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グリーン・アフターエンド  作者: 卵かけ定食
【第二章】擬態の森
7/13

【第七探検話】人探しにもご用心

第六探検話(第六話のこと)の続きです。


〈後書きに造語の解説が記載されています〉

『ドンッ』

レーズは切れて扉を思いっきし叩き閉めた。

その後ネウラを探したが、手掛かりもないため結局見つからず、日が暮れてしまった。

月が上り、辺りは闇に沈んだ。照明もなく、これ以上の探索は不可能だったため、焚き火を使って火を起こした。意外にも絡繰に電気ライターという便利な機能が備わっていた。

「ライター使えんのか!」

星空へ、細い煙の筋が立ちのぼった。

「!?何かが近づいてきます、非常用懐中電灯を灯火します。」

『カチッ』

絡繰が人を検知した。

「…………………なのか…」

微かな声が聴こえる。

「もしか……ワ…なのか?」

今度はさっきより聴こえやすい。少しずつ近づいてきている。

『ザザ……ザザ……』

音から察するに足を引きずっている…怪我をしているようだ。

「もしかしてワクなのか?」

今度は鮮明に聴こえた。そして、姿がハッキリと見えてきた。

上半身裸でボロボロの茶色い羽織ものを羽織り、ズボンには泥まみれの探検用下衣を、探検用帽に懐中電灯を括り付けたお手製のヘッドライトを身につけている。年四十代半ばほどに見える。

「ワク…じゃないのか…」

「ごめん、俺はそのワクってやつじゃあねぇんだ…」

レーズは、この男も自分と同じ目に遭っているのだと直感した。

「お前は…そのワクってのを探してるのか?もし、そうだったら俺と一緒に探そう。俺も今人探しをしてるんだ」

「本当かい?それなら喜んで!」

なんやかわやで仲良くなった。この男の名前はサイマと言うらしい。

やがて夜が明けた。

『ジリリリ』

「おはようございます!本日は2354年10月25日の月曜日、天気は曇り」

「んん…なんだ、この機械はタイマーも付いてるのか…」

サイマは絡繰に興味津々だ。

「こいつに名前はあるのか?レーズ」

「あぁ、名前か…そういや決めてなかった…うーん。じゃあクリ!クリにしよう!」

レーズは速攻で考えた名前だったが、我ながら上出来だと心の中で自画自賛をしていた。

「よし、荷造りも終えたし…早速探しに行きますか!」

「おー!」

レーズの言葉に連なるようサイマとクリは掛け声を上げた。

今日は曇りなだけあって森が薄暗い。その上湿気で地面の土がネチャネチャしている。気持ち悪い…

「んぁ!ザイマ!ザイマバイマ!」

「その声はワクか!」

歩き始めて数分…早速お目当ての人間と出会した。

「でも…なんか雰囲気が…」

「何を隠そう、お前が今カセットケースと仲を深めたところで、俺とお前ノ仲も深まるとは限らない!落ち着きを忘れず、電力不足も忘れず、そしたらきっと火災報知器が知るだろう」

意味のわからない言葉を並べるワクに戸惑いと恐怖を覚えるレーズ一行…サイマが落ち着かせるために近づくと

「そこノシーラカンスが言ってるだろう!世界地図と蛍光灯は瓜二つだ!ってそんなことくらい知っとけよ!」

サイマは突然怒鳴られたことに驚き尻餅をついた。

「お、おいどうしたんだよ…ワク…いつもと違ぇじゃないか…」

「何を言ってるだサイパ、俺は裁縫セットとも仲が良かっただろう。つまりお前は俺ノガラス瓶なんだ…だから大切にしなきゃ…それは落下中ノ白熱電球みたいに粉々に。」

とワクは涙を流しながら、訳のわからないことをぺちゃくちゃと述べた。

「俺は包装紙ノ如く木偶の坊…そんなノに群がるスズメバチはまるで探検を羽毛で丸めたようだ…」

さらに早口になった。そして突然刃物を取り出しサイマに向けた。

「拒絶ノ奥にはライト有り、籠に勝ること、即ち反する事なり。体も何も全ては壁ノ奥底へ…」

ワクが刃物を振り翳したその時…

『ドンッ』

レーズが咄嗟の判断でワクを撃ち殺した。肉片がサイマの顔に飛び散る。

「喜ばしき事…死は救済ぃ……」

最後にワクはこう言って黙り込んだ…

「こいつはコギ変草に擬態されたんだな…ほらもう腕が治り始めている。」

サイマはそれを見ると吐き気がし、ワクの肉片に吐いた。すると肉片がジューっと音を立てて溶け消えた。

『ガサガサ』

「なんだ!?」

近くの木々の裏の芝から足音が聞こえた。

第七探検話をご拝読いただきありがとうございます!

本日は4話分投稿する予定です、なので是非読んでください!


——————造語一覧——————

ワク : 人物の名前…

探検用下衣 : 探検家が挙って使うメジャーな下衣

探検用帽 : 探検家が挙って使うメジャーな帽子

クリ : 絡繰の名前…

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