何故、みえる
気が付くと俺は祖父の家の前にいた。違和感を感じつつも俺は家のインターホンを押す。
「、、、はい」
不機嫌な祖父の声が聴こえてきた。
「直保です」と言うと勢いよく玄関が開く。
少し祖父の肩が上下していた。息切れだろう。
「バカ野郎!何故、先に〈ハザマの國〉へ行く!」
〈ハザマの國〉それは多分、さっきまでいた所のことだろう。盗賊、帽子屋、奈保によく似たアリスという少女。
祖父は玄関先で怒鳴ってしまったことに気付き、俺を家の中へ入るように促した。
中に入ると緑茶を飲んでいる帽子屋がいた。
「やあ、直保。直次に起こられていたね」
クスッと笑った帽子屋は俺が口をポカンとしているのにも関わらずそれを気にしないで緑茶を飲んでいる。
「何故、帽子屋がここにいる」
さっきまでいた〈ハザマの國〉は俺の夢じゃないのか?もしかしたらまだ夢の中にいるのかもしれない。しかし【解答】がこれは夢じゃないと出した。
「ふーん、キミの能力はカイトウなんだ。でもまだハザマでは使えない」
「何故、解答とカイトウと読み能力をスキルと読んだ。ハザマにしても狭間でもいいじゃないのか?」
「、、、何故キミは僕が解答とカイトウと読んだのが分かるんだ?」
何故って言われても困る。それは今まで生きたなかで何回もあった出来事だからだ。
解答とカイトウは書き方が違うだけで後はさほど変わらない。文章の前後で意味が変わるけど、話しているなかではすべて平仮名でも通じる。でも俺は相手の話すことが文字として出てくることがこれまでに何回もあった。
しばらく俺を見ていた帽子屋は次に祖父の方を見た。祖父は玄米茶を飲んでいた。「ふぅ」とたまに漏れでる息から温かいことが分かる。
「直次、直保のこれはいつからなんだ?」
「知らんよ。昔からあったといえばあった。なかったといえばなかった。それだけの話」
祖父は謎めいて言うクセがあった。
「強いていえば、奈保にもそれはあった」
祖父は湯飲みに入っていた玄米茶を飲み終えるとお代わりを取りに行きついでに楕円の鏡を持ってきた。
楕円の鏡を見た帽子屋は「No.4の鏡」と呟いた。それを聞き取ったのか祖父は「懐かしい名前だな」と言った。
「直保はこの鏡を知らないな」
俺は知らないの意を込めて首を縦にふった。
「説明しよう!この鏡の名前は楕円形の鏡(No.4)という。他にもNo.1~No.10まであるとかそれ以上あるとかないとか言われている。まあ、とりあえず見つかっているのはNo.5までの鏡だ。直次が何故それを持っているのかというと、、、」




