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File09 篠原余白から 記事:篠原余白
本日3回更新3回目です。
おれは、これを書いている。
誰に向けてなのかは、わからない。
いや、おれという存在がいたという証を残したいのかもしれない。
篠原余白という男がいたことを。
過去に殺されたとされた篠原余白という女性。
現在、行方不明として扱われている篠原余白という女性。
そのどちらが本物なのか。
あるいは、同一人物なのか。
すべて偽物という可能性だってある。
ただ、もう断定する意味はない。
名前は記録に残る。
記録は現実を上書きする。
おれが篠原余白である限り、また同じことが起きるのかもしれない。
――視線を感じる。
振り返る前から、そこに誰もいないことを知っている。
ただ、振り返ってしまえば、すべてが終わるという予感があった。
だから、書く。
記事が更新される前に。
おれは、篠原余白という人間が存在したという証拠を残すために、書く。
もう、おれにできることはないのだから。
了
完結です。
最後まで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。
面白かった、わけわからんかったなど、一言でもいいので感想コメントを残してくださると嬉しいです。




