待つしかないよ
とりあえず火曜までは更新予定です。
更新が出来なさそうな場合はなるべく事前に連絡します。
慌てた様子を見せるウォーラ。対して俺は全く動じておらず、どちらかというと落ち着いていた。このような事態になることを知っていたからだった。
ここまでがラムノの作戦だった。倉庫整理の時間である程度は距離が縮まったあと、無理やり二人だけの空間を用意して話をするという流れになっていた。恐らくだがあの扉は、今必死にラムノが抑えているのだろう。
「ねぇユキ。ユキもちょっとやってみてよ」
「開けろってことか?」
「他にないでしょ。ほら、こっちだから」
参ったな、そう思いながらウォーラの声を頼りに扉の方へと歩き出す。ラムノに立ててもらった作戦なのだから俺がこの扉を開けるわけにはいかないのだ。どうやって開けるふりをしようか、俺はあまり演技が上手い方じゃないのだ。
ドアノブを握り少し考え、結局何も思いつかなかった俺はラムノを信じて単純に扉を押すことにした。もちろん、力は弱めているつもりだ。
「うわっ」
やはりこの扉の向こうではラムノがいるようだ。急に力を加えられて驚いたのかラムノが小さく声をあげた。一瞬だけ扉が開きそうになるが、彼女の精一杯の努力のおかげで何とかウォーラを誤魔化すことができた。
「本当だ、開かないな」
「でしょ」
「それならさ、ここで助けを待とうぜ。俺たちがやれることはないんだから」
「わかったけど。……いやに落ち着いてるね」
「そ、そ、そんなことないけど」
あぁ、これまた表情なんて見えないのに、ウォーラが疑いの視線を向けているのがわかる。やはり俺に人を騙すことは向いていないようだ。人を騙すような嘘をつくのはこれっきりにした方が良さそうだな。
そうやって幼馴染に疑念は抱かれたものの、待つことしかできない俺たちはただただその場で待機することとした。




