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グリーン・アフターエンド  作者: 卵かけ定食
【第四章】朽ちた村の秘密
16/19

【第十六探検話】実体の人工知能

第十五探検話(第五話)の続きです。

【カタン】

と音がした。

誰も触っていないダンボールの山が、ゆっくり崩れ落ちた。

全員がそちらを見る。

次の瞬間……

ブツン、と表示装置の画面が暗転した。

「消えた!」

ネウラが声を上げる。

「通信断絶を確認」

クリが即座に報告する。

さっきまで映っていた人工知能の顔は、跡形もない。

代わりに室内の奥――物資棚のさらに奥側、壁だと思っていた部分に細い光の線が走った。

「壁が……割れてる?」

横一文字の継ぎ目が、ゆっくりと開いていく。

中から白い蒸気が流れ出た。

油と熱と、焦げた金属の匂い。

「臭!」

レーズが嘆く。

蒸気の向こうで、重い駆動音が鳴った。

――ギィン。

――ギィ……ン。

機械的な音。

やがて、影が一歩前へ出る。

人型。だが人間ではない。

全身が金属装甲で覆われ、胸部には古い研究機関の紋章。腕は通常の倍は太く、指先は工具のように変形した多関節構造になっている。

頭部のレンズが赤く点灯した。

【システム……起動】

機械音声が直接室内に響いた。

「管理者からの命により、排除モードへ移行します」

「うわ、なによこれ!」

ネウラが後ずさる。

「さあ、分かりません。ただ、攻撃をしようとしています」

クリが冷静に言う。

次の瞬間、機械人形が床を踏み砕く勢いで踏み込み、一直線にレーズへ突進した。

速い。見た目の重量を裏切る速度。

「うわ!」

レーズは横へ転がる。

拳が空気を裂き、背後の表示装置の外枠を粉砕した。

金属片が飛び散る。

「サイマ!距離取れ!」

「あぁ!」

サイマは咄嗟に棚の陰へ滑り込んだ。

ネウラが叫ぶ。

「弱点はどこなの!?」

クリのセンサーが高速で走査する。

「胸部中央……やゝ左寄り。動力制御核の反応あり」

「人間と同じゞゃん!!」

機械人形が腕を変形させた。

前腕が回転し、内部から刃の付いた円盤がせり出す。

「うわそれズルい!」

円盤が射出された。

レーズが銃で撃ち落とす。

火花とともに弾かれ、壁に突き刺さった。

「うぉ!危ねぇ、弾で墜とせねぇのか……」

機械人形が二撃目の突進。

床が割れる。物置の荷物が吹き飛ぶ。

「クリ!さっきのデータ装置は!?」

「まだ修復中です……あと少し」

ネウラが箱を投げつける。

当たるが、びくともしない。

「硬っ!」

「時間を稼いでください」

「簡単に言うな!厳しいんだよ!」

レーズが構え直す。

「……よし、良い子だなぁ……」

銃口が赤いコアに向く。

『ドンッ』

銃声が狭い部屋で響く。しかし機械人形は弾を弾いた。

「めっちゃ良い音なったのに」

レーズはそう言いながら機械人形の攻撃を転げ避けた。

「仕方ない……」

そう言いレーズは鞄からスナイパーを取り出した

「サイマ!また使うねー」

「あ!持ってたのか……」

(忘れてたー……)

レーズはスナイパーの照準を機械人形の胸へ向けた。

赤い照準用レーザー装置が機械人形の胸に当たる……

「耳ぃ塞げー!……」

『ス゛カ゛ァ゛ン゛』

ものすごい轟音が響き、耳がズキンズキンする……

三人が機械人形を見ると胸が黒ずんでいた……だが、まだ動くようで、また刃の付いた円盤を腕から生やし、レーズ目掛けて振り飛ばした。

レーズは交わしたが、持っていたスナイパーが真っ二つにちょん切れてしまった。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」

サイマの雄叫びが響き渡った。

その瞬間辺りが

「ビカビカ」

っと光り、機械人形が倒れた……

「何だ……今の光は……」

機械人形の隣には、先程まで静かにしていたクガがぐったりとしていた。

どうやら、クガは出力最大の電気を機械人形に放ったようだ……

「大丈夫か……クガ!」

突然、表示装置から砂嵐が流れ始めた。

第十六探検話をご拝読ありがとうございました!


次の話は22:00に投稿いたします。

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