パンをあげていただけなのに
とりあえず三連休は更新できます!よろしくお願いします。
「そっか」
俺の話が終わった後、ウォーラは一言そう呟いた。その反応は適当な受け流しではなく、俺の言ったことを噛み砕いて理解してくれたのだろう。彼女の声色がそれを示していた。
「私の方こそ、ごめん」
ウォーラは呟きの後、少し間を空けて俺に謝罪をした。
「話し難い雰囲気を作ったのは私のせいだもんね。かっこいいって言ったことだったり、ユキの話を聞いてなかったり」
「いや、話しかけづらかったこともあるからウォーラのせいってだけじゃ」
「ううん。去年、ユキが違うって言ったのに私は聞いてなかった」
去年と言われて思い出す。確かにあの日、ウォーラは俺の話をちゃんと聞いてくれてはいなかったように思う。てっきり俺の言葉や話し方が伝わりづらかったせいだと思っていたのだが、今の彼女の言葉を聞くに俺の話した言葉だけは伝わっていたようだ。
「たださ。あの日何か黙っているみたいだったし、本心は嫌いなんだろうって思い込んじゃった。ユキは優しいからさ、だから違うって言ってくれたんだって」
やっぱり俺の話し方がまずかったんじゃないか。
あと、俺って優しいと思われることをしていたのだろうか。嫌われるようなことはしないようにしていたが、優しいということには心当たりがない。
「だってほら、ユキってパンくれるじゃん」
そこかよ。
まさかパンをつくる能力が原因でこんな拗れた関係を生み出してしまうとは。もしかするとこの能力、余計なことを起こしてしまう可能性もあるのかもしれない……。




