交差する思い
恐らく次の話で一区切りです。
洗い終わってしまった、会話の切り口は思いつかなかったというのに。
カゴいっぱいに詰まっている濡れた衣類を見て小さくため息を吐く。上着なんて破き損じゃないか。精神的な助けにはまったくならず、気が重くなった私は今度は大きくため息を吐くのだった。
いや、待てウォーラ。前向きな思考で行くんだ。まだユキが帰ってくるまで時間があるはずじゃないか。去年は夜に帰って来たはずだ、なら夜までに切り口を考えれば…。
「あれ」
そう思った私は一目散に我が家へ目指そうとしたのだが、とある少年の姿が目に入る。ここ最近ずっと私のことを悩ませていた幼馴染の男の子だ。
「あ、ユキ…」
しまった、迂闊なことに何も考えずユキヘと話しかけてしまった。自業自得ではあるが精神的な準備ができていない私は頭が真っ白になってしまい、咄嗟に出て来た次の言葉が。
「…おかえりー」
であった。もう少し話を拡げたいのだけれど、どうもこれ以上は頭が回らない。
「あぁただいま。ウォーラも仕事か?」
「うん。この時期の川辺はいいよね、水が気持ちいいもの」
「あぁ。夏だものな」
世間話はそこで終わってしまい、気まずい沈黙が私たちの間に流れる。えぇと、どうやって気持ちの話まで持っていこうか。
「じゃあ、また」
悩んでいる間にユキは軽く頭を下げその場を去ろうとした。待って、まだ話したいことがあるんだ。そう思った私は無意識のうちにユキをその場に呼び止めていた。




