また二人で
前書きのネタがないのでスルーさせていただきます。
二人でパンを分け合い、ペロリと完食してから数十分。俺たちはこの数ヶ月間の思い出を話し合っていた。去年の感謝祭、二人で顔を合わせないように祭りの会場ではなく例の林で過ごそうとしたら偶々俺たち二人が鉢あった。正確に言うと偶々と言うより考えが同じだったと言うのだろう。その後すぐに解散して、村の会場でまた鉢あって気まずくなったことだとか。
「あの時はもう一回移動するか悩んだよなぁ」
「あ、私も!でもまた向こうで会ったらどうしようって思っちゃって」
「俺も俺も。なんだ、やっぱり同じだったんだ」
倉庫整理を始めたときの静かな時間とは打って変わり、倉庫の中は大きな笑い声が響く空間となっていた。どれだけの間こうしていただろうか、整理整頓を行っていた時間よりずっと話していた気がするが。
すると、唐突に俺たち二人しかいなかったはずの空間に別の音が割り込んできた。扉を叩く音だ。
「二人ともいる?」
扉を開いたのはラムノだった。彼女の奥の方に見える空は既に赤く染まっており、もう既に夕暮れ時になっているようだ。
「ラムノ?どうしてここに」
そうか、俺はラムノが扉の前にいたことを知っていたから驚かなかったが、ウォーラはそんな事を知らないんだものな。そりゃ唐突に現れたラムノに驚くわけだ。
「二人が戻ってこないから心配してたんですけど。何してんのこんな時間まで」
「そういうことなんだ。私たちはちょっと話してた」
「こんな時間まで?」
「だって扉開かなかったんだもん。ねぇ、ユキ」
「ん、あぁ」
ラムノが頑張ってくれていたおかげなんだけどな。
扉が開いた以上、もうここに残る理由もない。俺とウォーラは立ち上がって扉の施錠をし、倉庫を後にするのだった。
「仲直りできたみたいだね」
すれ違ったラムノが呟くようにそう言った。話し声が漏れていたのか、はたまた今の俺たちを見てそう感じたのか。ともかく彼女のおかげで仲直りができたのは事実なわけで、ラムノには言わなければならないことがある。
「あぁ。本当にありがとうな、ラムノ」
「言葉もいいけど、形にもしてほしいかな」
「何が欲しいんだよ」
「考えとくから、思いついたら伝えるよ」
ラムノはそう言うと一足先に家に戻っていく。俺はというと村長に鍵を返すために一度彼の家まで向かう必要がある。待っていてくれたウォーラと合流し、俺たちは二人で鍵を返しに行くのだった。




