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第六話

 「あのさ、どうやって動いてるの?」


 するとギギッと作者の後付け感たっぷりな音をたてて、字幕が流れて来る。


 「半分ホバー、後は…ローリングです。


 床を磨くクリーナーで歩行していると思ってもらえれば…」


 そして、こっちだってわかった事がある。一応、コイツも敬語を使う。


 「ああ、固い固い、私に敬語は良いよ」


 「は、はあ、そうですか…」


 いや、わからん、わからん。


 あのヘルメット、赤くなった。


 読売Gから広島Cとなったギギに、サチ姉は興味深いらしい。


 「そういえば、私の自己紹介まだだったね。


 アタシ、田中 サチ。


 サトルとさ、幼馴染なんだ」


 よろしくと手を伸ばすとギギは握手する手段に触手を使うのは良くないと思ったのか、身体(でいいのか?)を傾けておじきをしていた。


 この田中 サチ。


 先ほど言ったとおり、隣に住む一つ年上の幼馴染である。


 この通り、明るい性格で周囲にも人気の高いが…。


 何かしら自分が何かを始めたら、ちょっかいを出してくる。


 「いや~、意外と器用だね~」


 サチ姉は、その様子に感心していたが、やはり興味があるのだろう。


 ギギをまじまじと見て、こっちを手招きしていた。


 お題は何となく想像できる。


 「あのさ、中に人がいるんだよね?


 男なの女なの?」


 この一週間、自分は何度も質問されているのだから…。


 遠目にギギを眺め、ため息をついて、こういう感じで答えようとした。


 この前、ギギの中身は性別がわかってない事を話しただろう。


 それには理由があることも。


 単純に言えば、間違いを起こさない事が大きな理由であるのだが、このようにサチ姉は答えた。


 「でも、そんなのさ。関係ないじゃん」


 「文化レベルを調べるのが前提だから、そこが問題らしいんだ。


 男性でもなく女性でもない中間的な視点は、文化の査定において大事な要点らしくてさ。


 だから性別は秘密らしいんだよ。


 それに、強引でも事故でも中身を見たことがバレたら…」


 「バレたら?」


 「地底のルールに乗っ取って、結婚させられるんだ…」


 「何、その展開っ!?」 


 サチ姉は笑おうとした。


 しかし、ここに笑わない主人公がいるのだ。


 「『地底のルールに乗っ取って』って言っただろ?」


 この呟きは…。


 「地底ってさ、同姓婚が出来るらしいんだ…」


 彼女の笑顔を奪う。


 「つまり、それって…」


 「男同士でも結婚出来るって言う事だよ」


 ヘルメットは『キラン』と輝きをみせて家の奥に引っ込んで行った。


 一瞬、危険な香りがしたが、サチ姉はどこに行ったのかなと、自分ん家の中を覗きこんだ。


 ジャー。


 自分はこの音に、思わず目を細めてしまう。


 恐らくサチ姉も、同じ顔をしている事だろう。


 「おかげで、この音がする度に家族間がギクシャクするんだよ」


 ギギは用を足しに行っただけだった。


 『だから、どうした?』と思うだろう。


 冗談じゃない、性別が解らないと言うのは家族間でも触れないようにしている話題なのだ。


 その神経を逆撫でする様に、この音がすると思い出す…。


 『ネコ型ロボットと同居していいのは小学生までなのよ』


 ちなみにコレは付き合っていた彼女に、言われた別れの台詞だが良く言ったものだ。


 ああ、心が痛い。


 「ま、まあ、いいんじゃないの?」


 しかし、切り替えが早いのかサチ姉は、帰ってきたギギに『乗っかれるの?』と無理やり乗ろうとしていた。


 その時、インターホンが鳴った事に気付いてなかった。


 「おや、客人がいたのですね…」


 それは一国家の大統領、ナバトを無視をする事件だったりしていた。


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