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バレンナ

よろしくお願いします

「だぁぁぁぁ...やっと、山を下り終わった...」

「何をそんな肩で息をしている、男が情けないぞ」

「ピンピンしているアイリスがおかしいんだって」


 なんでこのお姉さんは半日ぶっ通しで山を下って息一つ切れてないんだ。途中で魔物との戦闘とかもあったのに疲れた様子が微塵も見られない。おかしい、これがスペックの差というヤツだろうか。こっちは筋肉痛がやばい、6年間ほど家に引きこもってた人間がいきなり山下りなんかしたら当たり前か


「ふむ、それでカエデよ「ツインズ」のアスレチックモードの扱いには慣れてきたか?」

「うーん...最初の頃よりはましになってきたって感じかな」

「最初の頃は本当にひどかったからな」

「あはは...」


「ツインズ」のアスレチックモードの扱いというのは「ツインズ」から飛び出す強力なワイヤーのような魔力線を使った立体機動のことだ。ワイヤーを伸ばして少し遠くの木につなげる、ワイヤーを戻して移動するということを連続して行っていくことで空中をス〇イダーマンのように移動することだ


 本当に最初の頃は散々であった。あぁだんだんあの時の悪夢が......



 ◇


「カエデ、「ツインズ」のアスレチックモードを使ってみたらどうだ?」

「あの、ワイヤーみたいな線が出るやつだよね、確かこうやって...」


 俺は銃身にある切り替え部分でバトルモードからアスレチックモードへと切り替える


「そうだ、アスレチックモードを使うことによって色々と応用が聞くと思ってな。カエデに覚えて欲しいものがある。1回「ツインズ」を貸してみろ」


 俺は言われた通り「ツインズ」をアイリスに渡す


「じゃあ見ててくれ」


 そう言ってアイリスは5mほど離れたところにある木に引き金を引いて黒いワイヤーを飛ばす。そして再び引き金を引き、ワイヤーが巻き戻されてアイリスが木の方へ飛んでいく、そして木にぶつかる直前で木とワイヤーの接続を切断して、今度は白い線が別の木に放たれ、最初の木の着地と同時にアイリスが白い線を巻き戻して別の木に向かっていく。

 最後にそれと同じ工程をして俺のところへ戻ってくる


 俺はあまりの見事さに拍手してしまう。なんかすごいサーカスを見てたみたいだ


「よし、カエデもやってみろ」

「はい?」

「だからカエデも今のをやってみろ。ほら、「ツインズ」は返す」

「マジですか?」

「あぁマジだ」


 今のを俺がやれってことかよ...いや、できたらかっこいいと思うけどさ


「早くやらないとカエデの尻にいいものをぶち込んでやるぞ?」

「やります!やらせていただきます!!」


 童貞より先にそっちを卒業とかキツすぎる!!てか、卒業したくないし!!


 俺は1度「ツインズ」をなぞって魔力をチャージする


 そしてさっきアイリスが狙っていた木に表情を合わせる


「はぁ...やるしかないのか」


 俺は後ろに控えているアイリスをちらりと見る。うん、やらないとマジで尻を撃とうとしてるな


 俺は1度ため息をついて引き金を引く、黒い線が木にヒットする。あとはもう一度引き金を引いて線を巻き戻して、別の木に新たな線を飛ばして移動する。よし、イメージは出来るな



「ってことで、やってみますか!」


 俺は引き金を引く、そしてかなりの速度で線が巻き戻され俺は宙に浮く


 そして次の木を狙おうとするがバランスが上手く取れない


「うわっ、うわうわうわ、うわぁぁぁぁ!!」


 そして完全にバランスを崩した俺はただ「ツインズ」に引っ張られるだけとなり、そして


「ブヘッ!!」


 そのまま体ごと木に直撃した


 ◇


「くっくっく、初めてやった時のあれは傑作だったな」

「いやいや、笑い事じゃないからね?」

「すまん、すまん。思い出すとな...くくく...」


 アイリスが楽しそうに笑うが、本当に慣れるまでは笑い事じゃ済まないくらい木に激突していた。まぁそのおかげで俺の身体は普通より治りが早いっていうのはわかったんだけど、怪我の功名というやつだろうか。アイリスは俺の治療をしてて気づいてたっぽいけど、まぁ数日で折れたアバラがほぼくっついてる時点で気づくべきだったんだけど


「とりあえずここから歩いて2時間くらいだったっけ?」

「歩く?何を言ってるんだ?たかが10kmだ、走っていくぞ」

「えーー...」


 マジですか?ちょっとくらいゆっくりさせてもらっても


「ほら、行くぞ。街に行けば私とゆっくりといろいろとできるんだぞ?」

「い、色々なこと...!」


 そうか、街に付けば宿がある。すなわちベッドがある!!そのベッドの上で色々なことが...


「だんだん欲望に忠実になってきたな、顔がいやらしいぞ。まぁいい、では行こうか」



 俺はびっくりして自分の顔に手をやる、そんな顔してたか...?

 自分の顔なんて鏡でも見ない限りわからないから自分はイヤラシイ顔なんかしていないと心で叫んでアイリスのあとを追った


 ◇


「はぁ....はぁ.....やっと到着か......」

「ふむ、なかなかいい街だな」



 俺は到着と同時に地面に倒れる。やはりどうしてこのお姉さんは息が一つも上がってないんだ。おかしい絶対におかしい、俺は走るというからマラソンぐらいのスピードを想像してたのにガチ走りだったよ、それでもなんとかそれにくらいついた自分を褒めてやりたい

 俺の体も一応それなりには異世界使用ということなのだろう



 ということで着きました「バレンナ」

 見たところ中世の地方都市って感じだった、RPG中盤に出てくるそこそこの大きさのそこそこの発展をしている本当に中規模な街。この世界で始めてくる街にしてはちょうどいいだろう


 世界の旅立ちの最初の街だからってRPG序盤のしょぼい村くらいの街に来ても困るだけだろうし



「カエデ、そこで話を聞いてきたが街の中心にこの街の地図があるらしいひとまずはそこに向かおう、噴水が目印と言っていたからすぐにわかるだろう」


 どこかに行ったなと思ったらそんなことをしてたのか。こっちは呼吸を整えるので限界だったというのに


「ほら、もう息を整っただろ?行くぞ」

「はぁ...はぁ...OK、行こうか...はぁ...」


 まだ完全に回復してないけど、ここでなんか文句言ったらまた「ケツにぶちこむぞ?」的なこと言われるから大人しく従っておこう。なぜか俺を鍛えることになるとスパルタになる、心の中では鬼教官と呼んでいたりいなかったり


 そして、2人で地図があるという街の中心は向かう。街の大通りをまっすぐ歩けば街の中心にはすぐつくので簡単に場所がわかった


「ふむ...宿はこっち...露店市場などもあるな...」


 アイリスが一つ一つ場所を確認している。俺も横で街の地図を眺める


 街の門から最も離れた北に位置する所にはこの街を納めている領主の館や街の役場などがあるらしい、そこには短期職業斡旋場というバイトの紹介をやっている見慣れぬ建物もあった。興味本位で冒険者ギルドみたいなのはあるのかなと思ったがそんなものはなかった、異世界とくれば冒険者ギルドに俺TUEEEEが定番なんだけどな、まぁ俺達の場合それをやるのは俺じゃなくてアイリスがなんだけど


 さっきアイリスが買い物をしたいって言ってたから露店が多く並ぶ露店市場に行くんだろうな。まぁずっと黒いドレスでいるわけにもいかないからね


 ちなみにお金の方もあの山小屋からもらってきた、本当いつかまともなお金が入ったらあの山小屋に返しに行かないといけない気がする



「よし、大体の場所は覚えた。とりあえず露店市場に向かおう」

「え?もう覚えたの?」

「まぁ目的があるところだけを覚えたからな」


 そして俺とアイリスは露店市場へ向かう通りへと歩いていく



「へぇ、こういうのはテレビの海外特集とかで見たことあるけど、やっぱ生で味わうと違うんだなぁ」

「ゲームの中でも露店市場はあっただろ?」

「あれは非公式の武器とか販売してる闇市だって...」


 アイリスのせいで悪い思い出を思い出してしまった。あぁ恐ろしや、闇市!どうしてあの空間は街の中なのにPK可能だったんだろうか、たぶんゲームの世界観的に運営がそういう空間を作ったんだろうけど、いいのかそれで運営さんよ。興味本位で入っていったら入って3歩で脳天に1発いいのくらったよ...


「私はあんな感じの殺気に満ち溢れて血なまぐさい環境の方が落ち着くんだがな」

「いや、俺が落ち着かないから...」


 今さらだが僕は君と価値観の違いを感じるよ、とほほ...


「まぁ今はお前と私の着替えだ、早速見て回ろうか」

「うん、そうだねって...アイリスさん!?」

「ん?何か問題でも?腕を組むぐらいいいじゃないか?」

「そそそ、そうですが...!」


 胸!胸がすごい!腕が飲み込まれてる!!


「ふふふ、宿にいったらもっとすごいことをしてやるぞ?」

「も、もっとすごいこと...」


 こ、これよりすごいことが宿に帰ったら起こるというのか!!ふふふ...残り少ない俺の童貞人生を満喫してやろうじゃないかっ!!



「なぁカエデどっちがいいと思う?」

「右じゃないですかねぇ」

「なんだその適当な答え方は」

「そうは言われましてもね...」


 だってそれ何着目ですかアイリスさん

 女子の買い物は長いという都市伝説は何回も聞いてきたがまさか本当に長いとはもう早く決めてくれよ...


「む、私はお前がいいと思った方が着たいんだ」

「可愛いこと言ってくれるのは嬉しいんですがねぇ...」


 俺だって、俺だってね?嬉しいんですよ?こんな美人なお姉さんと腕組んで買い物デートなんて、でもね俺の目から見てどれも似たような服を比べられても困るんですよ「どっちでもいい」と答えるときれるし、一方を選べば「そうか?」と返される、もう疲れましたよ僕は。確かにデートというものは素晴らしいとわかりましたがね、一方で僕は根っからのインドア人間だということがわかりましたよ


「わかった、カエデばっかりに選ばせるのも悪い話だ。ではこれで最後だ、これとこれどっちがいい?」

「あ、うん、俺も悪かったよ反省するよ。最後ならしっかり決めないとね...」


 アイリスに悲しい顔をされるのは困る、流石に適当に答えすぎたな、反省反省

 それに最後というならこっちもしっかり考えようじゃないか


 そしてアイリスが持っている二つの白いシャツを見比べる。ち、違いがわからん...

 よく見てみれば襟の形などが違うのか、ぶっちゃけどっちでもいい。ここは自分の勘に従おう


「そうだな...うん、右の方じゃないかな?」

「む、そうか、だが左の方も...」

「アイリスもアイリスで反省してくれぇぇぇぇぇぇ!!」


 買い物デートなんてクソくらえだ!!


 ◇


 そして次の日の朝



「くそぉ...くそぉ...」

「朝からそんなことで泣くんじゃない」

「でも...くそぉ...なんで俺は...あんなことを......!」


 俺たちは今宿の一室にいる、既に朝日が昇り窓からは少しずつ人の賑わいが聞こえ始めてくる


 そんな今日という新しい1日に希望をもった人々の賑わいの中俺は後悔の波に飲まれてる


 なんで俺はあんなことをしてしまったのか...

 どうして、どうして俺は...


「どうして俺は昨日寝落ちしてしまったんだよぉぉぉ!!」


 そう、昨日俺はアイリスとあんなことやそんなことをすることを夢見て生きていたというのに宿にきてシャワーを浴びたら山下りや修行の疲れがどっと来てしまいそのまま柔らかいベッドで横になったら1発で眠りについてしまったというわけさ


「別にチャンスは昨日だけじゃないんだからそう落ち込むでない、ほら...こっちに...ちゅっ...今はこれで我慢しとけ」

「あっ...」

「ほら、カエデも早く着替えろ私は下で朝食を食べているからな」


 呆然としたままの俺を置いてアイリスは部屋を出ていく


「やっぱうちのお姉様には勝てないな...」


 俺はまだ余韻が残る唇に手を当てながらそうつぶやいたさ


 本当にうちのお姉様にはかなわないよ


 ◇


「もぐもぐ...で、今日はどうするつもりなの?」

「あぁ短期職業斡旋場というのがあったからそこに行こうかなと思っている。短期で稼げるのは私たちにとって都合がいいからな」

「あぁそんな所あったねぇ...」



 あの謎の怪しいバイト紹介場か、まぁ異世界にタウンワークなんてないからそういう場所が必要なんだろうな。ちなみにそれとは別にハローワーク的な長期職業斡旋場というのもある、俺も元の世界では危うくお世話になりそうだった所だからあまり行きたくないな


「カエデ、お前が食べ終わったら行くぞ」

「あ、うん、ちょっと待って......もぐもぐ......よしっ、おっけい!!」

「そんなに急がなくても時間はいっぱいあるのだけどな、では食べ終わったのなら行こうか」



 俺とアイリスは席を立ち上がり短期職業斡旋場へと向かった



「これはすごいな...」


 短期職業斡旋場についた俺はそう声を漏らした。短期職業斡旋場は行政区画のメインの建物の一つであるためかけっこうな人数の人たちがいた。全員バイト探ししている人たちだろうか?


 しかし俺が驚いてるのはそこではなかった


 俺が驚いた理由は、それは壁一面に大量の依頼書が貼られていているということだ



「ふむ、これはなかなかいい仕事を見つけるのには時間がかかりそうだな。どうだ一旦別れてそれぞれでなにか良さそうな仕事を見つけるというのは」

「そうだね、これだけの依頼書があるんだから二手に別れた方がいいだろうね」

「それじゃあ一時間後にここで、時計は......あそこの壁にかかっているな」

「そうだね、じゃあとりあえず良さげはやつを探してくるよ」

「あぁ私の方でも頑張って探してみる」


 そして俺は1人になって壁に貼られている依頼書を見ていく


「なになに、マウンテンウルフの討伐にビッグマウスベアの討伐か......」


 うん、ここはどこの冒険者ギルドかな?


「いやいやいや、ここは短期職業斡旋場のはずだ。もっとバイトっぽいやつが......これとかっ!......ゴブリン討伐...?」


 おいおい、バイト気分でとる仕事じゃないぞ、命かかってるじゃないか


 というかゴブリンっているんですね、最低1回は見ておきたいな...


 そして俺がゴブリン討伐依頼書をもって固まっていると屈強なおっちゃんがワイバーン討伐とかいういかにもやばそうな依頼書を取っていった。やっぱりここはどこの冒険者ギルドかな?


 そして自分の手に持っていた依頼書を壁に戻して、壁の一番上を見てみると「討伐依頼」と書かれていた。よく見れば他の壁には「警護依頼」や「一般依頼」などの様々なブースがあった


「俺は一般依頼の方に行こう...はぁ...アイリスがこっちに来ないといいけど...」


 絶対あのお姉さんだったらこんなの見つけちゃったらすぐに食いついちゃうよ、頼むから見つけないでくれたまえ〜


 俺はムキムキな男たちしかいない「討伐依頼」のブースを離れて「一般依頼」のブースへと行く


「ふむふむ、下水の掃除に、子守に、店番......うん、普通だ」


 ほんとに普通の依頼だった、基本的に日雇いバイトみたいな感じだな


 うーん...相場とかがよくわからないからどれがいいやつかよくわからないな、とりあえず桁が多いやつを探してみようか


「うわ、誰か俺の夜の相手になってくれって......なかなか勇気がある人もいるもんだなぁ...」


 ちなみにその依頼主はもちろん男、まさかの似顔絵入りという気合の入れよう

 そしてその依頼書は俺の目の前で屈強なガチムチ系の男が顔を赤らめて依頼書を取っていった。これはご愁傷さますぎる...



「うーん......やっぱりパッとしないやつが多いな...」


 所詮バイトはバイトだからなぁ、さっきの命の危険がある討伐依頼とは文字通り桁一つ違っていた



「うーん......あ、これなんかよさそうだな...」


 俺がある依頼書を取ろうとすると別の手が目の前に現れて俺より少し早くその依頼書をとっていく



「あら、ふふふ、ごめんなさい。でもこういうのって早い者勝ちでしょ?」

「あ、いいですよ、別に気にしてませんか......ら?」


 俺がその依頼書を取っていった人の顔を見た瞬間固まってしまった


 その人は先日山下り中に遭遇した盗賊に襲われていた金髪の美人お姉さんだったからだ

 遭遇したといっても俺たちは4キロ離れた所から「アイリス」で援護射撃してただけなんだけだから、向こうは俺のことを知らない



「あら?あなた私とどこかで出会ってことがあったかしら?」

「い、いえ!そ、そんなこと全然ありませんよ!?」


 美人過ぎてあまりの緊張からキョドってしまった


「そう、なら私の勘違いね。じゃあ私はこの依頼を受けるから。あ、報酬がいいからってすぐに飛びつくのはだめよ?そういうのは大抵危ないから」

「あ、ありがとうございます...」


 俺は颯爽と去っていく金髪お姉さんの後ろ姿を呆然と眺める


「綺麗な人だったな...」


 アイリスとはまた違った美人なお姉さんだった。アイリスが大人のお姉さんというならあの金髪さんは同年代の少し大人びたお姉さんって感じだな


「いかん、いかん。とりあえずよさげな依頼書を2、3枚は見つけとかないとアイリスに怒られる」


 そして俺はひとつひとつ依頼書を丁寧に見て無難そうなやつを二つほど見つけてアイリスとの集合場所に戻った


 ◇


「ふむ、どちらもダメだな」


 どうやら俺が持ってきた依頼書は没らしい。まぁぶっちゃけ適当に選んだから気にしてないけど


「まぁ正直いいの見つからなかったしね、アイリスはどうだったの?」

「それなりには良さげなやつを3枚見つけてきた、見てみろ」


 そういってアイリスから3枚依頼書を受け取る


 ふむふむ、ドラゴンの討伐にキングスネークの討伐......うん、予想通り過ぎて逆に泣けてくる。よくこんなの見つけてきたな、というかこれを2人でやろうとするアイリスがすごいよ


「あと1枚は......領主の屋敷の住み込みの手伝いか...」


 なになに、最近領主の屋敷で働いていた使用人が運悪く8割ほど体調不良を起こしたので1週間ほど住み込みで使用人のバイトをして欲しいと、なるほど

 報酬も桁数を見てみると悪くないな


「よくこんなの見つかったね」

「そうだうろ?ドラゴンにキングスネーク、どんな強者だろうか、想像しただけで興奮してくる」

「いや、そっちじゃなくてこの依頼ね」


 誰もドラゴンとかキングスネークとかの危ない話はしてないよ、そっちはもう完全に無視だよ


「あぁそっちか、なかなか割のいい仕事だとは思わないか?」

「そうだね、相場はよくわからないけどかなりいい給料だよね、きっと」


 その時不意にさっきあった金髪美女の言葉を思い出す。よく考えてみたらいきなり使用人が一気に体調不良って怪しくないか?うん、怪しいよね絶対


「なぁアイリスこれはちょっとやめといた方がいいんじゃないかな?」

「ふむ、ではこのドラゴンかキングスネークをだな....」



 そ、そうだった.....残った選択肢はもっとやばいやつだった...



「はぁ、やっぱこの使用人のやつにしよう...」

「ドラゴンもキングスネークもなかなか...」

「それは絶対ないから!はい、俺が手続きしてくるから」


 未だにあーだこーだ言ってるアイリスを無視して俺は依頼書を受付に持っていき手続きを済ませた

お読みいただきありがとうございます

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