一話序章
超過密人口時代になった未来。
世界では人口数増加の弊害として人の感情が一定の限度を越えると身体から離れまるで幽霊のように半透明の姿で現れ暴れる被害事件が続発していた。
国はこの問題を解決しようと新たに「人事部臨床対策科」という部署を設立する。
しかし公務員不足という現実問題を前に政府はその科に対してのみ「政府特待勤労学生法案」という法律をつくりだした。
内容は仕事をこなせる体力と知識がある学生を一時的に職員として採用するという、つまり、国家に関わる問題解決にバイト募集をかけたのだった。
これはそのなかのとある対策支部に勤務する学生達の物語である。
ある大きな公民館での講談である。一人の男性がマイクを使い拝聴する人全員を見回しつつ、手振りを交えながら話している。
地球温暖化、自然保護、新居住地開拓。
この3項目は現在の人類が早急に改善しなければならない課題である。過去の歴史で我々は何度も絶滅、飢饉に瀕し苦しい思いをしてきた。
しかし永きに渡る研究の結果、現在確認されているほとんどのウイルスに対しては投薬による治療が行え、すぐさま完治するほどに医療面において大きな進歩を遂げた。
これにより平均寿命も脅威的なのびをみせ、いまや食生活と事故に気をつけていれば軽く百歳は超えると言われるほどだ。同時に赤ん坊の死亡率は格段に下がった。
これは出産後の生活支援の充実化や、先に述べたように病もすぐに治すことができるようになったためである。
これは大変喜ばしいことである。…しかしその結果、世界で類を見ない現象が起こった。
現在我が国で暮らす人々の国家面積の一人辺りの平均した敷地面積の割合は人口増加により日に日に苦しくなっている。
我が国にとってこの問題は他国よりも極めて深刻である。
それは他国よりも領土が狭いことが問題であるといえよう。
そして現在、ここに居られる方の中にはもご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
人口の増加によるものとして他国では見られない現象、「思念表現体」が我々の前に現れました。
これから皆さまには現象の原因を語るよりも未だ不可解な点が多いこの現象を正しく理解することに努めて頂きたい。
我々が早急に改善するべき課題である人の思念が現実化する「思念表現体」が起こした現象をこれから事例を交えつつ説明していこうと思う所存です。
まず一章投稿です。操作にも慣れていないので誤字などあれば報告お願いします。