死際覚醒
ちょっと毎日投稿に限界を感じ始めたので近いうちに元の週1〜2投稿に戻すかもです。
暗転。
強い衝撃の後、突如として視界が黒に染まった。正確には一瞬だけ意識がなくなったのだが、それを理解できたのは後にこの日を振り返った時のことだった。
「ふざけんな、このまま帰してたまるかよ!」
遠くで声が聞こえる。憎しみを帯びた声と、悲鳴に似た少女の声が。
意識を取り戻したけれども、それは今にも途切れてしまいそうだった。酷い睡魔に襲われた時のように、開けようと強く意識しないと目が開かないくらいだ。もちろん腕や足も同じ状況で、まるで自分の体ではないみたいにピクリとも動かない。
「どうせこれがバレたら爺さんに何をされるかわかんねーんだ、記憶をなくすまでぶん殴ってやる!」
「やめてよ!殺す気なの!?」
声が聞こえてから理解するまで時間がかかってしまった。どうやら先ほどは殴られたせいで意識を失ったらしい。感じた衝撃が明らかに拳のものではなかったので、もしかしたら木の棒や石で殴られたのかもしれない。
動かなければならない。抗戦しなければならない。だが力を入れようにも、意識が朦朧としている中うまく体が動かせない。
どうだろう、このまま俺は死んでしまうのだろうか。体を動かせないまま、眠るように息を引き取るのだろうか。
「邪魔すんなウォーラァッ!」
「うわっ!?」
何かが突き飛ばされるような音がした。そして同じような音がもう一つ。
「なんならお前も、お前からやってやるよ!」
…ウォーラが、突き飛ばされたのだろうか。
もしかして今、ウォーラが彼に襲われているのか。
「ちょ、やめっ」
「おれに力で勝てると思ってるのかよ!」
ダメだ、彼女が傷つく姿は見たくない。それを阻止できるのは、今ここにいるのは俺しかいないだろ。踏ん張れよ、俺。
彼女のためを思うとようやく全身に力がみなぎる。見開いたその目で見えたのは、スコードがウォーラを押し倒している光景だった。




