もういいかい
「クソッ!」
直保は近くの電信柱に強く握った拳をぶつける。
仕立屋からハーブティーを貰い飲んだらこのザマ、、、
〈ハザマの國〉から知らない間に追い出された気分だ。
ハザマから今度戻るときは奈保と一緒に、と考えていたはずなのに、、、と行き場のない怒りを電信柱にぶつける。痛むがそんなことを気にしている余裕などない。
「、、、祖父の所へ向かおう!」
頭が冷えるとハザマへ向かうこととなった元凶の祖父のもとへ行くことにした。
「、、、どうした」
祖父は驚いたような顔をして言った。
直保は戻ってきた理由を簡潔に話した。
「仕立屋と洋服屋は2番目のかみさまの味方だ」
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「もういいかい?」
高い声で遊んでいるときのような無邪気さで陰からその人は聞いた。
その声を聞いた瞬間、鍵の3人は緊張感を走らせた。
「その顔はもうよさそうだね」
「こんなとこに連れてきて一体なんなの!?」恐さを殺しアリスが叫ぶ。
シュッとアリスの真横を何かが通る。その何かはアリスの頬をかすめ闇へ消えていく。
「発言権は仕立屋にあるんだよ!」
「洋服屋、【解答者】は?」
「帰らせたよ。多分もう二度と此方に来られない」
「、、、だってさ、残念だね。お兄さん助けに来てくれないよ」
お兄さん、その単語で奈保は誰か理解した。
「もん、、、」
「ん?」
「直保は私のお兄さんじゃない!確かに同い年とは思えないくらいしっかりしてるけどお兄さんじゃない!」
「でも奈保、お兄ちゃんって呼んでなかった?直保のこと」
「下らない」舌打ちをして続ける。「年齢なんか関係ねえ!うざいんだよ。兄弟とか年齢差を叩きつけられてるみたいでさ!」
「洋服屋、落ち着け。僕らは2番目の指示に従って動く人形なんだから、感情なんて要らない。必要ない」
「お前はそうやっていつもヘラヘラ笑ってる。ムカツク」
洋服屋はそのまま闇に消えていった。
「ゴメンねぇ。洋服屋は此処、嫌いだから苛立ってるんだ」
確かにヘラヘラと笑ってる。そう3人は思った。
「、、、のためにもさっさと終わらそう」
そう言い終えた仕立屋の姿はなくなっていた。
「こがね!」
奈保が叫ぶと同時に彼女の服は切られていた。
「うん♪これでよし」
黄金はフリーズしてるみたいで自分の切られた服を見たままだ。
「女の子に何してるの!」と叫ぶアリスの声に仕立屋は「女の子?なんのこと?此処に女の子とやらは1人もいない」と不思議そうな顔で言った。
「あ、女の子いたね。御子柴奈保ちゃん」
にやりと奈保の身体を舐めるような目で見た。




