我儘対策
今更ながらリングフィットアドベンチャーを買ってみました。継続するかはわかりませんが、できるだけ頑張ってみようと思います。
…はぁ?
思わず声も出なかった。発した言葉もそうだし、その発言の意図もそうだし。彼が何を言いたいのかが理解できなかったのだ。
「全てって、何だよ」
「お前の名声も、女も、プライドも!全部、全部おれによこせ!」
「名声?プライド?」
「あぁそうだ。お前がそれを持っている限り、おれはお前が気に食わない!」
何だそれ、理不尽もいいとこだ。お前に気に入られるためだけに俺の持つものを捨てろっていうのか。いい加減にしろよ。そんな我儘、受け入れていられるか。
「嫌だ」
「何だと?」
「お前、何でもかんでも自分の思い通りになると思うなよ」
きっと今まで彼はこんな我儘を言えば、それが通ってきたのだろう。「お前の全てをよこせ」なんて自分勝手な物言いなど、普通に生きていればそんなことなど言わぬはずだ。
理不尽な言動に苛立ちが募る。憎しみが生まれる。心が余裕を無くしていく。
目の前の存在が憎くなる。苛立ちが高まる。心が感情に飲み込まれていく。
…正常な判断が出来なくなる。
「お前の言うことは聞かない。それと、ウォーラをここに連れ去ったことは村長に伝える」
「は?そんなこと、爺さんが信じるかと思ってるのかよ。血の繋がったおれとお前、どっちを信じるのかは明白だろ」
「お前馬鹿だろ。自分で言ってたじゃないか、俺が村長に評価されているって。それにウォーラが証言してくれれば、信用と値する人間は確実だ」
「ハハッ。ウォーラがお前に味方すると思ってるのか?」
「するに決まってるでしょ、馬鹿なの?」
そう言ったのは、先ほどまで息を整えて発言すら出来なかったウォーラ・ブライド自身だった。
ウォーラの感想は俺にとっても同様だ。彼女がここに来たのが彼女の意思でないとしたら、彼女もスコードに対して怒りを感じているはずだ。
スコードは何に自信を持っていたのかわからないが、ウォーラのその発言に狼狽するのだった。




