04 でもこういう展開は突然すぎるでしょ!! こんな展開がもし小説だったらクソすぎるでしょ!!
ええええええええええ? 前回のおさらいとか書かないとならない??
この世界で珍しい声のキャラが降臨した!(端折りすぎ)
ゲスト声優が演じるアミカ氏が、男装男声女子(?)のあたしと、会いたいらしくて、「シーシャモ」とか言うファミレスで、待ち合わせした。
そしたら、要らない男子が二人付いてきて、こいつら本当に要らんのだけど? 必要性ある?
彼らのどちらかと恋仲になるつもりなんて皆無に等しいのだけど?
アミカ氏は、口元を手で隠しながら。
「わたし、その⋯ 前々から、あなたの声やりたかったのです⋯。 あなたの声になれるよう、かっこよく演じたいですね!」
「な、どういう? えええええええええ?」
この時の叫びによって、突然あたしの声が変化した。 なにこれ? どういう仕組みよ??? どうしてそーなんのよ!!?
なんなのよこの世界は? あたしがぶっ壊そうと決意表明した以前に、とっくにこの世界って相当ぶっ壊れてんじゃん!?
いかれてんな!! このイカレポンチアニメ!!
このアミカ氏とあたしは同じ女性声優の声になったと思われるのだが、アミカ氏とは少し系統が違う。妙にハスキーかかったカンジに演じ分けられているのだが、声優サンってこんなにもすごいなと関心させられたが、よりにもよってアニメの中の世界で関心することになろうとはな!! 全ッ然ッ! 意味わからない!!
でもこういう展開は突然すぎるでしょ!! こんな展開がもし小説だったらクソすぎるでしょ!! 理解に苦しむ理屈だからだ!
「カタギリさんの声が変わった! すごく合ってる! アミカさんとお会いして良かったじゃん!」
あれからタグチくんは、あたし転生前はカタギリちゃんで、あたし転生後はカタギリさんと、律儀に区別して呼ぶようになったらしい。 ほんと主人公って物分り良いよね。 主人公補正による性格イケメンすぎて悔しいのだけど! おい見習えよ! そこの危険生物!
「ややや!! いいですねえ! いいでヤンスねー! この愛らしい声で、アッシはますますカタギリちゃんの虜でヤンスァー!!」
なんとなく誰でも想像通りザコキャラたるや所以のつまらんセリフすぎたので、あたしからは特になにも言うことも頷くこともなく、シカトして、話を続けることにしてやった。
「どうして、あたしの声を? 大人な話的に毎回出演してギャラとか大丈夫なんですか?」
「この回から、その⋯。女性キャラ全員を担当することになったので、それは大丈夫みたいですよ。今まで男みたいな声で嫌だったでしょ? わたし担当の声優があなたの男装姿を見て、監督に連絡して交渉を──」
え?
じゃあ、アミカ氏 イコール 女性声優?? どゆことーーーー?
まぁ、こんなイカレポンチ世界は、何をどう考えたって理解不能だ!! ぶっ壊れている!!
確かに、いつだっけ? 「せめて男女二人で揃えろや!!」って、あたし言っては、いたけども、こうも早く望み通りにはなるとは思わなかったけどね?
あたしは、一人の良き女性声優サンによって、救われた気がした。
「あたしぶっちゃけ。実は男の声だからって思って男装してたんだけどー。これなら女性らしい格好もしようかなと。どういう仕組みか分からないんだけどー。⋯アミカさん⋯みんなありがとう!」
「えー! もっと男装見せてもらいたいです! 眼福です! 眼福!! 是非わたしとお友達になってください! 同じ声ですから!!」
この「同じ声ですから!」ってセリフどうなのよ⋯!
わたしは、この世界にはいろいろと言うか、全てに対して思うところはあるけど、でもこういう出逢いがあって、大きな変化があるならそんなに悪くはないなと思えたのだから。
女子トークが捗ります!!
「ところで、カタギリさんって、下のお名前なんですか?」
「ハナです。 この格好でらしくないでしょう? アミカさんの苗字は?」
「いえいえ、とてもおかわいらしいお名前ですッ! わたしはウエブです。 上に音符の符って⋯」
「珍しい苗字なのですね⋯ あたしそんな苗字初めて知りましたよ⋯」
あたしたちの女子トークをこそばゆい顔して、聞き耳立ててるそこの男子たちは、やけに静かであったことは言うまでもない!
ちょっと男子ーーって、前世も今世も何度思ったことか測りし得ないが、これからもずっとそう思うのだろう。
むしろ、このアニメ監督がまず筆頭だろうがな!!!!
てか、この男どもなにし来た? もうレギュラー降りろよ! タコども!
主人公とかレギュラーとか権力振りかざして、気取るなら、なんかしゃべれや!! 役立たず!!
まあ、一人の男性監督声の男子たちのトークよりも、一人の女性声優が演じ分けられた二人の女子トークのがウケいいだろうね? だから黙ってるのか、この男ども!! 職務怠慢だし! 変態反対!!
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転生したら脚本編集作曲声優等を一人の男性監督でこなす低予算OVAのヒロインちゃんになったので、こんな世界はあたしが全部ぶっ壊します!!
────とりあえず、ここで短編完結。
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はあ⋯。貼り付けた笑顔で女子トークってちょー疲れるわああああああ!!!!
こんな世界、あたしが、ぜーーんぶ、ぶっこわーーーーーーすっ!!!
こういうカンジにオチることもなく突然の打ち切り。
みんなは、万策尽きたクソアニメなんて、観てはいけないよ?
次はあなたがここに転生する番かもよ⋯?
これでこの短編は完結しました。
また次の短編で!




