奈保は今
誰もいない暗い部屋。そこに1人だけ手足を括られている少女がいた。奈保だ。
奈保は双子の兄と一緒にどこか分からない所へいた。そこで盗賊と話していると突然の頭の痛みと目眩、気付くとそこにいた。
「ア~リスちゃーん。黒猫はどこにいるのかな~?いつまで黒猫は逃げてるのかな~?」
奈保は黒猫もアリスも知らないが、部屋の外から時々聞こえるこの声からして自分がアリスという少女と間違われていることは解った。
それにしても何故、黒猫をかみと読むのだろう。もしかしたら黒猫に化けたかみがいるのかな?
「おい、アリスに黒猫の居場所を吐かせてこい!」
「アリスに軽々しく触れられませんよ、、、それに噂ではアリスは不思議な業で、、、くっ!」
業?それはなんだろう。
アリスに触れるとそれが起こる。今の私にわかることは少なすぎる。
直保が早く助けに来てくれることを祈ることしかできない。
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祖父は話そうとしたこと、話していることを誰かに途中で止められたり話されるのを嫌がる。
『人の話を最後までよく聞け』
祖父に教えられた大事なこと。その話のなかで重要なことが分かるかもしれない、とも教えられた。
だから、、、今帽子屋は祖父に怒られている。
「だから悪かったって言ってるじゃないか」
帽子屋は可笑しそうに言う。
「お前はいつから飄々とするようになったんだ」
、、、話が変わった気がする。
「、、、飄々としてなきゃ今はやっていけないよ。アリスと仲良くやってると思われないようにするためにはね」
アリス、、、奈保とよく似た少女。
祖父は鏡を凝視し始めた。
鏡に映るのは暗い部屋と言うべきものと微かに聴こえる人の声。その声からは「アリス」「黒猫」という単語が聞き取れる。
たまに部屋の扉が開き光が入る。その光により人がいることがわかる。
横幅だけ育ったいかにも敵対するメンバーの1人と呼べる者、気の優しいこきつかわれる1人と手足を括らた1人。手足を括られているのは奈保だろう。
「、、、どう思う」
「他に誰もいなかったら準備を含めて明日には行ける」
「他にいても明後日には行ける」
祖父の問いに帽子屋と俺は2~3日で助けられるという結論を出した。
その前に俺は〈ハザマの國〉について知らなければならない。
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アリス、アリスは何処にいる?黄金の敵アリス。金の敵アリス。赤の敵アリス。銀の敵アリス。
黒、黒は何処にいる?アリスの味方。黄金の敵、黒。金の敵、黒。赤の敵、黒。銀の敵、黒。




