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後談小話】疑問のあれこれ(エミル視点)

後編です。

よろしくお願いします。



先日なんとなく訊いた事がよくなかった様だ。

ヴィクトルさまが塞ぎ込んでるのを見かける。


今も窓辺のベンチで黄昏ていた。

そっと背中から近づいて、ピトッと張り付いた。

出来るだけ癒されて欲しいので、ピッタリ引っ付く。


「ヴィクトルさまが気に病む事、訊いちゃったんだね。ごめんね」


ヴィクトルさまの体温が触れ合う身体からじんわり伝わってくる。


「謝らないといけないのは私だよ」


そっと僕の手に手を優しく重ねてくれる。大きな手が僕を包んでくれる。


「ーーー隠し事は嫌ですよ?」


僕としては、いやらしい事をしてしまった。鎌をかけたのだ。

もやっとしたモノを感じていた。それが隠し事とは思わないが、悩んでるのは確かだ。それがさっぱり分からないので、呑気に鎌をかけた。


ヴィクトルさまの気持ちが、ちょっとでも軽くなればと思って。半分持つぐらいの気分だった。


「ーーーーそうだね。エミルには敵わないな。全部話すよ」

幾分ホッとした声音が漏れた。


全部聞いてしまった…。


なんとなくそうじゃないかなぁと思っていたところでもあったのだけど。ショックでした。

聞くんじゃなかったと思うぐらいに。


鎌かけるなんて、慣れない事をするもんじゃないと遅ればせながら思ったり……。


でも、ヴィクトルさまの気を重くしてるのは、なんとなく察せれました。


「ヴィクトルさまは、、、その、発現者を買った権力者たちとは違うと思いますよ?」


「そうだろうか…」


やっぱり! 悩んでるにはその辺りだね。

違いますよ!

その人達と自分を重ねて、変な気分になってたんだ。

この前から夜が激しくて、ヴィクトルさまは苦しそうだもの。


重ねないで。その者達とあなたは違う。それは僕が一番分かってる。

どう伝えたらいいんだろう…。


「そうですよ。それに、その…発現者たちは、幸せだったかも。そうじゃなかったら、そのお相手、酷い目にあってます。たぶん。そうですね……。村が無くなってるかも…なぁ〜んてね」


「嗚呼、そう言う事か…」

えっ?! …ま、待ってッ。

嫌な予感がした。その先聞きたくないかも…ッ。

遮れもしないので、聞いてしまうのですね。自分の些細な質問が起こした事とはいえ、泣きたい気分です。


「いくつも行方不明や怪しい記録が残ってたのは…」


ううぅぅ……本当なの?!


「そ、それに、」


気分を変えたくて、というか、コレが伝えたかった事ッ。

ヴィクトルさまは寡黙過ぎて伝えられなかったと謝られたけど、僕は彼の気持ちを汲み取ろうと努力をしなかった。僕にも非があるのだ。


「僕の深くなっていく闇を救ってくれてたのは、ヴィクトルさまなんだと思う。いつも焼印に魔力を注いでくれてたでしょ?」


領主さまの迷惑になりたくなくて、胸を苦しくする気持ちから逃げたくなっていたあの頃。

魔獣を利用するような方法を思いつくぐらい、身を削るような暗い気分で作業をしていたのだ。

あれは闇が作用していたのかもしれない。


そして、今でも焼印のあった心臓の辺りにキスをしてくれている。

優しい魔力を感じている。


「あれは……焼印は痛々しくて…少しでもエミルが楽になればと。今は、いつまでも一緒に居たいと願って」


僕の手を撫でてくれる。優しい魔力を感じる。


「ヴィクトルさま、愛してくれて、ありがとう」

正面だったら、絶対言えない。

肩に額を擦り付けていた。恥ずかしい。顔が熱い。


「エミル………ありがとう」


ヴィクトルさまの身体の強張りが取れた気がした。


僕たちは、互いを補っているのかもしれない。

そんな風に思う。


チュッとヴィクトルさまの頬に口づけた。

頭に大きな手が添えられた。

大人しく加えられる力に逆らわず、身体を捻り反って向けられた唇にそっと重ねた。


苦しい体勢にクフフと笑ってしまった。


「ちゃんとこっちに来て」

互いに笑ってしまった。ヴィクトルさまのおねだりの言葉は笑いの向こう。

胸に温かいものが広がり全身に染み込んでいく。

正面に回って、抱きついてた。

ヴィクトルさまにもこの温もりに包まれますように…。


改めて、ゆったりと口づけを交わした。

いつまで一緒だよと心を込めて。


流れてくる温かな魔力が反発する事なく、混じり合い僕たちを包み、広がっていく。


互いに気持ちが同じで、とても嬉しい……。大好き。愛してます。





投稿して間が空いてるのに、読まれてるようで、ありがとうございます。

読んでくれてる方々にお礼を込めて。



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