後談小話】疑問のあれこれ(ヴィクトル視点)
ちょっと暗部の話σ(^_^;)
お付き合い下さいませ。前編後編となります。
「ヴィクトルさま、僕、気になる事があります」
昼食後のお茶の向こうで、小さく手を挙げて発言してます。
仕草がいちいち可愛い。
「何?」
訊いておいて、その小さなお口にフルーツを突っ込みたくなる。
「教会の巡行って何?」
嗚呼、突っ込んどけば良かった…。
そうすれば、その口がそんな下らない言葉を口がする事もなかったのに。
「寒村などを巡って、教会の教えと癒し…医療行為?」
ぼやかした。
「ふ〜ん…僕でも出来たのかな? あー、薬は処方出来るね。うん、ちゃんと役に立てそうだね」
うんうんと頷いて、嬉しそうにお茶を口にしている。納得してもらえた様だ。
そうだね……。
エミルは薬師だから、酷い事にはなってなかったと思いたい。
今は王太子殿下の監視が目を光らせてるから、無体な事は行われてはいないと思うが、エミルが教会に連れて行かれた頃は、まだ一部で行われてた行為だったと記憶している。
「そうですね」
出来るだけ穏やかな声音で返した。
エミルと共に教会から送られた手紙に、もやっとしたものを感じていた。
執事長は知ってるようだったので、そこから聞き込みを開始してみたのは、オアシスと領地を往復しし始める前辺りだったか。
後発発現者は大概が成人から十年は経たない若い時期で見つかることが多い。
そこから巡行に同行しながら、魔力を操る訓練をして、癒しの魔法を使える様になり、寒村など小さな教会を任される様になるらしい。
コレが建前。この影で無体な行為が行われていた。
後発発現が遅かった者などは特に。魔法を操る事がままならない上に魔力も大きはない。役も立たない存在なのに、保護されてる存在。世話を掛けさせてるのだから、身体を使って奉仕せよと云う事だったらしい。
性別は関係なく不特定多数を相手をされられ、いずれは権力者なりに下げ渡され、慰みものなどになってた様だ。優秀な魔法師を産めるとかなんとか、色々言われていた様だが、定かではない。
彼との交わりは、至極の交合だ。
あの蕩ける交わりを知ってしまっては、溺れる様に虜になるだろう。戻る事は叶わない。
癒すの交わりを知った者がどうするかなど、想像に難くない。
教会の暗部はコレを利用していたところもあった様だ。権力者に対する人身売買の様なものだった様だ。
今は改革のメスが入り、関わった人間は全て粛清され、知る者もいないであろう。
「結局、巡行には同行出来なかったけど、僕にお手伝い出来る事あるかな」
とんでもない事を可愛らしい口から溢れる。
他の者が彼をいいようにしていいはずもない。そんな事など、許せん!
と思いと裏腹に、性的な疼きを覚えた。
なんて事だ……。自分が許せん…。絶望感に頭を抱えていた。
「ヴィクトルさま? 僕変な事言った? またやらかした?」
やらかす自覚はあったんだ…と別な事に意識が向いたが、絶望的な性衝動に困惑してた。
心配気にトトトと近づいてきた。
マズイって…!
昨夜の熱い交わりがフィードバックしてくる。
エミルの香りが近づてきたのがトリガーだった。
無言で腰を掴んで引き寄せてしまった。
目も見ず唇を合わせた。
膝に乗り上げさせ、唇を啄むと言うより喰らいつように合わせる。
荒々しく合わさる唇に、始めは抵抗を見せていたが、私の背に控えめながら手が回り、自らも求めて来てくれる。
可愛らしい私の伴侶。
こんな愛おしい存在を自ら汚して、私はどうかしている。
私の懺悔のような縋るような口づけにエミルが寄り添ってくれる。
背に回った手が縋り付くように掴んでくれた。
私はあなたを守りたいのに守られている。
抱きしめる手に自然と力が入っていた。
もうあのような暴走は起こさないと誓う。
柔らかな髪を撫でる。
疲れ切ったあの頃、癒しの力に抗えなかったと言うには、言い訳がましいか。
分かってる。
自覚はしてなかったが、好きになった人が手に入って舞い上がった未熟者だった…と言う事だ。
あなたを全てから守ろうとしても、自らの力で軽やかにやり遂げてしまうのでしょうね。
自由であるあなたが好きです。
次、エミル視点の話です。
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