二年前のお話
明太子と鮭を合わせたものが悪魔的に美味しいです。塩分がやばい。
「っていうことがあってさ」
「ふん?」
村長が去ってから俺は再び畑仕事に戻り、鍬を握り直していた。それを振り下ろして数十分後、妹分であるラムノ・ナスオンが俺のもとへとやって来て、隣で一緒に鍬を振るうのだった。
そして共に仕事をしている間、先ほどの出来事を彼女に話してみると、ラムノは興味が湧いたとでも言いたげな様子で話を進めた。
「村長さん、そんなこと言ってたんだ」
「あぁ。何が言いたかったんだと思う?」
村長は絶対に俺に何かを言おうとしていた、はずだ。直接俺に言いたいこと、俺にしてほしいこと。それがあるはずなのだが想像がつかない。そこで俺は聡い妹分に問いただすと、彼女は俺と同じタイミングで鍬を上げ下げしながら返事をしてくれた。
「あれじゃないの、交渉の話」
「交渉?」
「ほら、あたしがこの村に来た時の」
ラムノが来た時。確か、もう二年前のことだったか。色々なことがあったものだから、言われなければ思い出さなかったけれども。
「あ、俺がパンを作るっていう」
なんだろう、しばらくこの魔法を使ってはいなかったせいだろうか。頭の隅では覚えていたはずなのだが言われるまでその可能性を生み出すことができなかった。
確かに村の作物が不作に終わった場合は俺の魔法を使うしかないだろう。乱用することは避けているが、そうすることでしか救えない命があるのであればこの力を使うべきだ、と思う。
「なるほどなぁ」
そうか、村長が言いなかったのはきっとそう言うことなのか。
納得はした、だが疑問はまだ残る。何故村長はそのことを俺に伝えなかったのか、ということだ。




