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パンダ少女

作者: しろかえで

今回も痛いお話です(*_*)

 思春期の頃、“眼帯少女”が流行っていたら……私はそれを真似ただろうか?……


絶対やらない!!


いや、“自gag”で“逆”に()ってたかな。


密かに憧れていた佐竹君の前で……



 賢明な読者様は、タイトルとこの前振りでお察しかもしれないけど、私は左目の目尻から涙袋の下までの広範囲に、生まれついての青あざがある。


片目パンダ状態だ。


なので、すっぴんで街を歩くと必ず一度は視線が纏わりつく。



「この“視線”って“巨乳さん”が浴びているのに近いのかも??」


と言う“心の声”にせっつかれて……


実は“コスプレ”した事がある。



まず、大枚(10K)以上をはたいて……『G-Hカップクラス』の偽乳を購入!!


“装着”後、薄手のハイネックセーターを直に着るという(さすがに偽乳にはニプレスを貼りましたけど)ウルトラ暴挙な服装で……“カモフラージュパレット”をまるで絵を描くように使い、いつもより更に時間を掛けてアザを隠した“地味メイク”を自分に施した。



つまり!!

“胸一点集中!!”()()で街を歩いてみたら……


()()()()()()“線量”のうざったい視線を浴びた!!



でも実感した!!

()()の濃さは違えども“視線の色”は同質だったと!



とまあ、こんな繰り言で皆様のお時間を無駄にいただいてしまい申し訳ございません。


なかなか、古傷に触れられなくて……



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 中学二年の時も……4月の内はクラスの“視線”が気になったけれど、じきにそれも無くなった。


そう、『高望み』さえしなければ、どうってことないのだ。


 でもこの年頃になると……休み時間の女子の机の上にはニ●ラやpopt●●nが広げられる様になって……

そんな物は“猫に小判”な私はJ●MPを読んでるオトコの子達と“ジョジョラー”やってた。


そうそう、柳くんが貸してくれた学帽をグイっと下げて『やれやれだぜ!』って言った事もある!


 こうやって男子達とワイワイやっていても所詮“行儀の悪い”子達とだったから、女子から特に“やっかみ”を受ける事も無かった。


あ、でも……女子一番人気の佐竹君とはひょんなことから友達になった。


当時私がはまっていたPCゲーム、ティマブロオンラインを彼もやっていて……その話題で盛り上がり、ついには同じ“討伐隊”に入った。


そんなわけで夜になると、佐竹君とオンライン上でずっと話していた(もちろん、他のメンバーもいたのだけど)

 学校ではまったくスルーだったけど、メアドの交換をしてからはメールで日常会話もする様になり……期末試験の話題の時に「数学苦手!!」とぼやいたら「だったら教えてやるよ」と返信が来た。



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 今から思うと「なんであんな図々しい事ができたのか?!」って感じなのだけど、私は佐竹君の家へ押しかけてしまった。


学校や図書館やマックとかは嫌だった。


誰かに見られたら……佐竹君に迷惑が掛かるから、恥ずかしいから、つまらない誤解でクラスの女子から総スカンを喰いたくないから。


でも本当は……“私の胸の内の密かな片想い”を他の誰にも知られたくはなかったから……



で、佐竹君の家のリビングのガラステーブルに教科書や問題集を広げ、カーペットにベタ座りしている。


私、左利きだから……佐竹君は右隣に座って私のノートに図や計算式を書いてくれている……


「ああ!! 分かった! これを移項すればいいんだよねっ!」

喜び勇んで佐竹君に顔を近付けたら……


突然、頬に口づけされた。


びっくりして飛び上がったら!!


「ごめん! 喜んでる横顔がかわいくて」


そんな事を言われても私は完全にビビッてしまっていた。


だって私が可愛い筈がない!!


クッションの上に“着地していた”お尻をずらせて逃げようとすると

右腕を捕まえられた。

熱い手で!!


グイッ!と引っ張られて、お尻をのっけていたクッションとソックスがズリズリ!!ってなる。


男の子の腕の強さに私の心臓はバクバクする。


ビリビリする緊張に押された私は


「アハハハハ!!」

と『ヒステリック』と言っていいくらいの勢いで素っ頓狂に笑った。


「ほらっ!私、片目パンダだよ! 不格好で、かわいくなんてないんだよ! 佐竹君!変な“マナポーション”でも飲んだ?!」


言い終わらないうちに私は後悔していた。

確かにカレは何かを飲んでいたに違いない! 目がギラリと光ったから……


「グシュン!」

私が泣き笑いみたな顔をしてしまうと


蚊トンボみたいなこの体をガバッ!と抱きしめられてしまった。


「どうしようどうしようどうしよう」

頭の中に言葉が溢れた時、家のドアのカギを回すことが聞こえて、カレの腕が緩んだ。



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 お暇する前に借りたトイレをそっと出て、ポケットからハンカチを出して手を拭いていると会話が聞こえて来た。


「……このあいだの子の方がいいじゃない!あんな子が出入りするのは……お母さん恥ずかしいわ!」


「だから!!カノジョはそんなんじゃ無いって!!」



私、静かに静かにため息をついて手に持っているハンカチをギューっと押し当てて涙を止めた。


「うん! そんなの、私が一番分かっているから」




「お邪魔しました」と挨拶して外に出ると、赤い満月が雲間に見えた。




あれから随分と年月が経っても……


たまに赤い月を見ると思ってしまう。



あの時、カレの母親が戻って来なかったらどうなったのだろう?……と。



“拗れた”私は……こんな事を考えてしまうオンナになり果てた。





      おしまい


まあ、こんな感じです(^^;)




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― 新着の感想 ―
[一言] にゃんにゃん(。ノω\。) お疲れさまでしゅ。 楓おねぇさま、おねぇさま、おねぇさま♪ 姫がネ ギュッ(っ´,,>ㅅ<)ω<`,, )♡ してあげゆ♡
[一言]  中学生くらいでは、まして“良い子”なら仕方無いなって、オトナになって振り返ってみれば分かるのだけれどもねぇ……   今はお化粧も、そして美容整形も技術が進んで値段も安くなって良い時代にな…
[良い点] 切ないです。 勇気が出ない、本当のことなんか言えない。だから気持ちを誤魔化しちゃう。でもちょっとだけ勇気が出せたらと願わずにはいられません。  佐竹君は責められないけど、もうちょっとだ…
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