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虹魔学院の紅と蒼  作者: なまこ
体育祭

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代表集結

■代表集結

蒼紫と夜宵は、クラス代表として説明会場へ向かった。

扉を開けた瞬間、空気がわずかに張りつめる。


すでに上級生たちが集まっており、それぞれの“色”が存在感を放っていた。


最も目を引いたのは、A組の三年生。

金色の魔力を持つ男子――生徒会長。黄金司(おうごんつかさ)


その隣には、柔らかな黄色の髪を肩に落とした女子が座っていた。

二人が並ぶだけで、場の中心が決まるような圧があった。


向かい側には、B組の三年生。


銀の魔力を持つ副会長、銀山薫(ぎんざんかおる)と、その隣には、淡い白銀の髪を肩に落とした女子が静かに座っていた。


金と銀――生徒会の頂点同士が向かい合うだけで、空気が静かに火花を散らしているように見えた。


二年生の姿もあった。


二年A組の双子の女子は、並んで椅子に座っている。

一方は明るい表情で、右の髪に氷の結晶の髪留めをつけていた。

もう一方は無表情だが、左の髪に同じ結晶の髪留めをつけている。


二年B組は、無表情で青い髪の男子と、ワイルドに赤髪を逆立てた男子が並んで座っていた。

対照的な二人だが、不思議と並びがしっくりと収まっている。


そして一年生。

A組の蒼紫と夜宵。

B組の暁熱志と黒崎影太が席に着いていた。

つい先日のクラス対抗戦で、副将と大将を務めた二人が再び同じ場に揃う。


暁はいつも通り明るく手を振ってきた。

暁「おー、蒼紫!また一緒だな!」

蒼紫「……そうだな」


黒崎は壁にもたれ、蒼紫たちを一瞥しただけで視線をそらす。

夜宵は気にした様子もなく、静かに座っていた。


しばらくして、担当の赤沢浩あかざわ ひろし先生が前に出た。

落ち着いた声が、部屋の空気をすっと引き締める。


赤沢「全学年の代表が揃ったな。これより団体戦のルールと、当日の動きについて説明する」


一拍置いて、赤沢は続けた。

赤沢「同じ学年同士で戦い、勝利したチームにポイントが入る」

赤沢「試合は連携魔法のみで行う。分身体を使って戦ってもらうことになる。そして、代表のどちらか一人でも戦闘不能になった時点で、そのチームは敗北だ」


淡々とした説明なのに、内容の重さがじわりと胸に響いた。


■双子の姉妹

代表戦の説明が終わり、蒼紫は静かに席を立った。

出口へ向かおうとしたその瞬間、左右から影が寄ってくる。


「ねえ、一年の代表さん」


耳元に落ちてきた声は、どこか涼やかでよく通る。

振り返ると、二年A組の双子の少女が立っていた。


凛「わたしは氷山凛(こおりやまりん)。よろしくね!」

冷「私は氷山冷(こおりやまれい)。よろしく」


凛は柔らかく微笑み、蒼紫の進路をふさぐように一歩前へ。

冷は無表情のまま、蒼紫の横に並ぶように立つ。


二人の距離が近い。

まるで“挟まれた”ような形になり、蒼紫は思わず足を止めた。


蒼紫「……湊蒼紫です。何か用ですか?」

凛「用っていうか、まずは挨拶でしょ挨拶!」

冷「後輩チェック」


蒼紫「……用がないなら帰りますね」

凛「ちょ、ちょっと待ってぇ!?」

冷「逃走、阻止」


凛が腕を広げて進路をふさぎ、

冷は無表情のまま袖をつまんでくる。

蒼紫(……逃げ道がない)


周りを見渡したが、夜宵も暁もすでに姿がない。


蒼紫「初対面でこの距離感はおかしくないですか?」

凛「えっ、近い? これくらい普通じゃない?」

冷「むしろ遠いくらい」

蒼紫「いや、十分近いです」


凛「美女二人に挟まれても動揺しないとは……!」

冷「メンタル強い」

蒼紫「褒められてる気がしないんですが」


凛「じゃあもっと近づけば動揺する?」

冷「実験、する?」

蒼紫「……大丈夫です」


双子は顔を見合わせ、同時にくすっと笑った。

明るさの質は違うのに、息の合い方だけは完璧だった。


凛と冷に挟まれたまま、蒼紫はじりじりと後ずさった。

だが双子は、それに合わせて同じ歩幅で近づいてくる。


蒼紫「……いや、本当に近いですって」

凛「え? まだ全然だよ?」

冷「至近距離、これから」


凛は楽しそうに身を乗り出し、

冷は無表情のまま、蒼紫の肩あたりをじっと観察している。


蒼紫「……なんで肩を見るんですか」

凛「素材チェックかな」

冷「後輩の観察」


蒼紫「観察って……」

凛「連携の相性とか〜」

冷「身長差、動き、反応速度……全部見る」


凛はさらに一歩近づき、蒼紫の顔を覗き込む。

冷も反対側から同じ角度で覗き込む。


凛と冷に挟まれたまま、蒼紫はじりじりと後ずさった。

だが双子は、それに合わせて同じ歩幅で近づいてくる。


蒼紫「……いや、本当に近いですって」

凛「え? まだ全然だよ?」

冷「至近距離、これから」


蒼紫「これからって何をする気なんですか」

凛は楽しそうに身を乗り出し、冷は無表情のまま、蒼紫の顔の高さまで覗き込んでくる。


凛「動揺しないのが気になるんだよね〜」

冷「反応、薄い。もっと見たい」

蒼紫(……このままだと本当に距離ゼロになるな)


双子はさらに一歩、左右から同時に踏み込んだ。

凛「ほらほら、どう?」

冷「近距離、観察」


蒼紫「……はぁ。じゃあ――」

蒼紫はふっと息をつき、次の瞬間、左右の双子の頭に同時に手を伸ばした。

ぽん、ぽん。


凛「……え?」

冷「……?」

蒼紫「そんなに近づくなら、犬みたいに撫でますよ」


凛「い、犬!?ちょ、ちょっと!?」

冷「……なでられた」

凛は顔を真っ赤にして慌てふためき、冷は無表情のまま固まっているが、耳だけがほんのり赤い。


凛「な、なにその反撃!?聞いてないんだけど!?」

冷「……不意打ち。効果、大」

蒼紫「これで距離、取ってくれます?」


凛「くっ……!やるじゃん一年生!」

冷「……次は、負けない」

双子は同時に一歩下がり、逃げるように走り去っていった。


蒼紫はようやく深く息をつく。

(……なんだったんだ、あれ)


ざわめきの残る会場を見渡しながら、蒼紫はひとり出口へ向かって歩き出した。



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