このにぶちんどもめ
たまにタイトルにパロネタ的なものを入れてます(良いタイトルが思いつかなかったのが本音ですが)。
全体的にネタは古めです。
俺がパンを作る魔法を使うタイミングに対して、一任したのは俺自身だ。別に隠す必要などないのに、と思ってしまう。村長は俺よりも長生きしているのだし、きっと何か考えがあるのだとは思うが。
「大変だね」
と、隣でラムノが発言。
「何がだ?」
「考え事が増えちゃって。他に悩んでることだってあるんでしょ」
「うっ」
ラムノの言葉がぐさりと刺さる。……彼女の言う通り、ここ数ヶ月の悩みの種が俺にはあった。こんなに対人関係で悩むことがあるのかと自分に驚いたくらいだ。
「村長の話はともかくさ、そっちはそんなに悩むことじゃないでしょ」
「う、うるさいな。色々あるんだよ」
「さっさと仲直りしちゃえばいいのに」
「そうしたい。うん、そうしたいんだけどなぁ」
「ウォーラねえも、どうせそう思ってるはずなんだから」
そう、ウォーラのことだ。
去年の夏場に好きか嫌いかの話をされて以降、こちらが話しかけても避けられるようになってしまった。計算塾にも来なくなったし、運良く話ができてもそっけない態度を取られてしまうのだ。まさかあの時どう答えるか悩んだことで、ここまでその後の人間関係に影響が出るなんて思わなかった。
「でもさ、俺から話そうとしてもどっかに行っちゃうんだぞ」
「それなんだよね。ウォーラねえだってこのままにしたいとは思っていないはずだし」
「……今更だけど、何でラムノはそういうのわかるんだ?」
俺たちより一つ歳下のはずなのに、彼女は何もかもお見通しとでもいうかのように堂々とした様子で話を進めるのだ。俺からの質問に対し、ラムノは呆れたように言葉を漏らす。
「わかるでしょ。興味がなければわざわざ避けたりしないだろうし、近づいて欲しくなけりゃそう言うでしょ」
「そんなもんか」
「そんなもの。二人とも鈍いんだから、ちゃんと言葉にしなさいよ」
「仲直りしようって?」
「そういうこと」
呆れ顔のラムノは話をそこで終わらせて畑を耕す仕事へと戻っていった。鈍いと指摘された俺は、この十二年間の人生を振り返ってみるが全く自覚ができなかった。




