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19話 美月の告白
「高野君、ちょっと話があるんですけど、少しお時間良いですか?」
放課後、俺・高野勇介が教室から出ようとすると、安達が何やら思いつめた表情で声をかけて来た。
「ああ。場所変えるか?」
幸い今日はバイトが休みなので、問題はなかった。
「はい、えっとちょっとついて来てもらっていいですか」
安達の先導で屋上の扉の前の踊り場へ辿り着く。
俺がいつもサボりに使っている場所で、人は滅多に表れない。
「高野君…… 私ときちんと恋人になってもらえないでしょうか?」
安達が声をかけて来た時から予想はしていた。
何かきっかけがあったのだろう。
それでも俺の答えは最初の時と変わらない。
「ごめん……やっぱり俺には……今のまま、友達じゃダメか?」
俺の言葉を聞いた安達は目に涙を受けべた後うつむいてしまった。
突然、という訳でもない。
俺としても安達としても、いつかは通らなければいけなかった道。
また傷つけてしまった。
胸が締め付けられるように痛む。
「そうですか……」
安達はポツリとそう言うと、俺に背を向けてふらふらと、階段を下りていく。
「おい、大丈夫か?」
「大丈夫です! ちょっと考えたいので…… ごめんなさい、いまは……」
俺が駆け寄ろうとするのをはっきりと拒絶する。
そう言われてしまえば俺にはどうしようもなかった。




