いざ帝都へ
出街手続きを終えて、シュリの居るところまで戻ると、百面相している彼女がいた。一体何を考えているのやら・・・。はたと止まって眺めていたいのは山々なのだけれど、流石に予定がつまっているので、そんなことも出来ず・・・。
「シュリ。お待たせ」
「クオン様。お早いお帰りで」
おぉ・・・声をかけた途端に表情がいつもの無表情に戻ったよ・・・まぁ、口角はヒクついているから見られたくなかったのだけれど、俺は優しいからね。敢えてスルーするよ。
「それじゃぁ、門を出て暫く行くと森があるから、そこから転移しよう」
「畏まりました」
2人並んで街門を抜ける・・・そう言えば、シュリの手続き、忘れてたな・・・。俺は冒険者ライセンスを見せて、街から出て行くことと、直ぐには戻らないことなど2.3個の質問に答えれば済むのだけれど・・・。
「シュリごめ・・・あ!」
シュリに謝ろうとして横を見ると、帝室の紋を衛士に見せていた。慌てて敬礼している彼らに少し可笑しくなってしまったけれど、そうだよね。紋を見せれば、顔パスだよね。俺は・・・まぁ持っているけどやらないから。わっ忘れていたわけじゃないんだからね!って・・・また変な言い訳をしてしまった。
「これで大丈夫ですか」
「はっはい!お通りください!」
「ありがとうございます。クオン様、行きましょう」
「うん」
衛士たちの興味津々な視線に刺されながらも、街門を後にする。興味が出るのは仕方ないけど、薮蛇になるから頭を突っ込まない方が良いよぉ・・・。それに、俺に対してブランクに接してくれなくなっちゃうから・・・。ここでは俺は只の冒険者。まぁライセンス資格は世界でも3人しかいない高位だけどさ・・・。冒険者とは別の身分は、隠すに限る!
●
「この辺りには、魔物の類はいないのですね」
「うん。魔境から随分と離れているからね。俺が来た頃はまだまだ多かったけど、あらかた刈り尽くしたから・・・」
「無茶は程ほどにしてくださいませ」
「・・・善処するよ」
俺が薮蛇った・・・。まぁあの時は、兎に角身体を動かしたかったのだから仕方ない。うん。今もこうして五体満足で生きているのだから、ヨシとしよう!
「この辺りで良いかな」
「・・・危険な野生生物の気配も希薄・・・。相当動かれましたね。クオン様」
「まっまぁ良いじゃないか。それよりも、右手を拝借」
「はい」
───軽く手を添えてくれれば良いのだけれど・・・。なにゆえに恋人つなぎ?まぁ転移するときには、身体のどこかに触れていないと2人以上の転移が出来ないから。良しとしようか。
さぁ5年ぶりに両陛下に会うぞ!・・・きっと。イヤ絶対、どやされるんだろうなぁ・・・たははは。
「転移!」
本日で毎日の投稿を終了し、ご紹介した通り毎週日曜日の更新とさせていただきます。お読みいただいている方、目にとまった方。拙作に興味を持っていただき誠にありがとうございます。
なんとなぁく良いなと感じた際には、ご評価いただけると幸いです。現在の所、本作品は4月分まで予約投稿させていただいております。1話1話が短く、申し訳ありませんが、今後とも宜しお願い致します。




