終戦条
薬利は昨日出来上がった服を着て大広間に来ていた。
「おはようございます」ローブを着た人物に挨拶をした。
その人は振り返り御辞儀をする。その人こそこの国の王、マフィ。
「薬利様、本日はよろしくお願い致します」マフィの執事兼、秘書が言う。
挨拶を交わすとすぐにマフィから終戦条の会場へ向かうと言ったので後に付いていく。
会場には戦相手の王がいた。
力で捩じ伏せたというよりもそのオーラ(威圧感)で黙らせてきたと思わせる男が座っていた。
「久しいな、マフィ。相変わらず顔とか色々隠してるのか」
「お久しぶりです。ドン・マルカ」マフィの秘書が言う。
マフィがドン・マルカの目の前にある椅子に座る。秘書はその斜め後ろ、薬利はマフィの隣だ。
ドン・マルカは深く息を吐き、薬利を見た。
「それが薬利か?」
「はい。そうです」
「おかしい。こいつは初めて会うぞ」
「申し訳ありません」
「別にいいが、随分弱そうだな」
「弱いとダメですか」
「ダメとかじゃないが、奴らがどう思うかだからな」
「ドン・マルカ貴方は、、、まあ、薬利をどうするかは貴方次第ですが」
「マフィは酷い奴だな」困ったような憐れんだような表現で薬利を見る。
マフィは秘書に合図した。すると秘書はドン・マルカの手元に1枚の紙を置いた。証書だ。
「私の名前は書いてます。後は貴方の名前を書くだけ。そうすればこれは貴方のものになります」
ドン・マルカは少しだけ考えた素振りを見せて紙に名前を書いた。
おいで、と薬利を呼ぶ。
秘書に背中を押されやや倒れこむようにドン・マルカの方へ行った薬利を隠れていた男たちが目隠しや手足を縛ったりして連れていった。
「相変わらず酷いやり方ですね」
「お前こそ、彼は何も知らないみたいじゃないか」
「本来なら彼の兄が行うはずでした」
「10年前の彼か」
「ええ。彼は父親を止めようとして、と聞いています」
「誰から」
「仕立屋、、、当時は立からです」
「そうか」




