反撃の狼煙を上げろ
次の日の深夜、昨日と同じく家を抜け出したレイは、ハウバーグの内部にて見張りの位置を確認していた。
「…昨日と変化無しか」
一通り調べた結果としては、昨日魔法で把握した配置と全く変わらず、外壁の上に等間隔で兵士が配置されているだけだった。外壁へと通じる階段は東西南北に一つずつで計四つ。そしてそれ等にはそれぞれ一人しか見張りがいなかった。ギリギリまで自分の屋敷の警備を強化しようとした結果なのだろうが、正直杜撰としか言いようが無かった。これではその見張りが声も出せずに死んだ場合、裏から好き放題出来てしまうだろうに。多少見晴らしが良いからって油断しているのではないだろうか。
「まあ良いさ」
別にこれからレイのする事に何人警備が居ようと関係は無いのだから。精々一人でも多ければそれだけ警備を削れるなと思う程度だ。
レイは周囲の空気を集めるオリジナルの風魔法【収束される大気】を外壁の上に発動。外壁の上に立つ兵士達の足下に酸素を集めた。
空気を集めるだけの魔法なので初級レベルの魔力しか消費しないが、流石に街一つ覆う外壁なのでそれなりに魔力を持って行かれた。まあそれでも残存魔力にはまだまだ余裕があるので全然問題は無いのだが。
「ねえレイ、足下に空気を集めてどうするの?突風を起こすのなら空気を集める必要は無いと思うんだけど」
「そんな事したら、落ちて来た兵士が家に落ちたら助かっちまうかもしれないだろ。壁の上に居る奴等には文字通り、あそこで全滅して貰わないとな。その為に態々階段を伝わせて、下の兵士にまで範囲を伸ばしたんだ」
酸素は外壁の上だけで無く、四箇所にある階段の下に居る見張りにまで集まられていた。一人でも屋敷に合流する数を減らそうと思っての事だった。
「さて、反撃の狼煙を上げろってな。合図は盛大に行かせて貰おう」
レイは階段下の見張りの足下に【灯されし火種】を発動。兵士の足元に集められた酸素に着火した。
酸素を燃料に燃え上がった炎は見張りを一瞬で包み込み、更に階段の酸素を伝って外壁の上へ到達。そしてまるで高速で動く炎の大蛇の如く、外壁の兵士達を呑み込んで行った。
ーーー
義勇軍の占拠する家の中では、レイに言われた通りいつでも出撃出来るように準備を整え、合図の時を今か今かと待っていた。と言ってもレイが宣言通りやってくれるのかは半信半疑、というよりも大半の者は寧ろ信じていなかった。所詮は子供の戯言だと。
しかし自分達のリーダーが準備をしておけと命じたからにはしょうがないと、こうして準備をしていた。
心の片隅にもしかしたらなんて感情が燻っているが、それを意識する者は居なかった。
「ローグさん、本当に奴の言う事を信じるんですかい?」
昨日レイに気絶させられた大男が訝しげに問い掛ける。ローグと呼ばれたリーダーの男は、部下を一瞥して、そして直ぐに戻す。
「別に完全に信用した訳じゃ無いさ。ただもし奴が成功させた場合、それは我々にとっては最高のチャンスになる。その時に我々が動けないようでは話にならないだろう。それに裏切られたのであれば直ぐに逃げるひつようがある。奴が上手くやるにせよ裏切るにせよ、いつでも動ける準備は必要だ」
そう言われては、誰もこれ以上言い返せなかった。不安では有ったが、そこまで考えているのなら誰も文句は言えなかった。
しかし彼等には言わなかったが、ローグは心のどこかで期待しているのかもしれないと自己分析する。もしかしたらやってくれるかもしれない。そんな思いがあったからこそここまで準備をさせて待っているのだと。
そしてそろそろレイが宣言した時間になった時、二階から見張りをしていた仲間が「ローグさん大変です!」と言いながらバタバタと駆け降りて来た。
「どうした?」
「それが、突然外壁が燃えだしたんです」
「何?」
意味不明な報告に見た方が早と外に出ると、そこには報告にあった通り、街を囲う外壁の上部が燃え上がっていた。
後ろからローグを追って出て来た仲間達も、それを見て困惑していた。
「何だよこれ」
「一体どうなってんだ?」
周りが唖然とする中、ローグは確信した。
「奴がやったんだ。外壁の兵士達を纏めて焼き払ったんだ」
そして呆然と立ち尽くす仲間達を一喝した。
「お前等!これで外壁の兵士達は全滅した!それに屋敷の周りの兵士達も混乱している事だろう!やるなら今を置いて他に無い!」
その言葉に、仲間達の武器を握る手に力が入って行き、皆にも力が漲って行くのを感じる。
「俺に続け!!領主の館に攻め込むぞ!」
「「「ウオォォォォォォ!!!」」」
ローグを先頭に、義勇軍が領主の屋敷に向けて出発した。外壁が燃え盛る街の中を、義勇軍は直走る。
街の中に警備が一人も巡回していなかったお蔭で、ピグマの屋敷には直ぐに着いた。ローグが屋敷の付近で様子を伺うと、やはり警備の兵士達は、未だ燃え続ける外壁の炎に混乱している様子だ。『一体どうなってるんだ!?』とか、『外壁からの連絡は来ないのか!?』とか、『こっちから人を出して様子を見た方が良いんじゃないのか?』等と言っているのが聞こえて来る。
(混乱している今がチャンスだ!)
ローグは同じく潜んでいる仲間達に手で出撃の合図を送ると、同時に自分も飛び出して襲撃を開始した。
「敵襲!敵襲ーーーーー!!」
兵士達が義勇軍の襲撃を周囲に知らせるがもう遅い。既に義勇軍は直ぐ近くに来ているのだ。ローグは一先ず目の前の兵士の首に剣を突き刺して倒す。
「一気に突き進め!!そして屋敷に攻め込め!!」
「「「ウオォォォォォォ!!!」」」
義勇軍の作戦は単純な一点集中突破。一ヶ所を食い破るようにして攻めて行く。
本来なら大部分を陽動にして少数で屋敷に潜入するべきなのだが、義勇軍の兵は殆どが戦闘経験の無い農民だ。統率の取れない烏合の衆では別の場所の警備を回された時点で簡単に鎮圧されるレベルだったのでこの作戦になったのだ。
これならローグ自ら先頭に立ち、仲間を指揮しながら敵の数を確実に減らし、力押しでも対応可能な状態にまで持って行けば自分が居なくても時間稼ぎくらいは可能だと思ったからだ。
「怯むな!!何としてもこの場を死守しろ!!」
「「「オオォォォォォォ!!!」」」
対する警備の兵士達も混乱を突かれて奇襲を受けたものの、体勢を立て直して何とか五分の状態に持って行った。
こうなって来ると義勇軍は厳しい。長期戦に持ち込まれて、時間を掛けて各個撃破されたら詰んでしまう。
「今の所戦況は五分と五分か」
そんな戦場を、レイは少し離れた位置にある建物の屋根に座って、文字通り高みの見物をしていた。
「しかし、これは兵士が予想以上に強かったと見るべきなのか、それとも義勇軍が予想以上に弱かったと見るべきなのか。…いや、両方だな」
殆どが農民に毛が生えた程度の力しか無い義勇軍は、見た所リーダーのローグ以外は殆どが木製の鍬等の農具だ。精々昨日レイが倒した大柄の男が石斧で敵の頭を甲冑毎叩き割った後、その剣を力任せに振り回して何とかと言ったところだろう。
石斧で鉄の兜を割った力は素直に賞賛に値するが、やはりただの鉄の剣ではそれも難しいだろう。そうなるとやはり純粋に兵士と真っ向から斬り合えるのはローグくらいになる。
そして兵士側にも、以外と落ち着いて陣を築き直すだけの指揮を取れる人間が居た事に驚いた。あんな性悪の豚貴族には、ゴロツキみたいな兵しか居ないと思っていたが、やはり人が集まれば少なからずそう言う人間は存在するという事なのだろうか。
「ム、義勇軍が押され出したぞ」
「チッ、折角外側の邪魔者を排除してお膳立てしたってのに」
「どうしましょうか」
「どうするも何も、このまま義勇軍が鎮圧されたら、今までの裏工作が全部水の泡だ」
また考えるのも面倒だから、出来れば今回で終わらせてしまいたい。そんな完全に自分中心な理由で手を貸す事にしたレイは【アイテムボックス】から全長一メートル近い自作の長弓と矢を取り出した。
「お主、弓で援護するのか?」
「そうだ。純粋に魔法を使っても良いんだけど、折角だから新しい試作品の試し射ちと補助魔法の練習も同時にやってしまおうと思って」
「戦場で戦ってる人達からしたら、堪った物じゃ無いだろうね」
自分達は必死で、それこそ命懸けで戦っていると言うのに、そこにレイが実験を兼ねた横槍を入れると言うのだから。
「味方に関しては手助けしてやってるだけありがたく思えってな。敵に関しては…そんなの知らん」
「おい」
「だってそうだろ。敵に一々そんな了解取る必要は無いんだよ。どうせ殺されるだけなんだから」
「それはそうなんだけどね…」
「殺される敵が浮かばれんな」
「もしそれでアンデットにでもなったら、今度は塵も残さず滅ぼすだけだ」
そう言ってレイは矢を番えて引き絞る。キリキリと音を立てて弓が反り返るがそれでもまだ耳の位置にまで引けないので、身体強化で無理矢理持って行った。それでも腕の振動で弓が震えるので、もう少し身体強化を強めて安定させた。
「こんな感じか。【風属性付与】」
レイが魔法を発動させると、レイの番えた矢に風が纏わり付いた。
【風属性付与】は文字通り、武器等に風属性を付与する補助魔法だ。弓を扱う者が好んで使用し、矢に使えば威力と貫通力、そして射程を強化する事が出来る。レイの魔力で最大限強化すれば、五十メートルなら真っ直ぐ飛ばしても届かせる事が出来る。
素人のレイが山形に射っても当たるかは微妙だが、これなら照準も合わせ易いから当たる確率も上がる。
狙うは戦線のやや後ろで指揮や鼓舞をしている兵士。気分は弓兵と言うよりはスナイパーだった。
「当たってくれよ…」
軽く願望を混ぜつつ、援護の一矢が放たれた。付与された魔法の効果で真っ直ぐ飛んだそれは一直線に飛んで行き、
「敵の勢いが弱まって来ているぞ!押しかーーー」
今正に反撃の指示を出そうとした兵士の開いた口を貫通した。矢の威力が強過ぎて体も後ろに吹き飛び、ゴロゴロと転がって仰向けに倒れた。
「うわ〜。結構えげつない場所にヒットしたな」
予想ではスナイパーみたく眉間を狙うつもりだったのだが、予想以上に酷い場所に当たってしまい、思わず苦笑するレイ。
そんなレイを他所に、兵士や義勇軍の数名が驚きのあまり射殺された兵士を見る中、ローグは素早く矢の飛んで来た方向を見て、そこにレイがいるのを見た。
「味方が敵の指揮官を討ち取ったぞ!!押し込め!!」
「「「ウオォォォォォォ!!!」」」
再び勢い付く義勇軍。指揮官していた兵士を失って統制の取れない兵士達を倒して行く。兵士側もどうにかしようと各々で鼓舞し合うが、一度五分になった状態から押し返されては形勢逆転も難しい。加えて遠くにいる謎の射手にも気を配らなくてはならなくなったのだ。注意が散漫になり、殺られる兵士が続出した。
そして遂には義勇軍が警備を食い破って屋敷の中に押し入る事に成功した。
それを見てレイはひっそりと弓を【アイテムボックス】にしまう。
「ま、まあ結果オーライだ」
「あ、誤魔化した」
「シッ!言っちゃ駄目だよ。レイだって気にしてるから誤魔化してるんだし」
無言でフラム達を睨むと、あっという間に目を逸らされた。溜め息と共に手で顔を覆う。冷たい夜の風が今日は少し気持ち良くて、きっと今の自分の顔は赤くなっているんだろうなと自覚してしまったからだ。
とは言え何時までもこうしていると余計に意識してしまいそうなので、別の事に意識を回す事にした。
「さてと、中の様子はどうなってるんだ?」
魔法を発動させて、屋敷の中の魔力反応を見る。驚いたのは屋敷の二階には殆ど反応が無かった事だ。人間とは形の違う魔力の反応はあるが、それだけだった。全体を見てみると、屋敷の中を忙しなく移動しているのは屋敷に進入を果たした義勇軍だろう。一階にいる反応の殆どが使用人とすると、領主とその子供はどこに居るのだろうか。
「ん?」
捜索範囲を広げてみると、屋敷の一階より下、つまり地下に幾つか反応がある事が分かった。寧ろ二階よりも多いかもしれない。屋敷から離れる方向に四つ、動かずじっとしているのが複数。そして今現在二階から地下に向かっている一つだ。
離れているのは秘密の逃げ道でも使って逃げているのだろうが、だとすると今地下に向かっている途中の一つは一体何なのだろうか。
義勇軍はバラバラにはならず複数で行動しているから、違うだろう。だとするとこの反応は誰の物なのか。
「調べてみる必要があるな」
レイは先程の二階から地下へ向かった反応のあった部屋へ転移した。部屋はそこ等中に下品な程豪華そうな品で埋め尽くされた部屋だった。天蓋付きのベッドなんて前世を含めて初めて見たくらいだ。
「ゔっ…!!」
入って直ぐに、強烈な臭いに鼻を摘んだ。途轍もなくイカ臭い臭いが蔓延していた。
「これは…!」
「酷い臭いなのじゃ…!」
精霊達も辛そうだ。普段からニコニコ笑顔のアイシアですら、鼻を摘んで顔を顰めている。
一番臭いのキツい場所は天蓋付きのベッドだった。見るとそこには裸の女性が一人、仰向けになって倒れていた。首には絞められた跡があり、魔力反応から見ても既に死んでいるのは一目で分かった。
「レイ様。この人って」
「ああ」
その女性には見覚えがある。数ヶ月前にヨダ村から連れて行かれた女性の一人だ。余程苦しかったのか、口の端から涎が垂れている。乾いてはいないから恐らくついさっきまで生きていたのだろう。
「敵が屋敷に入り込むまでずっと盛ってたのかよあの豚は」
しかしその肝心の豚はこの部屋には居らず、終わりと同時に女性を首を絞めて殺して、この部屋から地下へと向かった。恐らくこの部屋にある人間の物とは違う魔力反応が発せられている場所から行ったのだろう。
その場所は本棚の裏から出ていた。あの領主の見た目からは考えられないような難しそうな内容の本がずらりと並べられた本棚の裏から何かの魔力反応が出ていた。何かの仕掛けがあると見て良いだろう。
「魔力を用いた仕掛けか。どうやら特定の魔力に反応して作動する類いの物のようじゃ。どれ、ここは一つ妾がチョチョイと解除してーー」
「ーー面倒だ」
一々仕掛けを解くのも面倒なので、全力の身体強化で本棚ごと蹴破った。本棚が粉々に砕け、並べられていた本が散らばると、そこには人一人通れる通路があった。同時に魔力反応も消え、特にトラップは無いらしい。
「ここから地下に行けるのか。…ん?」
急に静かになったティエラを見ると、何やら顔を伏せてプルプルと震えていた。
「どうしたティエラ」
「何でもない!良いからさっさと行くぞ!」
急にキレだと思ったら、顔を真っ赤にしながら怒鳴り散らして先に行ってしまった。
「あちゃー。やっちゃった」
「まだまだ勉強が必要みたいですね」
「え?何が?」
アイシアに尋ねても、ウフフと笑うだけではぐらかされてしまった。
ーーー
通路の中を通ると、直ぐに螺旋階段に行き当たった。石造りの階段を、ウルフの毛皮で作った靴がカツカツと音を立てる。
「こう同じ景色が続くと、同じ場所をグルグル回ってる気分になるね」
「目が回る〜」
フラムが目を回しているが、レイはそれを無視する。もう直ぐ地下の魔力反応の高さに着くから警戒しているのだ。
一応索敵は続けていて、進行方向には相変わらず動かない反応が幾つかあるだけだが、この石の空間は声が響くのだ。下手に声を出して居場所を知らせる必要は無い。
程無くして階段を下り終えた先には、通路を挟んで鉄格子で仕切られた部屋がずらりと並ぶフロアだった。
鉄格子の中にはピグマが集めたのか、女性が何人も入れられていた。
「成る程、普段はここに閉じ込めて、必要な時に部屋に連れて行く訳か」
良くもまあこんなに集めた物である。ヨダ村のように村や町を駆けずり回って集めたのだろうか、それともファンタジー定番の奴隷商人から買ったのだろうか。
どちらにせよ運が悪い事には変わり無いだろう。領主ピグマにとってここに居るのは人間では無く奴隷なのだ。当然その待遇は良い物では無いのだろう。元々は見目麗しい女達だったのだろうが、皆目は死に、頬は痩せこけて今にも死んでしまいそうな顔をしていた。
今の現状に絶望でもしているのだろう、現にレイが現れても視線すら動かさない。魔力反応の有無がが分からなければ死んでると勘違いしていただろう。
しかしレイにとって重要なのはここに彼女達が居る事では無く、何故ピグマはこんな所に来たのかという事だ。
見た所通路は二方向あり、一つは街の外へと逃げて行った反応があった方向で、ピグマはその反対側に向かって、今はコソコソと小さく動き回っているが逃げている感じでは無い。
(まだ何か隠し玉でもあるのか?)
だとしたら無視する訳には行かない。現時点でもギリギリ義勇軍が優勢な状況だ。そこで隠し玉を投入されたらまた形勢が逆転してしまう。そうなったら本当にレイが屋敷ごと吹き飛ばさなくてはならなくなる。
(帰りの魔力も残しておかないと行けないし、今の内に無力化しておこう)
後は義勇軍にピグマを引き渡せば終わりだ。
「というか、結局最後まで俺がやる羽目になるのかよ」
本来なら最初から最後迄義勇軍に任せようと思っていたのに。肝心な所で役に立たない義勇軍だと溜め息が漏れる。
こんな事なら最初からレイ一人で暗殺した方が良かった。魔法の痕跡という証拠は残ってしまうが、考えてみればこの世界に地球のような捜査能力は無いだろうし、殺した後に首に斬った後でも残せば勝手にミスリードされるだろうから、結果的に見ればそっちの方が楽だったかもしれない。
「面倒を他人に押し付けようとした結果がこれか。やっぱ他人に任せるべきじゃ無かったって事か」
面倒な領主の片付けを義勇軍に任せて、自分は魔法の鍛錬と秘密基地の増強、創作活動に勤しむつもりだったのに、結局下準備から外壁に居た敵の排除、屋敷の突破口作りや隠し玉の破壊や領主の捕獲と、大事な部分を全てレイが一人でやっている。
義勇軍も農民の集まりなのでしょうが無いと言えばしょうが無いのだが、出来ればもう少し頑張って欲しかった。
「愚痴ってもしょうが無い。さっさと終わらせて帰ろう」
ピグマの物と思われる方へと向かうレイ。その向かう先には、距離の有るここからでも分かるくらい大きな扉が照明の炎に照らされていた。




