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最期の願いと忘れた人

「おいで、直保」


なんだよ


「ハザマの崩壊を見せてやる」


、、、終わったのか?


「ああ、これから完全に崩壊が始まる。今までは住人達がいたからな。保っていたんだが、もう居ないからな」


奈保やアリス、瘋は


「現実に戻ったよ」


そっか、良かった。アリスも?


「そうだ。奈保と一緒に」


奈保は泣かなくて済むな


「、、、」


「そうだね」


そんな顔するなよ。知ってるからさ


「ごめんな」


「最期の願いを聞く。あったら言ってくれ」


、、、《ハザマの國》を知ってる奴ら全員の記憶からハザマに関すること全て消して欲しい。それが俺、御子柴直保の最期の願いだ。


「わかった。叶えよう」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なほー」


アリスが校舎から走ってくる。


「もうっ、なんで先に行っちゃうの!」


「ごめんごめん。ちょっと待ち合わせしてて、、、」


「奈保?どうしたの?」


私の目からは涙が流れている。


「なんで、涙、、、」


泣く理由なんてない。けど、今すごく悲しい。例えるなら大事な人が居なくなったそんな感情が私の中に広がっている。


「ただ、、、やす、、、」


嗚咽と共にでたその名前はひどく懐かしい。


「どうしたの、ただやすって誰?」


「分からない!分からないけど、、、」


涙が、、、止まらない。


「取り敢えず、ここじゃ何かと目立つから移動しよう、ね」



1時間ぐらい私は泣いていた。その間、アリスはずっと隣にいてくれた。まるで、、、まるで?誰?あなたは誰?



「ねえ」


私は校舎の端にしゃがんでいた。そうか、アリスが連れてきてくれたんだ。


「生徒会室行ってみる」


「え、突然どうしたの?生徒会室だなんて」


「多分そこにいる気がする。確かめるだけでも」


アリスは諦めるようにわかった、と答えた。



生徒会室は幸いにもここから近かった。


本館2階に生徒会室はある。


ノックをしてから入る。


「ふぁ、どうした」


入ると真正面に生徒会長の賀屋大地が欠伸をしたところだった。


「、、、」


生徒会室を見回しても私の探す人はいない。


「奈保さん?」


「あ、ごめんね。邪魔しちゃった?」


「いいや、全然!」と言う賀屋くんの横でちょこまかと浅倉兄弟が動いている。


「忙しそうだけど、、、」


「奈保、本題忘れてない?」


「忘れてないけど、ここには居ないみたい」


小声で聞いてきたアリスに釣られ私も小声になる。


「妹さんは誰を捜しに来たの?」


和人さんが優しく声をかけて来た。


「あ、えっと、、、」


誰とは言えない。私もわからないから。


「居なかったみたいだからいいんじゃねえ の?本人も分かってねえみたいだし」


「大和さんはお見通しなんだね、、、」


「妹ちゃん、その反応見て分からないのは馬鹿だ」


浅倉兄弟は私のことを(妹さん、妹ちゃん)と呼ぶ。


「そんなにわかり易かったかな、、、」


「、、、それに捜してる奴は多分俺もさがしてる。そんな気がするんだ」


「大和がそんなこと言うなんてどうしたの?」


「和人は分からないのか?俺は会長がこんなちんちくりんじゃなかったと記憶してる。それに、俺らより働いていてそれでも俺らより片付けるのが早かった」


「、、、それ僕への嫌味?」


「それもあるけどさ。やる時はやるだろ、会長は」


「僕はそんな風に感じたことはないよ。大和がそうだとしてもね」


和人さんは私や大和さんがさがしてる誰かを覚えていない。私たちも誰かが居なくてさがしてるけど、その誰かが誰なのか分からない。



私とアリスは生徒会室を後にした。



学園から出て現在住んでいるマンションへ帰ろうと坂を下る。


「今日、記者たち居ないね」


「うん。居なくてよかったけどね」


学園には芸能活動している生徒がいるからよく記者(パパラッチ)が校門あたりに集団を作って待っている。

それをいつも追っ払ってくれる役もあの人が、、、

奈保は空を見上げた。


ハザマが崩壊したからもうすぐ、あと少しで終わるな。

御子柴家の事情とかいいつついつの間にか事情関係なくなってる気がする

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