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Gialloの夜、ティアとメアが大はしゃぎ!

4人が森を抜けGiallo(ジャッロ)を目指し飛行している中で、ロアとティアはメアから言葉を教わっていた。


メアは魔法を使い国の形を映像化すると

「ここがRosa(ローザ)だよ!」

指を差して教える。


メアに続いて「ろざぁ!」「ろーざぁ!」と舌ったらずに繰り返すロアとティアはとても可愛い。

この調子でロアとティアに神界の各国々を教えるたのであった。

Giallo(ジャッロ)に着くまでに2人は7つの国と100年に1度開かれる「虹の奇跡」を覚えた。

Giallo(ジャッロ)に着くと4人はまず今夜泊まる宿を探すため、街の中を歩く。

ロアとティアはメアの魔法により宙に浮いている。

街中を歩いているとティアがある方向に目を向けたまま止まっていることにメアが気づく。

ティアが見ていたのは街の中心部にある広場であった。

そこではこの国の祭りであるルーチェが盛大に開催されていた。

この祭りは人々の魔力が光となって集まり色鮮やかに広場を照らす。

広場の周りに広がる屋台にも照らされている。

そして皆がこの国の平和を祈り、願うことがルーチェという祭りなのだ。

色鮮やかに照らされている光に目を奪われているティアをメアが抱き上げると人はとりあえず宿探しを中断して、屋台を見て廻ることにした。

屋台は下界と似ていて 「わたあめ・クレープ・かき氷…etc. 」といったものから「牛肉の炭火焼き・たこ焼き・焼きそば・ジャガバタ…etc. 」などとバリエーションは豊富である。

今夜の夕御飯はこの屋台のもので決まりのようだ。


「どれがいいかなー?あっ!ジャガバタ美味しそう!唐揚げも!ポテトも!焼きそばー!たこ焼きもある!お肉も食べたいなぁ!炭火焼き絶対美味しいよ!あのわたあめも食べたいね!」

メアは歩きながら呟いている。


「んな食べたら腹壊すぞ…。」

ギルは呆れた顔を向けるとロアもギルの真似をして呆れ顔を披露していた。


「えー!大丈夫だよ!食べれる!お腹壊したりしないもん!ねーティア!」

突然ティアに話をふったメアはニコニコとしていて、ティアもつられてニコニコする。


「いや、ティアは分かんないだろ。」

すぐさまギルの突っ込みが入った。


「ムゥー!!!」

メアはギルに向かいしかめっ面をする。


「分かった分かった。食べたいだけ食べろ。」

そうギルは言うと屋台の前で立ち止まった。

目の前は焼きそばの屋台である。

1人前をギルが購入し、4人は近くのベンチに腰を下ろした。


「シェアすれば食べたいもの、たくさん食べられるだろ。」

ギルは焼きそばを食べながら少し微笑んだ。

メアもニコニコしながら焼きそばをロアとティアの分に分け、少しずつ食べさせた。


「これは " や・き・そ・ば " だよ!」


「「やきそばぁ?」」


ロアとティアがメアに聞く。


「そうそう!やきそば!美味しいよ!」

メアが笑顔で伝える。

ロアとティアが食べながら " あい!" とメアに手で掴んだ焼きそばを渡す。

どうやらメアに食べてほしいようだ。

メアは " ありがとう!" と言って手渡された焼きそばをもぐもぐ食べた。

そして自分の分もあっという間にたえらげたのだった。

焼きそばを食べた後には、たこ焼き、牛肉の炭火焼き、ジャガバター、ポテト、かき氷を順番に食べ、ドリンクにはタピオカミルクティー、バナナオレにイチゴオレなどを人数分選び飲んでいた。


「大分お腹ふくれたな…。」

ギルのお腹はもう何も入らないようである。


「あと、わたあめ食べたい!」

メアは屋台を見て微笑み、その姿を見たティアも微笑む。


「…!!すごいな。まだ食べれるのか…。え、ティアも食べたいの?」

ギルの問いにティアはニコニコしながら " あい!" と応えた。


「…わかった。わかった。はぁ…。買ってくるからそこで待ってろ!」

ギルは呆れた様子でロアをメアに預けて屋台へ向かった。


「ほら、わたあめ。」

そう言ってギルは大きな袋をティアに手渡す。


袋には可愛らしいうさぎのイラストが描かれていてティアは喜びながら " う!う!" と自分を指差す。


「ティアと一緒のうさちゃんだ~。」

メアも一緒になって喜びながら袋を開けて少しずつわたあめを食べ始めた。

ティアとメアが食べている姿を見ていたロアは、自分も欲しくなったのか目を丸めてメアを見ていた。


「ロアも食べる?」

メアは一口分をちぎって手渡すとロアは嬉しそうに微笑みわたあめを食べ始めた。

わたあめを美味しそうに食べるティアとロアを見るメアは心の中で(可愛すぎ~!)なんて興奮していたりする。

その様子を見ていたギルは、メアに対して呆れていたのであった。


お腹を満たした4人は広場の中へと入っていく。

広場の中では見たことのある者が中心に立っていた。


「レグナルド!?」

ギルは神の名を口にする。


「やぁ!ギル・ロアート。メア・プリティーナ。おや、小さな君たちは誰だい?…もしや、君達の子なのか!?禁断の恋か!?恋なのか!?お父さんの許し無しにひどいではないか!」

レグナルドの言葉にギルもメアも呆気にとられていた。


少ししてギルが口を開く…。


「…んな訳ないだろ!なんでいつもそういう発想になるんだよ!」

ギルがキレる。


「いや~、やっと君達お互いの恋心に気づいたのかと思ったんだけどな~。」

ニヤニヤしながらレグナルドは話している。


「はぁ…。毎回毎回、よく飽きないな。」

ギルは大きなため息をつく。


ここでメアが2人の会話に入る。


「ねえレグナルド、今日泊めてよ!」


「え!?ちょっと待て。なんでこいつの屋敷?」

ギルはメアの発言に驚く。


「聞いてなかったの?俺達の会話。」

ギルは嘘だろ…と言っているように肩を落とす。


「聞いてたけど…泊まるところまだ決まってなかったし、こうやってレグナルドに会えたんだもん!だめ?」

メアはギルを説得しようと試みる。


「ほら、宿取るとお金かかるし!レグナルドならタダで泊めてくれるし美味しいご飯にもありつけるでしょ!」

ニコニコと話すメアを見てギルが呟く。


「…いや、メアはご飯をたらふく食べたいだけだろ?」

ギルの言葉にメアは頭を掻きながら「ばれてた?」とニコニコ笑っていた。


「2人共、宿は探さないで僕の家においでよ!歓迎するよ!」

レグナルドはニヤニヤしながら告げると話を続けた。


「このルーチェがもう少しかかるから終わるまで楽しんでいってよ!」

レグナルドはそう言うと「じゃあ、また後でね。」と手を振りながら周りの人々と広場を出ていった。


「最悪だ…。絶対に面倒な事になる。」

ギルは一瞬悪寒を感じ身震いをしたのだった。


ルーチェを見て廻る4人は広場の奥の方へと進み足を止めた。

目の前に見たことないほどの色鮮やかな光が散りばめられ、とても美しく華やかなのである。

こんな素敵な光はきっとGiallo(ジャッロ)でしか見られないものだ。

そんなルーチェを運良く見れたギルとメアは景色を見ながら嬉しく思っていた。気づけば日はすっかり落ち、ルーチェもそろそろ終わりを迎えていた。

どのくらい色鮮やかな光を見つめていたのだろう…。


「ギル・ロアート、ルーチェはどうだった?楽しんでくれたかな?待たせてごめんな。よし!帰ろうか。」

にっこり笑顔で目の前に現れたのはレグナルドである。

レグナルドの後ろをついていく中でメアが訊ねる。


「あの光は消さないの?」


「あぁ、消さないよ。朝までこのままかな。消しちゃうのは勿体ないからねー。」

と少し悲しそうにレグナルドは応えた。

暫く歩くと大きな門が姿を見せた。

外灯の光の側には執事が待ち構えており、門を開けて4人を招き入れる。


「ここが俺の家だ。部屋はたくさんあるから好きに使っていいよ。何かあったら俺か執事に言って!」

レグナルドは笑顔で言うと執事がギル達を各部屋に案内した。


メアとティアの部屋から突然大声が屋敷中に響き渡る。


「うっっっわぁあああー!!!」

この声はメアである。

メアとティアの部屋に皆が駆け込む。


「「どうした!?」」


ギルとレグナルドの声がかぶる。


「どうしましたか?メア・プリティーナ様。」

執事は少し間をおき、メアに訊ねた。


「見て?この子達可愛すぎなの!」

メアが抱き上げて見せたものは、事前に執事が用意していたぬいぐるみ達であった。


「うさぎちゃんとホワイトタイガーと…ほら見て!メアとギルもいるんだよ!可愛すぎるぅ~!!!」

そう言いながらぬいぐるみを見せられたギルは大きなため息をつき、…びっくりさせんな。と小声で言うとメアの頭を軽く(はた)いて自室へと戻っていった。

一方レグナルドは腹を抱えて笑い、執事の方は優しく微笑んでいた。


「そんなに嬉しかったのか!良かったな!チビも喜んでるな!クフフッ。」

レグナルドは笑っている。


「お気に召された御様子に私共はとても嬉しく思います。」

執事は笑顔でそう伝えると一礼をし、レグナルドと共に部屋を出ていった。


「ティア!見て!ティアがいるよ!ロアも!メアもギルもいるよ!皆一緒だね!これなら寂しくないね!」

メアはベッドに寝かせたティアに1体ずつ手渡しぬいぐるみとティアを抱きしめた。

ティアはとても楽しそうに、そしてとても嬉しそうに微笑みキャッキャと甘く高い声をあげていた。


ギルの部屋ではロアが1人ぬいぐるみに抱きつき遊んでいた。

「ロアも好きなんだな。…でもほら、そんな似てるか?」

ギルはロアから自分に似たぬいぐるみを顔に近づけ、不思議そうな顔をしてロアに呟く。

するとロアがにっこり笑い「ギルー!ギルー!」と言い、はしゃぎ出した。そしてぬいぐるみに指差しながら「ロアー!ティア!ギル!メア!」と順番に言う。

その姿はとても可愛らしく、今此処にメアがいたなら興奮していそうな程に可愛らしいのであった。

そんな可愛らしいロアにギルは持っていたぬいぐるみを使い、ロアと遊び出したのであった。

普段大人っぽいギルであってもまだまだ子供なのである。

ぬいぐるみに興奮し、はしゃぐメアと変わらないくらいに…。


レグナルドの執事が用意したぬいぐるみ達はとても好評であったようだ。

こうして4人はレグナルドの屋敷で一夜を過ごしたのであった。

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