それは私では敵いません
なんか
失敗した感が
煌びやかなホールでは舞踏会が始まる前のざわめき
そんな中 婚約者にエスコートもされず友と近況などを話していると
「エミリア・ローズ居るのであろう!
お前との婚約は 今夜を持って貴様の有責で破棄だ!」
麗しい金髪碧眼 美貌の細マッチョな婚約者様が叫び出した
怒っている大声も美声で流石 この国の第二王子様である
唖然としていては行けないと王子の御前へ
王子の後ろには 隣国の美貌の淑女 麗しのパーフェクトレディと誉高い王女様が
「エミリア・ローズ公爵令嬢!
貴様は嫉妬に駆られ このパーフェクトレディと名高い
メイジーに山ほど嫌がらせをしてきたな!
メイジーの物を隠したり 捨てたり
ドレスを汚したり
そんな奴を王子妃にはできん!」
全く身に覚えもなければ 隣国の姫にどうせえって...
と思っていたら メイジー姫が王子の袖を引っ張り
扇子で口を隠しながら 王子の耳元で
「それは小説のお話の中の事ですわ
私何もされておりませんのよ」
メイジーさまー 一生推します!
しかし あの王子...
王様が入られて
「あー 騒がせてすまぬ
アイオライト(王子の名)とエミリア・ローズ嬢の婚約は
白紙撤回となった
理由は隣国のメイジー・クロニクル王女と
アイオライトの婚約が両国の結び付きを強くする為に相成ったからだ
エミリア嬢 10年と長い婚約期間だったのにすまぬ
見合った保証は 私が保証する
アイオライトは1年後 隣国に輿入れとなる」
この婚約はパーティの直前に確定となり
父も その場で聴いていたそうだけど 私にまでは伝える時間がないまま
王子の婚約破棄騒動が始まり 頭を痛めたそうな
メイジー姫と王子は 以前から知り合いで
婚約が本決まりになる話を聴いて
……うん なんか
婚約破棄=悪役令嬢
って……
あれから20年
何故か 兄が婿に行ったり
弟が違う隣国の姫に婿入りし王配になったりして
公爵家の跡を継いだ
あの当時の王様のお陰で 良い婿が
アイオライト王子は不安しか無かったけれど
今はメイジー王の良き王配になったそうな
終わり良ければ全て良し
やっちまった