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【8】火山島

旅は続く〜♪

よろしくお願いします。



ムフフ…

初級のにダンジョン付近で、念願の露店を開いてみました。

楽しくて笑いが止まりません。


グランさんのアイデアです。

あの泉で話を聞いてから、露店じゃなくても、薬売りをしつつ、旅をするのもいいかなと漠然と考えてたのです。

具体的には何も浮かんではなかったのです。


荷馬車に揺られながらの旅をしながら、色々なお店の人とお話ししていたら、面白い道具がアーベン国にあるというのを耳のして、俄然、ダンジョン付近での露店が現実味を帯びてきたのです。


僕の夢になっていました。


そして、露店の開店に漕ぎ着けたのです。

順調に露店のコツも掴めて来て、今日は、上級のダンジョン付近で開店です。


「本当にお店してる〜」

聞き覚えの声。

「グランさん、お久しぶりです」

見知った顔は嬉しいです。


構想はなんとなく話した事はあったのです。


「まだそんなに日は空いてないように思うけど。商売はどう?」

品物を選定してます。


「ぼちぼちです。知らないところへ行くのは楽しいですね。いいアイデアをありがとうございます」


「じゃあ、アイデア料分サービスして?」


「いいですよ〜」


僕の露店はそこそこ需要があります。

そこそこ儲けさせて貰ってます。

こんなところに店って変ですよね。驚かれます。こんな弱そうなおじさんがやってるってので更に驚かれます。


こういう事が出来るのも、この布を手に入れられたお陰です。投資は結構掛かりましたが、対価としては安いぐらいです。懐は随分軽くなりましたが、コンパクトな便利な道具も手に入ったので、いい投資です。


『隠匿の布』

話に聞いた時は、俄には信じられませんでした。物語の中だけの代物かと思ってたからです。

でも、実際に薄い軽い布を手に取って、透けてるのに、自分の手の()()が希薄になっている事に驚きました。

そして、テントにできるぐらいの大きなサイズを発注して、今です。


布を掛ける店の骨組みも軽量折りたたみ式です。

荷物も露天商を営んでるとは思えない大きさです。

そこそこに荷物は嵩張りますがね。


この布で骨組みに覆いをかけて、店の存在を示す看板を出して露店を始めたのです。

存在が希薄になるだけで、完全に消える訳ではないので、冒険者さん達には、露店の存在は分かり商売は成立します。


あとは僕の魔法で自分の存在を希薄にすれば、側を魔獣や迷い出てきたダンジョンモンスターが通っても大丈夫と言える程です。匂いは薬草で完璧誤魔化せてます。

僕の得意分野です。


懸念は人に襲われる事でしたが、冒険者の間でいつの間にか協定が出来てたようです。

いざとなったら守ってくれる雰囲気です。まだそんな目には遭ってません。遭いたくもないですけどね。


隙間産業です。面白いですね。


なんとなくグランさんとまた一緒に旅をしています。

用心棒はやはり嬉しい存在ですからね。




なんとも言えないニオイがします。

んーーーー?

大きな湖の匂いと音が似ているのですが。。。


「グランさん。このニオイは?」

「エミルさんは初めてですか。海です。ここを抜けたら……ほら、あれが海です」


手を引かれて足早に半ば引き摺られるように連れて行かれました。


林を抜けると、青い水と白い砂が目に飛び込んできました。

これは磯の香りというものでしょうか。

風が頬を撫で、髪を乱します。


グランさんはやはりいい人でした。

親しくなればなる程、礼儀正しく、丁寧にお話される方でした。とても紳士的です。

周りには戯けた感じで接してます。今では分かります。演じているのです。

育ちがいいのかも知れませんね。深くは訊きませんが。


水平線の向こうに煙りを吐く島が薄っすらと見えます。


「あれは?」

指差せば、破顔。

ガッチリした戦闘職の冒険者が可愛らしく見えますが、次の言葉で可愛いを否定したくなりました。


「火山島。ドラゴンダンジョンの島です。火山にはドラゴンが住んでます。行きましょう!」

僕は、露店商です。薬屋です。

ダンジョン付近で店を出してますが、好き好んで、難易度の高いダンジョンに行きたい訳ではないのです。


ましてや、神聖魔獣がいる場所には近づきたくありません。


僕がぼやぼやしてる間に出国と乗船の手続きが終わってました。


あの島は大きいのだそうです。ここから見えてるのは一部なのだそうです。

そして、気づけば船上の人でした。


んー、火山に近づかなければ問題無いかな?

僕って流されてますよね…。

隣りでニコニコしてるグランさんがなんだか憎めません。この人とだったら大丈夫な気がします。


船で5日。帆船で大きいなとは思ったんですよ。でも、泊まりって。初めの船、船旅でハードです。ぐったりです。

海流が速くて流されてしまうらしく、これでも早いのだそうです。

すぐそこのように見えてましたが、大き過ぎて近い感じがしただけのようです。


上陸して、この火山島が本当に大きく、街が広がってるのも驚きでした。

火山は遠くに見えます。

大陸かと思いますが、島なのだそうです。

世の中色々ありますです。


地面を踏んでるのに揺れてます。

酔いそうです。

グランさんに掴まってます。


「エミルさん、ここには温泉もあるんですよ」

笑いながら、そんな情報を教えてくれます。

「温泉?」

気持ち悪い…。

「火傷にもいいかも知れませんよ?」

胸元を指差されました。


胸の傷は、自作の傷薬を使わずに、その辺に売ってる薬を使ってます。

もし、自分で作った薬で火傷だけ良くなったら、焼いて消した意味がないじゃないですか。

引き攣れなど辛いので、本当は自分で処方したい気分なんですよ。

もう少し火傷の治りを見てから考えようと経過観察中です。

化膿止めだけは飲んでます。こちらは自作の薬です。


「楽になるんですか? それは面白いですね」

ワクワクしたら、しっかり立てました。

要は気分の気合いの問題なのですね!


『温泉』とはなんなのでしょうか。

初めては不安でもあり楽しくもある。

好奇心が疼きます。


温泉街と言われるエリアに向けて、進路をとります。

グランさんは旅慣れていて安心です。


道中、大陸の一部で行われた魔獣狩りの噂話と人探しの話が交わされていました。

人攫いでもあったのでしょうか。


温泉の豆知識をグランさんから聞きながら、動植物の珍しさにあちこち寄り道をしながら楽しく歩みを進めます。


僕は急ぎの旅ではないのですが、そんな僕にグランさんは付き合ってくれます。


いい人です。




次は温泉!

グランさんは何処までもついてきてくれます。


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