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ヒゲの正体!

-Chinatown Warehouse-


ヒゲの男の部下の案内でやって来たのはチャイナタウン。

この前ボッサンとユオが爆破したと言っても過言ではないヘロインの精製工場。そこから500mも離れていない場所にある倉庫。

工場で精製されたヘロインはこの倉庫に保管されて、ここから全国に出荷されているらしい。

部下の話だと、ヒゲの男は今日出荷されるヘロインのチェックで、ここにいるはずだと言う。


ヒゲの男の部下をトランクに押し込んで、霜月は手錠でハンドルに縛り付け、ボッサンとユオとカオルは倉庫に向かった。

倉庫の裏に来てみたが、中に入れそうな所はなかった。


「おっかしいな~。いつもなら裏の窓が開いてて、そこから倉庫の中に入れるんだけどな~。ね、毬鈴さん」


誰かに話し掛けているボッサンを見て首を傾げるカオル。


「そうそう、いつもなら僕がボッサンを肩車して、高い所の窓から中に入るんだよね~。ね、毬鈴さん」


ニヤニヤしながら何かを期待しているボッサンとユオを見てカオルは言った。


「2人とも誰に話し掛けてるの?誰?毬鈴さんって?」


ボッサンは言った。


「あれ?知らないの~?この物語を書いている作者だよ!

その毬鈴さんに、『開いている窓があった』って書いて貰えれば、そこから倉庫の中に入れる訳よ」


カオルは腕を組んで冷ややかな目でボッサンとユオを見て言った。


「じゃあ何?この状況を?まりりんだかくりりんだか知らないけど、作者に何とかして貰おうって訳?

ばっかじゃないの!そんなね、誰かに何とかしてもらおうなんて甘いわよ!」


「あ!今、『まりりんだかくりりんだか』って馬鹿にしましたよ、毬鈴さん!やっちゃってくださいよ!」


「やっちゃえやっちゃえ~」


ボッサンとユオは2人揃ってゲンコツを振り上げて言った。


「え?何をやっちゃうって言うの?」


カオルは意味が分からなかった。


毬鈴:『ど~も、この小説を書いている毬鈴です。

カオルさんの言う通り、誰かに何とかしてもらおうと思ってちゃダメですね。

未来への道は自分で切り開いていかないと!

でも…… 面白いのでやっちゃいますか!』


カオルのブラウスの胸元から小さな虫が飛び込んだ。


「え?ちょっと!何か入った!やだやだ!アハハハ!くすぐったい~イヒヒヒ!

ちょっと!ホホホホ!何で虫が~ハハハハ!

やっちゃえって~ヘヘヘヘ!こういう事?ホ~ホホホホ!」


カオルは身をよじらせながら大笑いをしてジャケットを脱ぎ捨て、ブラウスも脱いでそのブラウスをパタパタと叩いた。


「もういない?付いてない?どっか行った?」


カオルは自分の体を見回して虫がいなくなった事を確認すると、上半身下着姿の自分に気が付いて、持っているブラウスで慌てて隠した!


「キャッ!ちょっと何見てんのよ!エッチ!」


「自分で脱いどいて何言ってんの?」


カオルはブラウスを着ながら横目でボッサンを見て言った。


「毬鈴さんてスケベなのね!あなたと同じで!」


ボッサンはあきれ顔で壁の窓に手を着くと、スルスルっと窓が開いた。


「あれ?鍵開いてんじゃん!よし、ここから入るぞ!」


これだけ大騒ぎして敵に気付かれないのはどうかと思うが、まぁそれはそれとして…

ボッサンはホヘトに連絡して応援を要請した。

そしてボッサンとユオとカオルは窓から倉庫に侵入した。


倉庫の中はトラックが1台中央に止まっていて、その周りに人影が動いていた。

ボッサン、ユオ、カオルは物陰に隠れて様子を伺った。

その人影は全部で3人。

AK47を肩から下げた男が1人、出口のシャッターの所でタバコを吸っている。

段ボール箱をトラックに積み込んでいるのが2人。あの段ボール箱の中身はヘロインに違いない。

もう1人トラックから降りて来た。ヒゲの男だ!全部で4人!

トラックに段ボール箱を積み終われば、シャッターを開けてトラックは出発してしまうだろう。

物陰から様子を伺うボッサンにユオは聞いた。


「どうすんの?ホヘトさんたち来るの待ってたらトラック行っちゃうよ」


ボッサンはホルスターからガバメントを抜いた。


「俺らで何とかするしかないな!」


話をしている2人の横で天井を見上げていたカオルが、ジャケットを脱ぎながら言った。


「私がシャッターの所にいる男を片付けるわ。段ボール箱を運んでいる男とヒゲの男からは、死角になっているから気付かれないはずよ!」


「簡単に言ってくれるぜ。じゃあどうやってあそこまで行くんだ?」


ボッサンの問いかけに、カオルは上を指差して言った。


「天井の鉄骨を伝って行けば楽勝よ!」


ユオは天井を見上げながら聞いた。


「え~、ほんとに大丈夫なの?」


「大丈夫!こう見えても木登りは得意なんだから!

シャッターの所にいる男を片付ければ挟み撃ちに出来るわ!」


そう言うとカオルは壁の鉄骨を器用に登り始めた。


「おい!ちょっと!…まったく!」


ボッサンの心配をよそに、敵に見つかる事なく、あっという間に天井の鉄骨までたどり着いたカオル。

ユオが呟いた。


「困るんだよね、あんまり活躍されちゃうと。僕の出番がなくなっちゃう」


カオルは鉄骨の上に登ると、ゆっくりと反対側へ渡っていった。

壁にたどり着くと、今度は横に移動して、シャッターの所にいる男の真上に来た。

カオルはゆっくりと鉄骨を降りていった。男は背中を向けていて気付いていない。


積み荷のチェックをしているヒゲの男の携帯電話が鳴った!

携帯電話に出るヒゲの男。


「俺だ。…… なに!…わかった!」


ヒゲの男は携帯電話を切ると、背中に差していたベレッタを抜いて叫んだ!


「  !刑警 入着  中!(おい!倉庫の中に刑事が入り込んでるぞ!)」


段ボール箱を積んでいた2人は、積むのを止めて拳銃を抜いて辺りを見渡し始めた!


物陰から様子を伺っていたボッサンとユオは慌てて隠れた!


「何だ?バレたのか?なぜだ?」


ヒゲの男が叫んだ時、カオルは男の後ろに音もなく飛び降りたところだった!

男はヒゲの男の声に振り返り、カオルと目が合った!


「在 里!(ここにいるぞ!)」


男は叫びながら肩に掛けているAK47を構えようとした!カオルはしゃがんだまま男の足をはらった!

足をすくわれた男は倒れ、起き上がろうとする男のアゴをカオルは思いっきり蹴り上げた!

男は吹っ飛んで倒れ、気絶した!AK47を拾って走るカオル!

ヒゲの男たちがカオルを見つけて撃ってきた!

間一髪物陰に転がり込んだカオルは、AK47で反撃する!

トラックの陰に隠れているヒゲの男とその部下は、カオルに気を取られてボッサンとユオには全く気付いていなかった!


「ユオ、行くぞ!」


ボッサンの掛け声と共に2人は飛び出した!

ボッサンは叫んだ!


「おい!こっちにもいるぜ!」


振り向いた部下2人にボッサンとユオは銃弾を浴びせ、あっという間に倒した!

もちろん急所は外してある。

残るはヒゲの男ただ1人!

ヒゲの男は部下がやられて観念したのか、銃を置いて両手を上げた。

ボッサンとユオは、銃口をヒゲの男に向けながら近づいた。

カオルもAK47を構えてヒゲの男に近づいた。

ボッサンはヒゲの男に言った。


「とうとう捕まえたぞ、ヒゲ!もう逃げられんぞ!」


ボッサン、ユオ、カオルに囲まれてヒゲの男はうつ向いていた。

ボッサンは微笑みを浮かべながら言った。


「しかしお前の正体を知って驚いたよ。まさか俺らの仲間の中に潜り込んでいたとはな」


ボッサンの言葉に隣のユオが言った。


「ん?どう言う事?」


ボッサンは真っ直ぐ前を見ながら言葉を続けた。


「このヒゲの男はな、2つの顔を持っているんだ。1つは香港マフィア『舎丹鬼』のボス。

そしてもう1つは、仲間のフリをして俺らのまわりで様子を伺っていた人物」


ユオはボッサンに聞いた。


「それって… 誰?」


ボッサンはヒゲの男に向かって言った。


「よくも今まで騙してくれたな!ヒゲのおっさんよ!」


ヒゲの男は両手を上げたまま言った。


「何の事だ?言ってる意味がよく分かんねぇんだけど」


ボッサンは声を張り上げて言った!


「とぼけるんじゃねぇよ!じゃあ言ってやるよ!


お前の正体は…!!」












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