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グリーン・アフターエンド  作者: 卵かけ定食
【第三章】地異大高原
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【第十一探検話】生きる渓谷

第十探検話(第十話のこと)の続きです。

レーズ達が居座っていた浮島が突然地上へ堕ちた。そして、その場に渓谷ができ、全員渓谷の底に取り残されてしまった。

「ヤベェな………どうやって上がるか…」

辺りを見渡しても一面岩の山…

岩が少し動いて見える。レーズは…

「なんか……動いてないか?」

二人に問いかけた。

「うん確かに」

二人とも、レーズと同じように岩が動いているように見えていた。

実際、この渓谷の岩は動いていた。というより、この渓谷自体が生きていて、それ故に動いていた。

岩肌がぬるりと形を変えた。

さっきまで角ばっていた突起が丸くなり、別の場所から新しい岩柱がせり出してくる。

「……今、伸びたよな」

レーズが指差した先で、壁がゆっくりと成長していた。

「動いてるんじゃない。増えてる」

サイマが手を触れると、岩は脈打つように温かい。

「これ……生き物だ」

「うお!?渓谷が!?マジか!」

ネウラが一歩下がる。

地面から細い石の根のようなものが生えて、また地中へ戻っていく。

「何なんだこれは……」

レーズがそう言いながら岩を登り始めた。

「さっさと上がって次の場所に行こう!ここは危険だ」

レーズが物凄い速度で渓谷の崖を登り始めた。だが……

「お前全然登れてないぞ」

「え?」

サイマに言われて下を見ると、数センチも登れていなかった。ていうか、段々と下へ下がっていっていた。

「てか何でこの渓谷は脈を打ったんだよ……」

「あれ…知らないの?」

サイマが得意げに語り始めた。

どうやら地異大高原にある渓谷は、全て生きてるらしく、渓谷から吹く風は、渓谷が息を思いっきり吐いてるかららしい。

「……じゃあ何でこの渓谷は息を吹かねぇんだ…?」

「そりゃあまぁ、俺らを歓迎してないんじゃないの?」

レーズは開いた口を咄嗟に塞ぎ

「歓迎されてないなら、どうすりゃ歓迎されるんだよ」

レーズが岩壁を軽く蹴った瞬間、足場がにゅるりと沈んだ。

「うわっ、気持ち悪ッ!」

「刺激に反応してるな……攻撃的な動きは逆効果っぽいな」

二人は色々と考えた。後ろからネウラが…

「生きてるんなら、電気ショックとか食らわせたら動きが鈍るんじゃないの?」

ネウラが名案を出した。

「そうか!えぇと、クガ頼めるか?」

クガは得意げに胸を張り、【ビリッ】っと電気を放った。

岩肌の一部が固まり、動かなくなる。

「よし、これで登れるぞ!」

レーズは固まった岩肌を足場に、一気に崖を駆け上がった。

後ろからサイマとネウラも続き、クガが上空を旋回する。

「急げ!また動き出すぞ!」

下を見ると、さっきまで固まっていた岩が再び脈を打ち始めていた。

「うわマジかよ!」

三人は最後の段差を飛び越え、渓谷の縁へ転がり出た。

「はぁ、はぁ……助かった……」

息を整えながら顔を上げたレーズは、目の前の光景を見て固まった。

地面は黒く結晶化し、空には逆さまに流れる雲。

遠くには、上下が反転した塔のようなものが何本も突き刺さっている。

「……なあ」

レーズがぽつりと言った。

「ここ、どこだ?」

第十一探検話をご拝読いただきありがとうございます!

明日から投稿時間を変更します。


前→後

8:00、14:00(時々)、23:00 → 1:20、8:10 or 12:05、23:00(時々)

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