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【補足話】捕まえるまでの話。(ヴィクトル視点) 《前半》

ヴィクトル視点で二人の出会いから捕まえるまでの話です。

よろしくお願いします。



私は、乳鉢でゴーリゴーリと潰される音が好きだ。

心が落ち着く。

初めて教会で見た時もこの男はこの音をさせていた。


初めて見た時は落胆して、放置してきたが、帰ってからどうも気になっていた。


すると、教会から巡行に組み込んで良いか?と打診がきた。

それはもう会えなくなるって事ではないかと『こちらによこせ』と返事を送っておいたら、やってきた。


出来れば、いつまでも聞いていたい。彼の側でじっと耳を傾けたいが、それは叶わない。

すぐに次の案件の為に視察に向かわないといけないのだ。

薄く開いた扉の影で耳を傾けていたが、時計を確認して、そっと扉を開けて、ひと呼吸置いてから声を掛けた。

床に座って作業している彼は、ぼんやりこちらを見た。

…可愛い。


挨拶をしてくれた。

声も可愛い。

年上というのは間違いではないだろうか。童顔ってなんなんだ!

腹の立つ。


これからゆっくり話をしたらいい。

時間はある。作ればいい……頑張る。

暫くここで滞在してもらって、監視がしやすい場所で店などしてもらえばいいだろう。

うん、そうしよう。

ここにいるように言い置いて、部屋を後にした。

帰ってからゆっくり話をしよう。


教会から男ともに来た手紙には男を使えとあったが意味が分からん。執事長に手紙を確認してもらった。

夜、帰ってから話がしたい旨も伝えて、出掛けた。



えーと、これはどういう事だろう?

支度がどうの言われ、疲れもあって、自分の寝る支度が終わった頃、離れに通された。

ナイトガウン姿で申し訳なく思いながらも、話はしたかったので、ベッドに座る男の横に座った。

誘われるように座ってしまったのだ。


これはなんだ?

気持ちがいい……。

そばに座っただけで、疲れが取れるようだ。

触りたくなった。

薄いローブを羽織った肩に触れた。

接触した手が吸い付くようだ。

布越しが焦ったい。


襟を掴むと肩を剥き出し肌を晒す。


そこからがもうダメだった。


押し倒していた。


据え膳を食う気分で行ってしまった。

支度などして、初めてではないのだろう。


夢中だった。


気持ち良すぎる…。


落ち着いてきた。

荒い息を整えつつ、眼下の有り様に慄いた。

浄化魔法で綺麗にしたところで……。

すまない気分で、なんと言っていいか分からず。しかも酷く眠く。すまない気持ちだけはいっぱいだったが、何も言えずに抱き込んで、眠りに落ちた。


疲れ切って眠る眠りとは違う深い静かな眠りだった。


朝、信じられない身体の軽さに驚いた。

これが光属性の癒しの効果なのか?


思わず彼のこめかみにそっと唇を当てた。

愛おしさと感謝の気持ちが溢れていた。


息を詰める気配。

寝たフリ?


部屋を去る時、視線を感じて振り返れば、ぎゅっと目を閉じてる姿。可愛らしい姿に自然と口角が上がる。



それからは、何度も訪れ、話をする前に誘惑に負けて身体を重ねた。

自分は彼を憎からず想っているのではと、気づいたが、この状態から、お付き合いを…などと言えず、離れに閉じ込める訳にもいかない。


執事長は道具として使えばいいような態度だし、私の態度にも何か言いたそうだが、仕事はしてるのだから、文句は言われない。


そうだ。好意を持ってもらえば、あちらからアプローチがあるかもしれない。

恋愛経験もない私は贈り物をし始めた。


合わせて、執事長に彼を配偶者として迎えたい旨を伝えると渋られた。


彼から反応が得られたと思えば、贈り物をやめてくれと言われた。

落ち込んでると、二、三質問される。

話が出来る事に嬉しくなって答えると、贈り物を止めなくて良くなったが、領地内の物にしてくれと言われた。


改めて、領地の産業を見直した。

贈り物に見合う為に、品質向上の為の改善指南をして回り、それを担ってくれそうな人材を発掘したり招いたりした。


なんだか周りの者たちの態度も変わってきた。

エミルには、指導料として給金を渡した。

執事長の反応もいい。

しかし、エミルの反応は悪い。

やはり、私から嫁に来て欲しいとアプローチしなければならないのだろうか。

だが、どうしたらいいのか。


口づけはまだだ。

初めての夜から、エミルは口を押さえたりして隙がなかったのでしてこなかった。

ならば、最後に取っておこうと決めた。

気持ちが通じ合えた時にしたい…。


こんなに想ってるのに、良からぬ匂いをつけてくるようになった。

こんなに魔力あれば、私の威嚇は分かってる筈なのに。魔力の主は彼に近づくのか?

エミルが親しくしてるという事か。


そうだ。私の印を贈ろう。

私の耳に嵌ってる石の片割れを贈った。

コレは両親から贈られたひとつ石を割って作った対の守り石だ。

これに更に魔力を刷り込めば、どこにいても見つける事は可能だ。変にまとわりついてる魔力の持ち主に攫われても救い出せる。


なのに、守り石が、あんな状態で目に入ってきた時、身体中の血が沸騰するのを感じた。

森を焼いていた。

雨が降ってなければもっと延焼していただろう。貴重な木があったらしいが、知った事ではない。

魔獣を探しては腹を割いた。

彼の残骸は見つからない。


そんな荒れた時を過ごしていると、王都から呼び出しが。


そう言えば、領地の執務もおざなりになっていた。


ヤバ……。


私は王太子が苦手だ。


『すぐ来い今すぐ来い、そのままでいいから来い!』


言われるままに馬を駆った。

すぐ来ないと何をされるか分からん。

私は攻撃魔法は得意だが、他はからっきしで転移や転送の魔法はいまいち精度が悪く使えない。精神状態がこうではなおさら使えない。

泣きたい気分で馬を乗り換えて向かう。



「馬鹿ヴィ、やっと来たか。迎えをやれば良かったな。呆れてうっかりした」

膝をついて、俯いて、ただ大人しくしていた。


「馬鹿だな。ヴィー、話は聴いてやる。座れ」


ーーーー洗いざらい吐かされて、罵倒され、実際殴られた。


仕事はしろ。

先の事を早急にまとめろ。

そいつは生きてるはずだから探せ。

以上。


解放された。ついでに転送で帰してくれた。

王太子には何が見えてるのだろう。


溜まった書類を消化しつつ、後継者の選定を執事長に頼む。親戚筋からいいのを選んでくれるだろう。

森を整備し、出来るだけ元に戻すように努力した。


後継者の青年は、よく働いて、私より良い領主になりそうだ。これで探しに行ける。だがどうやって探せばいいのだろう。

噂話でも良いと、色が抜けてる感じの茶髪の小柄な男。薬師。特徴…平凡な何処にでもいそうな男。童顔っていっても、若く見えるだけであって…。

そんな事しか手掛かりがない。

あの髪色だ。すぐに見つかりそうなものなのに。

商業ギルドにも問い合わせたが、理由を話したところで、開示はしてくれなかった。


あの髪色は、身体を重ねる程に金に近くなってるのを、気づいてただろうか…。


ダンジョンの近くで露店を開く薬師の噂が流れてきた。

露店は幻のように現れては消えるのだそうだ。

上級ダンジョンの近くの時もあれば、初級ダンジョンの時もあって、見つけたら、買いだと言われていた。最高アイテムが並んでるとか。


幻の露店。

軌跡を追ってみようか…。


ぼんやりと森の視察をしてるところで、懐かしい感覚に頬を撫でられた。

エミル!

捕まえようとして失敗した。


確かに生きてる。

準備は整った。期間を切って捜索の旅に出た。




次回後半。この後最終チェック後問題が無ければ更新予定。


ヴィクトルは、エミルの目にはスーパーヒーローのように映ってますが、そうでもない男です。努力でなんとかなりました。

やれる人なんです。その辺りはご学友の王太子もかってます。なので、何かと呼びつけたりします。

寂しいだけって事もありますがね。


この後、後日談があるのですが、なろう版に改訂してupするかは、反応を見て考えようかと思ってます。

なので、ブックマークなど有れば、小躍りして準備しちゃうでしょうねヽ(´▽`)/


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