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虹魔学院の紅と蒼  作者: なまこ
水色の季節

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12/16

勉強会

■勉強会

週末の午後。

蒼紫と土屋の部屋は、蒼紫の性格を映すように整然としていた。

そこへ、紅莉たちが集まろうとしていた。


紅莉「蒼紫くん、来たよー!」

玲奈「さっさと始めるわよ」

澪「お、お邪魔します……」

夜宵「片付いているわね」


土屋「ま、まあな」

蒼紫「……昨日、土屋の片づけを手伝った」

蒼紫は軽くため息をつきながらも、全員を部屋に招き入れた。


蒼紫が床に腰を下ろすと、紅莉がそっと右隣に腰を下ろした。

紅莉「蒼紫くん、勉強教えてー!」


すると、すかさず玲奈が左隣に座り込んだ。

玲奈「紅莉は勉強できるでしょ! 蒼紫、私に教えなさいよ」


蒼紫はまた小さくため息をつく。

蒼紫「……二人ともできるだろ。それよりも、土屋の面倒を見てやってくれ」


玲奈「土屋は澪に任せるわ」

澪「が、頑張ろうね、土屋くん!」

土屋「は、はいっ! 澪先生!」


蒼紫「……澪はそれでいいのか?」

澪「私は大丈夫だよ。みんなと勉強できるの嬉しいし、力になれるなら嬉しい」


蒼紫「澪は優しいな」

そう言われた澪は、照れたように視線を落とした。


紅莉はノートを開き、蒼紫の方へ少し身を寄せた。

紅莉「えっと……ここの色の性質って、どういう意味なの?」


蒼紫「ここは――」

説明しようとした瞬間、紅莉がさらに近づき、肩が触れそうなほど距離が縮まった。


紅莉「この図のここ、見てもらってもいい……?」

蒼紫「……っ」


思わず言葉が詰まる。紅莉は気づいていないのか、無邪気にノートを差し出してくる。

紅莉の髪がふわりと揺れ、蒼紫の腕にかすかに触れた。


紅莉「あ、ごめん……近かった?」

蒼紫「……いや。別に」

声は平静を装っているが、胸の奥がわずかにざわついたのを自覚していた。


紅莉はほっとしたように微笑む。

紅莉「よかった……」


蒼紫はノートに視線を戻すが、紅莉の距離の近さに、どうしても意識が逸れてしまう。


部屋のざわめきの中で、二人の間だけ、静かに熱が宿っていた。


紅莉への説明が終わると、左側から影が差した。

玲奈「……ねぇ、蒼紫。このページの解説、よく分からないんだけど」

玲奈は少しだけ恥ずかしそうに、しかし強気な態度で教科書を差し出す。


蒼紫「難しく考える必要はない」

蒼紫は自分のノートにペンを走らせ、淡々と説明を始めた。


玲奈「あんたって意外と字が綺麗ね」

蒼紫「そうか?」


玲奈は素直に感心しながら、真剣に説明を聞いていた。

その横顔に、窓から差し込む柔らかな光がふっと当たる。


玲奈の金髪が、光を受けて淡く黄金色にきらめいた。

さらりと揺れた髪が、細かな光の粒を散らすように輝きを返す。


蒼紫は一瞬だけ言葉を止めたが、玲奈は気づかずノートに視線を落としている。

玲奈「……なるほどね。分かってきたかも」


その声に、蒼紫は小さくうなずき、再び説明を続けた。


一方その頃――

土屋は澪の丁寧な説明に何度も頷きながら、分からないところを素直に質問していた。


澪「うん、その考え方で合ってるよ」

土屋「おお……澪先生、分かりやすい!」


夜宵は自分の勉強を進めることもなく、土屋と澪を見守っていた。


部屋の中には、ページをめくる音、鉛筆の走る音、そして時折混じる笑い声が静かに響いていた。


紅莉はふと蒼紫の横顔を見つめる。

紅莉「……こうしてみんなで勉強するの、なんかいいね」

蒼紫「……そうだな」


蒼紫の声は、いつもより少し柔らかかった。


夕方の光が差し込み、蒼紫の部屋には穏やかな時間が流れていった。


その後も勉強会は何度か開かれ、笑い合いながらも互いに教え合う日々が続いた。


そして迎えた期末テスト――

蒼紫たちはそれぞれの力を発揮し、無事に試験を乗り越えた。


緊張から解放された教室には、どこか晴れやかな空気が漂っている。


こうして蒼紫たちは、待ちに待った夏休みを迎えることになった。



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