このセカイは---
真っ白な世界。そこに3人座っている。
「、、、これで、良かったのか?」
「いいんだ。俺が死んだことを覚えていると悲しむからな」
「始まりは、、、」
「俺も同じだよ、創造の。アリスが悲しむことはしたくない」
「、、、そうか」
真っ白で清潔で無関係で無関心な世界の真ん中に座っている3人はしょぼくれている。
つい、1時間前に《ハザマの國》の崩壊が完了した。國の物理的な崩壊が終わると直保の願いを叶えるために動き出した。真っ暗では作業が出来ないので、真っ白にして画面を写しデータを消す。直保は人脈が広いため時間がかかった。
「断片的に覚えてるやつがいるな」
「奈保と大和!?」
「大和?」
「誰だ?」
「大和は三戸学園副生徒会長の浅倉大和だ。いつも嫌味を言ってきたんだ。ふ、懐かしいな」
直保は遠い目をして言った。
「あくまで断片的だろ?いずれ忘れるさ」
悲しそうな笑顔を見せてそう言う直保を見て始まりと創造は心を痛めた。
「データ削除も終わったぞ。これでもう、俺らのこともハザマのことも覚えてるやつはいない」
「創造の」
躊躇いがちに呼んだのは始まりだった。創造は優しく、なんだ?と返事した。
「俺、、、もう少しアリスを見守ってていいか」
「大丈夫だ、と言いたいところだがそうはいかないんだ。ごめんな」
分かっていたさ、と目を伏せた。
真っ暗な世界が真っ白に真っ白の世界は無に帰る。建物は崩壊して硝子の様に砕け見えなくなる。光を反射しない世界は硝子も反射率が低い板も変わらない。
普通の人ならこの場にいることすら出来ないような真っ暗で真っ白で無透明で完全なる無の世界に3人が立っている。
「このセカイは君にとって充実したものだった?」
「このセカイは君に変化をもたらすことができた?」
「このセカイで生きて」
「このセカイで死んで」
「幸せでしたか?」
このセカイで生きて暮らして死んで幸せでしたか?




