが1人来ただけだから拍子抜けしただけだ。私をガッカリさせるなってことだ」
紫黒のローブを纏った者は、岩の上に座ったまま挑発するような口調で、吐き捨てるように話す。
「ガッカリしたのは俺も同じだ。時代遅れの中世の魔女みたいなベタなカッコの女がいて俺も拍子抜けしたよ。お互い様だ。だから気にするな」
蔵人も挑発に挑発で返す。
「このローブを中世の魔女に見せるという演出機能にしか捉えられない視野の狭いタイプか、お前は?全身を纏ってるんだから、容貌を隠すという機能もあると考えられないのか?」
そう言いながら、紫黒のローブをゆっくりと脱ぎ捨てる。
そこにいたのはロシア系の白人の美女。年齢は16才の蔵人より2つくらい上。碧い瞳。細い眉。金髪の長髪をポニーテールにして、白いシュシュで束ねる。その容貌はμ'sの絢瀬絵里と瓜二つ。身長は170cmほどで細身の完璧なモデル体型。そんな女が岩の上に座ったまま、極端に短い黒いスカートで、右脚を上へ交差させて組んで座っていることから、その白くて長い脚が一際強調される。そして、その美女は右脚を上にして組んでいた脚を、左脚を上へと組み替える。極端に短いミニスカートからの白くて長い脚がさらに露わになる。常にクールな蔵人ではあるが、思春期の健康な男子でもあることから、思わず意識して白い脚から目を逸らせる。
「まず、お前は、私がエリチに似てると思った。次に、お前は私のパンツが見えそうと思った。間違いないな?」
金髪の美女は、冷静な口調で蔵人に問う。
「き、貴様、俺の心が読めるのか。心理掌握の特殊能力保持者か。Pure Sublimity Whiteの様に……」
内心を読まれたという思いから、蔵人の声色に緊張が増す。
「アハハハハハハ」
金髪の美女は、可笑しそうに笑う。
「何が可笑しいっ!」
蔵人は真剣な口調で詰問する。
「これは心理掌握なんかじゃない。簡単な心理トリックだ」
金髪の美女は笑いながら告げる。
「心理……トリック?……」
「ああ。私も双子の妹も、小さい頃からμ'sの絢瀬絵里にソックリと沢山の人に言われ続けてきた。私たちがロシアの孤児院にいた頃、そこの院長は私の妹のマナサーをエリーチカって改名させたくらいにな。5才の頃、私だけが西側の里親に引き取られたんだけどな。
つまり、私がエリチに似ていると思ったという感情は、私を見た100人が100人そう思うってこと。お前だけじゃない」
「……」
蔵人は黙って聞き入る。
「そして、私はミニスカートの脚を、あえて組み替えて自分の脚を強調させた。これだけ短いミニスカートを履いてるんだから、お前みたいな思春期の男のガキが100人いたら100人とも、パンツ見えそうと思うだろうよ。これも、お前だけじゃない。
つまり、これは私が心理トリックで、お前の心を推測しただけ。それなのに、お前は私が心理掌握を使えると誤解した。
すなわち、今、心理戦では私が完全に優位に立ったってことだ」
「ぐぬぬ……」
蔵人は劣勢に立ったことを自覚する。
「私の名はシェーシャ。Vivid Edged Black様の第1のサーヴァントにして、Vivid Edged Black様のメイン盾だ」
金髪の美女シェーシャは、そう言いながら、極端に短い黒いスカートで岩の上に座ったまま、左脚を上へ交差させて組んでいた脚を、また右脚を上へと組み替える。その白くて長い右脚が一際強調される。シェーシャは、極端に短いミニスカートから伸びる露わになった右脚に履いていた黒いハイソックスを脱ぐ。そして、上目づかいで頬を染めながら、その右脚を蔵人の前へ突き出す。
「よく新巌流島が分かったわな。これは、ご褒美だ。お前は、この私の右脚で自分が思うような好きなプレイをしてもらえる。私にどんなプレイをして欲しい。なんでもいいんだぞ。ご褒美に、どんなエッチなことして欲しいか、正直にお姉さんに言ってごらん」
シェーシャは優しく蔵人に微笑みながら、その人差し指を蔵人の太ももに置き、ゆっくりと上へと這わせていく。




