絶対に許されないこと
キリが悪いので明日も一話だけ更新しようと思います。
…あぁ、何て心地のいい目覚めなのだろう。
とんでもなく体に疲労が溜まっていたようだ。どうやら俺は意識がなくなるように眠っていたらしい。
目が覚めた瞬間は眠る前に何をしていたのかまるで思い出せなかった。ただこうして気持ちよく起きることができたということは、きっと何か溜まっていたストレスのような物を吐き出すことができたに違いない。
寝起き特有の働かない頭で辺りを見渡す。
…段々と思考は現実に戻されていく。
「あれ?」
辺りはいつもの家の中ではなく森の中。鳥の鳴き声や木々が揺れる心地の良い音が聞こえるなかで、赤く、血に塗れた肉の塊が転がっている。
その塊は人の形をしていた。見覚えもあった。
…段々と自分の行ったことを思い出していく。
「…あ」
自らの手を見る。乾きかけているが、赤い、赤い何かで汚れている。
感触を思い出す。温かい肉をただただ殴っていたあの感触を。
感情を思い出す。ただただ目の前の相手を殺したいと思ったあの感情を。
「あぁぁ」
俺が、あいつを、殺した?
「うわぁぁぁぁ!!!?」
その場から逃げ出したいと思った。だが体が強張っていて、うまく動かなかった。
これが現実なわけがない。俺はそういう人間じゃない。嘘だ、俺じゃない。これは夢だ、まだきっと俺は夢の中にいるんだ。
はやく、さめて。ちがう、いやだ。
「ユキト!」
もりのなかでおじいさんとであった。なんだかいきをきらしていた。
「モーブとウォーラから話は聞いた!あのバカ孫は無事か!?」
「そ、そんちょ。わ、わから、ない」
「いた!村長、あっち!」
おじいさんとおんなのこが、おれがいたところにはしっていく。そっちはだめなのに。
「スコード!ねぇ、生きてる!」
「息はある!包帯を巻いたらすぐに医者に連れてくぞ!」
「生きてる!?生きてるんだね!?」
いきてる。
そうなんだ、よかった。本当に、よかった。
精神的な疲れからだろう。その一言を聞いて、俺は再び意識を失うように眠ってしまうのだった。




