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和みの時間

あと二週間で今年も終わりですか…。

年末年始は忙しいですが、皆さん頑張りましょう。

 「相変わらず良い物を作る」


 この店の主人は俺が持ってきた物を見て嬉しそうにそう呟く。崇拝の表情と言っても過言ではなさそうだ。それだけうちの村の技術はすごいのかと内心驚いていた。


 「以前より細かい造形ができている。毎年毎年驚かされるものだ」

 「俺にはよくわかりませんけど、そんなものなんですか」

 「あぁ、フェンコウの村は是非一度訪れてみたいものだ。これを作ってる奴らと一度は話をしてみたい」


 去年は寡黙な印象を受けたこの店の主人だが、こうしてうちの木彫り細工を楽しそうに見ているとまったく正反対の印象を抱く。はしゃぐ彼はまるで玩具を与えられた子どものようだった。


 「村には…」

 「わかっている。前にこの店へ細工を届けにきた奴から聞いているよ。村の情報は開示できないんだろ」


 あぁ、事情は聞いているのか。ならよかった、そう思うと同時に、この店とうちの村はどうやって繋がりができたのかと疑問に思う俺だった。

 それが顔に出ていたのだろうか、店主は俺の方を見るとイタズラっぽく口角を上げてその口を開く。


 「お前の村のことを知ったのは三十年くらい前のことさ。当時まだ店を開く前だったおれは、師匠の元で死に物狂いで技術を学んでいた」


 そこから紆余曲折ある長い長い回想を聞かされる。要約すると、『修行中の時にたまたま街に物を売りにきていたうちの村の住人を見た』ということらしい。昔は露天を開いて木彫り細工を売っていたらしいのだが、この店主が店を開くにあたって専属で買い取るようにしたとのことだった。

 まとめれば数文字で済むところだが既に日は落ちかけている。そういえば去年はキザリィさんがこんな様子の彼から俺を剥がしてくれたんだったな。しかし今年の彼女は忙しいためかまったく助けにはきてくれなかった。…まぁ、お店が繁盛しているというのは良いことだろう。


 「お父さんちょっと。…あれ少年くん。まだいたんだ」


 若干疲れた表情を浮かべたキザリィさんが工房へとやってくると、ようやく話に区切りがついた。やはり数時間は経過していたようで、彼女は俺が帰ったものだと思い込んでいたみたいだ。


 「何だキザリィ、なにがあった」

 「オーダーメイドのアクセサリの依頼。何か月と太陽をモチーフにしたピアスが作れないかって言ってたよ」

 「なるほどな。今行く」


 そこで俺はようやく解放されたのだった。このまま店を出ようかとも思ったが、よく考えれば俺はまだ金を受け取っていない。帰るに帰れないこの状況で、仕方がないので俺はキザリィさんにもう一つの要件を聞き出してみることにした。


 「キザリィさん」

 「ん、何かな」

 「ここ一年で何か変わった物って出ました?動く鉄の塊とか」


 キザリィさんは「あぁ」と一言呟くと、窓の方を指差す。


 「アレのことかな?」

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