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嘘も方便

すみません。仕事が忙しくなりそうなので一旦一日空けさせてください。

次回の更新は2/5の土曜日を想定してます。

 「それで、ユキトにぃとウォーラねえは何を話していたわけ?」

 「あぁ。倉庫整理のな、手伝いを頼みにきたんだよ」


 状況を共有する暇がなかったため、ラムノは話を聞き出すことで現状を理解しようとしていた。協力を願い出た俺としてはなるべく多くの情報を共有したいのだが、会話の中で自然に出せる情報の量は限られてしまう。


 「それって村長さんに頼まれてたやつ?」

 「そ、そう。それそれ」

 「……あ、それって出鱈目じゃあなかったんだ」


 ウォーラが意外そうにそう言った。ラムノが話を合わせてくれたおかげで、嘘の話に真実味が帯びてきたようだ。ウォーラの瞳から疑いの意思が見えなくなっていく。

 だが代わりに当然の疑問は生まれてくるわけで。


 「じゃあラムノとやればいいんじゃないの?」


 そりゃあそう思うよな。ラムノは依頼の内容を知っているのだから。


 「あたしじゃ駄目ですよ」

 「何でさ」

 「怪我してるんですもの」


 当のラムノはその返しを想定していたようで間髪入れずに返事をした。彼女が利き手の袖をまくると、そこには包帯のように布が巻かれていた。

 本当にラムノが怪我をしたのかと思ったが、恐らくこれも予定を断る口実作りのためなのだろう。ここ最近の日常生活を思い出すが、彼女が怪我をしたかのような振る舞いは見せていなかった。


 「ね。だからウォーラねえに頼みたいなって」

 「……わかったけど、それって私じゃなくてもいいんじゃ」

 「うん。だけどみんなに断られちゃって。最後の頼みがウォーラねえなんですよ」


 俺は今日ほどラムノのことを凄いと思ったことはない。よくもまぁ表情一つ崩さずにこんな嘘をつけるものだ。性格が悪いとかそういうのではなく、彼女は単純に人を騙す才能がある人間なんだと、そう感じた。

 ラムノがついた嘘を信じたウォーラは一つ大きくため息を吐き、仕方のないといった表情を浮かべる。やがて、その視線は話をしていたラムノではなく俺へと移っていった。


 「わかった、やろう」

 「いいのか」

 「他に頼めないんでしょ。なら手伝うよ」

 「そうか、ありがとう!」


 あぁ、上手くいった。だが慌てるな、まだやることが残っている。

 サポーターのラムノにも小さな声でお礼を伝えて、俺たち二人は倉庫の方へと歩き出した。

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