ここまで作戦のうち
こう寒いと外に出る気も無くなりますね。
「大体、片付いた、かな?」
息切れをしながらウォーラが言う。彼女が言うように、中身が衣服の木箱は大体端に寄せて積み重ねることができた。おかげで最初は木箱を跨ぎながらでないと動けなかったのだが、今は普通に歩けるくらいには床を空けることができた。物が一箇所に纏まっただけで少しは片付いたように見えるのはなんなんだろうな。
「あぁ。あとの中身は重いものだから」
「大人たちに任せた方が良いかもね」
しかし、思ったより早く作業が終わってしまった。本当なら一緒に整理をしている間に少しは話をしたいと思っていたのだが、結局は業務連絡くらいの会話しかできなかった。
「じゃあさっさと報告しにいこうよ」
「あ、あぁ。そうだな」
作戦が上手くいっていないためか歯切れの悪い返事をしてしまう。強引に引き留めるわけにもいかないし、参ったな。
しかし扉へと向かうウォーラを引き止める方法を考えているその時だった。空気の入れ替えをするために開けていた扉が閉じられていく。
「え?」
そして静かな音を立て、入り口は閉じてしまった。唯一の出入り口が閉じられた倉庫の中は暗闇に囚われていく。
「え、え」
ウォーラは壁をつたってドアノブに触れると、必死にその扉を開けようとした。しかし扉は動きはするものの開くことはなかった。
「えぇ……」
やがて諦めのため息を吐いたウォーラは扉を動かすのをやめた。表情は見えないが、今の彼女は恨めしい顔をしている気がする。
「扉、何故か開かないんだけど」




