15話 スパランド平川・遭遇
2時間ほど4人ではしゃぎ、いい感じに腹も空いてきたので昼飯にしようと、プールから出てショピングモールに向かうと、勇介が意外な人物を発見した。
「なあ、あれって……」
「ん?」
「古屋と瀬名だよな」
勇介が見ている方向に目をやると、そこには確かに古屋孝造と瀬名真奈美がいた。
身長が180cm近い古屋と140cmに満たない瀬名の組み合わせはかなり目立つのだが、それ以上に今目立っているのは、なにやら大声で言い争っているからだ。
「やっぱり無理って何なの? 孝造君から誘ってきたんでしょ?」
「……」
違った。言い争いではなく瀬名が一方的に怒鳴っている。瀬名の声が、特徴のある所謂アニメ声であるため、傍から見ているとちょっと面白い感じだが、古屋はこわばった表情で瀬名に視線を向けようとしない。
「黙ってないで何か言ってよ! アタシなにかしたの?」
「……ごめん!」
古屋はようやく声を発すると一目散に走り去っていく。
……なんだかどこかで見たような光景だ。
置き去りにされた瀬名はしばし呆然としていたが、状況を飲み込んでようやく怒りが湧いてきたのか大股でこちらに歩いてくる。外に出るなら古屋が走り去った方向が近いのだが、同じ方向に向かうのが癪だったのかもしれない。
「あれ、渚……もしかして、見てた?」
手を伸ばせば届きそうな距離まで来て、ようやく瀬名がこちらに気付いた。
「あはは、なんか大変そうだったね」
瀬名と川原は顔見知りなのだろう。瀬名は俺たちを視認はしたが、とりあえず川原との会話を選択したようだ。
「ほんっとに! もう信じらんない! 変態だけど顔もいいしお金持ちだから優しくしてあげたらこれよ! あー、あんな変態にフラれるなんてすごい屈辱よ! 人生の汚点だわ!」
瀬名はハイテンションでまくしたてる。
瀬名と話したことはなかったのだが、見た目の可愛らしさと中身には結構なギャップがあるようだ。
もしかしたら古屋はそこが気に入らなかったのかな。
「とにかく、この事は学校のみんなには黙っておいて。あんた達がデートしてたのは黙っておくから」
そう言って瀬名は足早に去って行った。




