殺意爆発
癇癪王子から始まった、彼の怒りや憎悪が爆発してます。これは良くないことです。
目の前の男を睨む。怒りを込めて睨みつける。
まるで世界にこいつしかいないかのような気持ちだった。気に食わない、許せない、消してしまいたい。
そうだ、今俺が持っている感情は殺意だ。黒くドロドロとした嫌な憎しみだけが俺の体を動かしている。
「ふざけ、やがって!」
先に動いたのはスコードだった。頭に血が上っているのだろう、太い枝を構えた彼は咆哮を上げ、ただただ真っ直ぐに突っ込んでくる。
血が上っているのは俺も同じであるが、わずかにこちらの方が冷静だったようだ。彼が俺の脳天目掛けて枝を振るうその瞬間、斜めに体を動かしてスコードの胸板を狙い拳をぶつける。所謂ラリアットだ。幸か不幸か、その一撃は疲れ切った彼の動きを止めるには十分であった。
「っ、げぇっ」
「お前、お前なんか」
「げ、っふ」
「お前なんかっ」
最後まで言い切らなかったのは理性の欠片が残っていたのだろうか。それとも、ただただ体力がなかったただけなのだろうか。後から振り返ってもそれはわからなかった。
だけど…。
対象の動きが止まった方がいいことに、背後からスコードの頭を殴りつける。俺が先ほど食らった攻撃のように。
元々立つのもやっとだった男だ。その体は地面に倒れ、俺はそいつに跨ってマウントポジションを取ると、その顔を目掛けて拳を振るってしまう。
憎しみを込めて、ただただ暴力を振るってしまう。
「このっ、この野郎」
生まれが良いだけで偉ぶりやがって、お前なんか何の取り柄もない癖に。
ウォーラを連れ去って怖がらせやがって、直接俺と喧嘩すればいい癖に。
変な理由でいろんなところに迷惑をかけやがって、ぜんぶ自分が悪い癖に。
俺を殺そうとしやがって、ウォーラを殺そうとしやがって。
お前なんか、お前なんか。
死んでしまえ。




