悩みを察して
年明けまでの五日間、頑張って毎日更新を目指します。できるかどうかは微妙でありますが、久しぶりに頑張ります。
「キザリィさんの気持ちはわかるつもりです。誰だって、自分のやりたいことをやれればいいに決まってます」
悩みを抱えるキザリィ・クボに対して、俺は思っていることをそのまま口にする。建前でもあり、本心でもある言葉を。だからこそどっちつかずで、かつ気持ちのいい言葉になってしまった。
しかし色々な気持ちを抱えてはいるものの、俺は目の前の人の幸せを願っていた。それは事実だ。
「俺はあなたの気持ちも、お父さんの気持ちもわかるつもりです」
「どうして?」
「部外者だから」
良くも悪くも、当事者ではない分私情を挟まずに人の気持ちを想像することはできる。
「お父さんだって、きっと好きにすれば良いって言いますよ」
「そうかな」
「恐らくは」
「本当、曖昧…」
少なくとも、親は子どもが望むことを推奨するだろう。親がどう思っていても所詮は違う個体、目指す方向が変わっていくのは仕方のないことだ。きっと親はそのことに気がついているだろうし、彼女の気持ちも察しているだろう。
「一度お父さんと話をしてみたらいかがですか?」
「…それができれば苦労はしないんだけど?」
「そうですね」
身も蓋もない話だとわかってはいるが、それが一番だと思っている。意外と切り出しさえしてみれば話自体はできるものだ、と思っている。そのことを伝えたところ、歯切れの悪い相槌が返って来た。
話はそれ以上膨らむことなく、俺たちはコップを洗って布団へと戻っていく。長々と話をして疲れたのだろうか、今度はすぐに眠りにつくことができた。




