【第八探検話】四方八方深山幽谷
第七探検話(第七話のこと)の続きです。
〈後書きに造語の解説が記載されています〉
「なんだ!?」
近くの木々の裏の芝から足音が聞こえた。
「あっバレちゃった?」
突然芝の中からネウラが顔を出した。
「生きてたのか!」
「うん。なんか近くでレーズっぽい声が聴こえるなーって思って、近づいたらやっぱレーズだった。そういえば擬態の森の出口を見つけたよ。」
「おっ!本当か!」
「確か擬態の森の先は地異大平原だったっけ?」
「えぇと、正確には地異大高原だね。渓谷と浮島が沢山あるらしい。早く行きたいなぁ…」
「なんだよそれ面白そうだな!」
ネウラはレーズの隣にいるサイマを見て
「あれ?誰?」
と問いをかけた。
「あぁ申し遅れた。自分の名前はサイマと言います。何卒宜しく…」
「うん宜しく」
ネウラは軽々受け入れた。その後ネウラから色々話を聴き、早速その地異大高原へと向かった。
だがしかし、迷子になってしまった。そこには見慣れた擬態の木とめちゃくちゃ深い谷が沢山あった。
「おいこれぁ迷子になったんじゃねーのか?」
「いや!そんなことないよ」
なんの証拠もないネウラの言葉に絶望したサイマは膝から崩れ落ちた。
「おい、大丈夫だよサイマ。絶対出れるから!諦めるな」
「いやでも…」
突然ネウラがハッとしたように鞄からあるものを取り出した。
「そういえばそういえばこれ見てよ!」
そういってネウラが鞄から取り出したのは瓶に詰められたコギ変草。
「関係はない話だけど、これに擬態されたらほぼ不死身になれるんだよ!どうする?」
サイマはコギ変草を見て胃がムカムカした。
「しまっといてよ………」
そう言ってサイマは方位磁針を鞄から取り出した。
「確か擬態の森を出るには東の方に進めばいいんだよな」
「そうなのか!」
(どれもこれも全て私のおかげかなぁ)
レーズ一行はサイマの後を追った。すると目の前には!
さっきと変わらない擬態の谷があった。
レーズは呆れて自分の鞄から方位磁針を取り出した。その方位磁針を確認するとサイマは東とは真逆の西を進んでいた。
『バシッ』
レーズはサイマの頭を一発叩くとすぐに皆を連れて西へ向かった。
擬態の木が減ってきた。おそらく出口に近いのだろう。そんなことよりこの出口へ向かう途中で人間の死体を7体は見た。その死体の鞄の中に入っていた中級魔法書物やその他使えそうな物資を漁りまくった。
それだけで夜が明けてしまった。日の出とともに擬態の森を出たレーズ一行…
「うわぁ綺麗だァ…」
晴々するような日の出に空に浮かぶ小さな小島全てが美しい地帯へいざ足を踏み入れようとしていた。
ご拝読ありがとうございます。
次回は本日の14:00に投稿します。
——————造語一覧——————
地異大高原 : イミテの地名… 擬態の森の次の地帯
中級魔法書物 : 簡易魔法書物をマスターした魔術使師が愛用するメジャーな魔法書物




