500年前
瘋と洋服屋、仕立屋の過去の物語です
ー500年前ー
城の周りは炎で赤く染まっていた。
あちこちから人々の叫び声がする。
「、、、いつまで続くんだ」
男は城の最上階のバルコニーから下を見下ろし言う。
「当分終わらないよ」
「愉しそうな顔をするな」
「仕方ないさ。立はこういうことが好きなんだから」
室内から1人、出てきた男が言う。
「俺だけじゃないだろ、洋」
「俺は立ほど残酷な男じゃない」
「2人とも止めろ。俺にとっちゃどちらも変わらん」
「ヒドイな、薬利は」そう言う立は笑っていた。
「よくこんな状況で笑えるよな」薬利は苦笑いをした。
「兄様!」
10にも満たないくらいの少年が薬利を兄と呼びバルコニーへ出てくる。
「利、どうした?」
「父様がこの戦を終わらせるぞ。って」
「どうやって」
「なんかね、笑いながら皆殺しって、、、父様の笑い方がいつもと違って怖かった」
「利、俺は父様を止めてくる。戦は終わらせたいけど皆殺しは駄目だ!」
薬利は走って行く。
「あーあ、薬利は大丈夫なのかね」
「分からない。利、将軍様は笑ってたけど怖かったんだよな。どういう感じだった?」
「んーとね、目が笑ってなかった。本気で皆殺しにするって感じがしたよ」
その時、争う声が聞こえた。
父様、止めてください!
うるさい!ワシはこれをしなくてはならない!
父様っ!
人が倒れる音がしてその争う声は止んだ。
「兄様?父様?」
利は不安そうに立と洋を見る。
「洋、ここで利とまってろ。俺は薬利を見てくる!」
立もバルコニーから駆け出した。
お前はこの戦を止めなきゃならん。しかしお前は優しすぎる。その優しさが命取りになるんだーー




