プロローグ
プロローグ
人色蔵人・二神時雨ペアが第4回《HYPER CUBE》世界大会で優勝を決めたのと全くの同時刻。
インド洋上空9000m地点には、正体不明の異形が出現ていた。
異形の周りは結界に覆われ、ゆえに外部よりその容貌を仔細に見ることは不可。その全長は3m、漆黒の大翼を羽ばたかせていることのみが辛うじて分かる。すなわち、その異形とは明らかなる人外。
異形は叫ぶ。
「我が名はVividEdgedBlack。新たにこの地球を統べる者」
そして、その異形は大剣を天に掲げ、14階梯よりなる禁術の詠唱を始める。
「万物の起源それは闇
万物の終点それもまた闇
すなわち闇とは創造と終焉
闇こそが全てを与えし創造主
しかし闇こそが全てを破壊せし暗闇の竜
それが二律背反なるも両立せし厳酷なるこの世の真実
全ては闇とともに流れ、人なる者がそれに抗うことは絶対不可
ノアの方舟すらも最期は闇へと呑まれ一片の瓦礫すら残さぬだろう
嗚呼、非情なる世の理よ
だがその非情をも我は余興として甘受せん
ゆえに我が身は暗闇の竜となりて現世より冥府を経て、極楽浄土をも焼き尽くさん
黄昏より昏き我が闇は紅蓮の炎をも包摂し尽くさん
黄昏より昏き我が闇はいかなる光明をも喰らい尽くさん
人なる者よ さあ嘆け 嘆け 嘆け 嘆け 嘆け」
詠唱を終えた異形は絶叫する
「食らえ、黄昏より昏き闇」
その瞬間、インド洋沿岸は大きな光に包まれた。
その光が収束した後、アメリカ合衆国海軍第7艦隊の停泊していた軍港は周辺都市ごと消滅していた。
異形はつぶやく。
「さあ、人間界での俺を見つけてみろ、隻眼の使徒。どうした?分からないのか?俺が誰かを。俺を見つけてみろ、隻眼の使徒・人色蔵人。俺はここにいる」




